Para=1 proposed Para=2 proposed Para=4 proposed Para=8 proposed Para=16 proposed Para=1 no FACK Para=2 no FACK Para=4 no FACK Para=8 no FACK Para=16 no FACK Para=1 standard Para=2 standard Para=4 standard Para=8 standard Para=16 standard Time [s]
Size [kbyte]
0.00 0.50 1.00 1.50 2.00 2.50 3.00 3.50 4.00 4.50 5.00 5.50 6.00 6.50 7.00 7.50 8.00 8.50 9.00 9.50
100.00 200.00 300.00 400.00 500.00
図 18 ロス率 5%における平均転送時間
5.2.2 Fast Retransmit 数と再送タイムアウト 数
表3にロス率3%における512Kバイト転送時のfastretransmit数と再送タイム アウト数の平均,表4にロス率5%における 512kバイト転送時のfastretransmit 数と再送タイムアウト数の平均を示す.各項目は,(再送タイムアウト数) /(fast
retransmit 数)の形式で示した.
表3および,表4 より,prop osedと noFACKは standardと比較して,再送 タイムアウトの頻度が大幅に減少していることがわかる.したがって,再送タイ ム度が減少する効果は,コネクション分割管理による効果であるといえる.
また,prop osedの場合は,多重度1においてもnoFACKに比べて再送タイム アウトの頻度が大幅に減少しているが,これは FACK的効果によるところが大 きいと考えられる.
FACK 的効果が有効に働くのは,fastrecovery中に重複ACKが返り続ける場 合である.重複ACK に含まれる SACK 情報により,正常に受信されたセグ メ ントについてはアウトスタンディングウインド ウから除外されていくので,fast
recory 中に送信可能となるセグメントが従来のTCPに比べて増加する.送信で
きるセグ メントが増加するので,返ってくる重複ACK も増加し,ロスしたセグ メントについては NACK カウントが増加していくので再送を速やかに行いやす くなるためである.
また,ロス率5%の場合,standard に比べ,proposed と noFACK の fast
re-transmit 数が大きくなっている.ロス率が高いと,standardでは fastretransmit が行いにくくなるが,コネクション分割管理方式では,cwndが standardに比較 して大きくなるので fastretransmitが行いやすくなるためであると考えられる.
多重度による変化は,prop osedと no FACK においては,再送タイムアウト 数は2と4と8とに谷があるが,fastretransmit 数については,多重度が上がる 方がよくなっている.多重度が上がればより多く独立に fast retransmit を行え るからであると考えられる.しかし,多重度が大きすぎると1サブコネクション 辺りのバッファサイズが小さくなり過ぎるため,輻輳制御がうまくいかない場合 も多く発生し,再送タイムアウト数の増大を招いていると考えられる.したがっ て,多重度は,4程度がよいと考えられる.
表 3 ロス率 3% における 512k バイト転送時の再送タイムアウト数と fast
re-transmit 数
多重度 standard noFACK proposed
1 1.10/8.34 0.350/8.07 0.270/8.58
2 1.17/8.11 0.150/8.45 0.130/7.71
4 1.53/7.72 0.170/7.30 0.220/7.61
8 2.37/7.32 0.220/8.47 0.170/8.29
16 3.86/7.04 0.290/9.10 0.310/9.15
表 4 ロス率 5% における 512k バイト転送時の再送タイムアウト数と fast
re-transmit 数
多重度 standard noFACK prop osed
1 4.94/ 10.7 3.84 / 11.19 0.830/13.1
2 5.38/ 10.8 1.08 / 13.53 0.290/12.8
4 7.20 / 9.9 0.910 / 12.4 0.340/11.5
8 9.77/ 8.11 0.730 / 13.5 0.690/12.4
16 8.13/ 8.81 0.760 / 15.7 0.620/15.8
5.2.3 再送率
表5にロス率3%における 512Kバイト転送時の再送率,表6にロス率5% に おける 512kバイト転送時の再送率を示す.再送率は全送信セグ メントに占める 再送セグメントの割合であると定義する.なお,表中で proposedは従来方式,no
FACKは FACK 効果なしのコネクション分割管理方式,prop osedはコネクショ ン分割管理方式を表す.再送率は100分率で表した.
