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NOTAM

ドキュメント内 2007_No4_JUL.ren (ページ 50-91)

実際問題としては、 地図に経路の線を引くこ とにより、 飛行する空域の情報が細かく見えて きますから、 それに対応した周波数や呼び出し 名称等を調べておき、 航法ログに記入しておく 等の準備が必要です。

かなり前の話、 急な話で、 関東の河川敷の場 外離着陸場から、 関西方面へ飛んで行くことが ありました。 事前準備がありませんでしたので、

先ずは NOTAM を入手しなければと、 某大空 港の NOTAM 窓口に電話をしました。 「すみ ませんが、 北関東の○○場外から、 □□県の△

△空港まで、 小型機の VFR 航法で行きたいの ですが、 低高度の NOTAM ブリーフィングをお 願いします」。 と言ったところ 「何ですか?」 と 言われました。 そこで 「経路は、 大宮−小田原−

熱海−浜松−三重−□□空港の予定です」 と言っ たのですが 「待ってください、 どこの NOTAM ですか」。 「ですから、 その予定経路周辺の低高 度の NOTAM です」。 …答えはお分かりのよ うに、 結局、 必要な NOTAM を全て得るには、

無理がありました。 そこで、 目的飛行場及び、

その代替となる可能性のある飛行場の NOTAM を最低限調べて、 行くことにしました。

現在は、 インターネットで NOTAM が調べ られるようになったので助かりますが、 それで も、 「関東から関西までの低高度 NOTAM」 を

調べるとなりますと、 結構な作業量です。

とはいえ、 VFR 航法を行う以上、 経路の安 全は、 自分で確保することが必要ですから、

状況になります。

VFR オントップのもうひとつのリスクは、

目的地近傍での降下です。 有視界状態の維持が 絶対条件ですから、 雲の切れ目が無ければ、 降 下は出来ません。 仕方が無いので、 雲の切れ目 を探して、 右往左往していますと、 今度は航法 が破綻してしまいます。 雲の下へ出たのは良い としても、 頭を雲におさえられ、 周囲は山岳、

といった状況ではどうにもなりません。 安全確 実な経路と、 雲の切れ目が一致していればよい のですが、 その保障はありませんから、 雲の下 に出る際は、 確実な地点評定と、 目的地までの 経路の安全確認が必須となります。 この点、 昨 今は GPS に助けられることが多くなりました が、 そのような状況で雲の下に出てしまいます と、 今度は、 地上の障害物のことがありますか ら、 GPS 頼りというわけには行きません。

これまでに機会があるごとに警告してきた、

海辺の低山も、 危険な存在になります。 島国の 日本では、 海岸近くから高度は1000Ft〜1500 Ft 程度の低山が立ちあがる地形が多く見られ ます。 視程が良好な時は気にも止めないこれら の低山も、 視程障害時には重大な障害物になり ます。 これらの低山は、 地図上でも平地と酷似 した黄緑色で表示され、 チラッと地図を見た程 度では認識できません。 従って、 オントップか ら雲の下へ抜け、 海岸線近くで視程障害に遭遇 し、 海上へ逃げようとする時や、 GPS に頼って 飛行場に進入しようとするとき、 これらの低山 は、 極めて危険な存在となる可能性があります。

飛行経路に対して直角成分を持つ風がある時 の航法で、 所定の線上を飛行しようとしますと、

風に見合った偏流修正角が必要となります。 即 ち、 トラッキングによる飛行です。

上空での実際の風は、 地上で計算した時のも のと同じとは限りませんから、 VFR 航法では、

常に存在する風を確認しながら進むことが必要 になります。 航法援助施設が利用できない場合、

この風の確認は、 地図上の地点を確認する以外 に手はありません。 これが出来ませんと、 思わ ぬ方向に流され、 障害物に接近といったことに なりかねませんから注意が必要です。 現に、 視 程障害により、 VMC の維持が困難な環境下で 風に流された結果、 山岳に衝突といった事故も、

度々発生しています。 GPS も、 使い方によっ ては、 この偏流修正角によるトラッキングの意 識が希薄になりがちですので、 特に注意が必要 です。

また、 VFR 航法では、 風による雲の発生の 読みも重要になります。 山岳等での、 気流の上 下動による雲の発生です。 天気図で、 高気圧、

低気圧、 前線等の確認と共に、 経路の雲の発達 の読みが必要です。

これが不十分ですと、 ひどいことになるのは、

皆様ご経験の通りです。 雲の発生が無ければ、

山岳の風上側の上昇気流帯の部分では、 対地速 度は稼げますし、 気流も悪くは無いので、 良い 事ばかりなのですが、 雲の発生がある場合はそ うも言っていられません。 その逆に、 山岳の風 下側では、 風の脈動により、 上昇気流帯と、 下 降気流帯の両方が入り組んで存在しますから、

注意が必要です。 また、 場所と高度によっては 強烈な乱気流に遭遇することがありますので、

警戒が必要です。

尚、 風が強い場合の山脈への接近に際しては、

強い下降気流に捉えられたときのために、 脱出 経路を確保しつつ、 山脈に対して、 45度の角度 を持って進むことが基本です。

日本に多い海辺の飛行場

風と有視界航法

GPS を利用することにより、 目的地をイン プットすれば、 そこまでの方位、 距離、 所要時 間及び対地速度が瞬時に計算されます。 風の変 化による対地速度の修正も、 到着予定時刻の修 正も常に更新され、 表示されます。