表5 および,表6 より,コネクション分割管理方式はFACK 的効果のあるな しに関わらず,再送率が大幅に増大していることはないといえる.
コネクション分割管理方式はFACK的効果のあるなしに関わらず,fast
retrans-mit および fastrecovery中に再送したセグメントを,ロスしたと判断すれば何度 でも再送するアルゴ リズムがあるため,従来のTCP に比べると再送率は若干上 がる可能性がある.
しかし,ロス率5% においては,多重度8および16においてコネクション分 割管理方式の両方式の再送率が上がっている.これは,1サブコネクション辺り のバッファサイズが小さくなり過ぎることの影響が考えられるが,測定データ解 析プログラムに問題がある可能性,コネクション分割管理方式のアルゴリズムや 実装に不備がある可能性も考えられる.
表 5 ロス率 3%における 512kバイト転送時の再送率[%]
多重度 standard noFACK proposed
1 3.348 3.014 3.122
2 3.461 3.212 2.944
4 3.356 3.117 3.271
8 3.278 3.302 3.328
16 3.219 3.119 3.330
表 6 ロス率 5%における 512kバイト転送時の再送率[%]
多重度 A B C
1 5.653 5.653 5.653
2 5.670 5.305 5.100
4 5.442 5.428 5.826
8 5.269 6.922 6.793
16 5.467 8.398 7.523
5.2.4 サブコネクションあたりの転送量の変動係数
512k バイト転送時の各サブコネクションあたりの転送量の変動係数の平均を 以下に示す.コネクション分割管理方式の場合を表7,FACK効果なしのコネク ション分割管理方式の場合を表8に示す.
表7および,表8より,サブコネクションあたりの転送量には全ての場合にお いて若干のばらつきがみられることがわかる.これは,セグメント送信時のサブ コネクションの選択法が単純なラウンドロビンであるため,サブコネクション間 で,送信できる機会に対して不公平さが生じたことによると考えられる.多重度 が上がると変動係数も小さくなっている.その理由は転送量の少ないサブコネク ションの間では転送量の違いが少ないためであると考えられる.
表 7 サブコネクションあたりの転送量の変動係数の平均(proposed) 多重度 ロスなし ロス率3% ロス率5%
2 0.1836 0.1499 0.1518
4 0.1305 0.1318 0.1313
8 0.1266 0.1310 0.1325
16 0.1093 0.1238 0.1279
表 8 サブコネクションあたりの転送量の変動係数の平均(no FACK) 多重度 ロスなし ロス率3% ロス率5%
2 0.1836 0.1488 0.1513
4 0.1306 0.1336 0.1305
8 0.1265 0.1278 0.1317
16 0.1092 0.1244 0.1314
5.2.5 サブコネクションの振る舞い
図19に,ロス率3% で,従来のTCPで 512kバイトの転送を行った場合の典 型的な例を示す.図20に,ロス率 3% で多重度4のコネクション分割管理方式 において512kバイトの転送を行った場合の典型的な例を示す.
実線 は送信セグメントのシーケンスナンバーのグラフであり,単位はバイトで ある.また,点線 は ACK されたシーケンスナンバーのグラフである.
図中で,seqが一瞬下方に下がっている部分が,fastretransmit によるセグメ ント再送が発生した部分である.
図19において,従来の TCP では,fast retransmit のたびに cwndを 2分の
1に減少させているので,送信の速さが遅くなっていく.これは,送信が進むに つれグラフの傾きが緩やかになっていることに現れている.
図20において,コネクション分割管理方式では,fast retransmitしたサブコ ネクションだけが sc cwnd を 2分の1にするので,コネクション全体としては
cwnd は2分の1にならない.そのため,通信全体にわたって送信スピードが遅 くなりすぎることがない.