飛行中の代替ルートへの変更の計算も瞬時に 完了します。 また、 航空用の GPS には、 ADF, VOR, DME 等の位置情報が入っていますの で、 それらを呼び出すことにより、 GPS の機 能で利用することが出来ます。

良いことばかりの GPS ですが、 VFR 航法 の視点から見ますと、 最も重要な、 経路の安全 確認の面で、 注意が必要です。

山岳地帯で雲に囲まれ、 脱出できるか否かの 瀬戸際では、 例え GPS の位置情報があっても、

安全な脱出のために GPS を利用するのは、 先 ず不可能と言っても良いでしょう。 有視界飛行 では、 安全が確認され、 地図上に記入された線 の上を飛行するのが基本ですが、 GPS は雲や 障害物を回避する方向を教えてくれる訳ではあ りません。 例え EGPWS 機能があっても、 頼 り切るのは危険です。

基本は、 地図に線を引いて障害物を確認し、

安全な高度を計画通りに飛ぶことです。 経路の 安全は自分で調べるしかないのです。 かなり改 善されたとはいえ、 GPS 頼りの VFR 航法は、

経路の安全確認が十分とはいえません。

また、 GPS 頼りでは、 目的地を目指すホー ミングになりやすい傾向があります。 これは、

風で流されている状況下では思わぬ障害物に衝 突する恐れがあり、 極めて危険です。

VFR 航法は、 気軽に考えられがちですが、

実は大変なワークロードの代物です。 実地試験 の時、 機上で地図に線を引き、 角度を測り、 偏 流修正を計算し、 時間を算出した大変な苦労は、

全て省略できないものばかりです。

GPS が補助用として利用可能になり、 方位 の測定や時間の計算等、 かなり便利にはなりま したが、 有視界飛行の本質に変わりはありませ ん。 現に、 GPS の指示に従って盲目的に飛行 し、 事故にあった例が時々見られます。 その度 に、 地図に線を引いて、 そこをたどる意識があっ たらと、 思わずにいられません。

また、 山国の日本では、 どこへ行くのも、 山 越えとなることが多いのですが、 その上に、 変 わりやすい気象があります。 山岳地帯での雲と の格闘は、 誰もが経験するところですが、 1万 フィート級の山岳に発生する雄大な積雲は、 と ても有視界飛行の小型機で越えられるものでは ありません。 無理して進めば、 場所も方位も時 間も管理できなくなり、 VFR 航法は破綻し、

事故の可能性が高くなります。

「何とかなるだろう」 と、 進んで、 山に衝突。

あるいは、 「これは無理だ」 と、 引き返す途中 に山と衝突、 といったことが後を断ちません。

共通しているのは、 飛行経路の安全が確認され ていなかったということです。

ADF, VOR, GPS 等も、 このような瀬戸際 では利用できないことも多いのです。

VFR 航法の経路の安全は、 自分で調べるし かないのですから、 「安全を確認し、 地図に引 いた線の上をたどる」。 それが出来なかったら 進まない」 といった基本に戻ることが身のため、

と思います。

典型的な携行式 GPS の利用

GPS の利用

おわりに

PILOT 誌のジェネアビ情報は、 JAPA ジェ ネラル・アビエーション委員会からの情報発信 として連載しているものです。 2002年の9月号 から掲載を始め、 この7月号で、 計30回の連載 をしています。 その内容は、 下の表に示すとお りですが、 これからも継続していきたいと思い ます。

長期の連載では、 何年か経った時点で同様な テーマを繰り返すことも必要と思いますが、 今 のところは、 毎回違うものとしています。

その内容は多岐にわたりますが、 ジェネラル・

アビエーション分野の活動を広く紹介するのが、

その目的です。 また、 安全については、 事故報 告書を見てからの問題提起は他に任せておくこ とにして、 ジェネアビ情報では、 事故の要因に なりうる危険の芽を掘り下げる姿勢を大切にし たいと考えています。 2006年9月号にて掲載し た 「シニア・パイロット」 などはその典型です。

さて、 そのようなジェネアビ情報ですが、 改 めて見てみますと、 筆者の活動領域とその周辺 が主体となり、 内容が限られています。 そこで、

本来の趣旨に沿って、 より広くジェネアビ分野 全般に目を向け、 委員会の皆様に、 原稿又は原 稿の素材情報 (内容、 写真等) の提供をお願い したいと思います。 よろしくお願い致します。

募集中の 「ジェネアビ情報」 の項目

・小型機の夜間飛行

・小型機の計器飛行

・小型機の海外飛行

・小型機の FTD 訓練

・小型機の編隊飛行

・海外訓練

・小型ヘリコプターの維持と運用

・その他、 小型ヘリコプター関係のテーマ

J

JA AP PA A 編 編集 集委 委員 員 奥 奥貫 貫 博 博

P

PIIL LO OT T 誌 誌 ジ ジェ ェネ ネア アビ ビ情 情報 報に につ つい いて て

No. タイトル

小型機の整備 2002

河川敷離着陸場 2002 11 スポーツ・エアロバティクス 2003

風と飛行機 2003

スピン対処訓 2003

単発飛行機の機外騒音 2003 自家用機のシェアオーナー 2003

展示飛行 2003 11

小型機操縦技術競技会 2004 10 小型機の視界 2004 11 飛行援助用航空局 2004 12 小型飛行機の寿命 2004 13 600m 滑走路 2004 14 小型機のフライトと NPO 2004 11 15 異常事態対処訓練 (システム) 2005

No. タイトル

16 異常事態対処訓練 (フライト) 2005 17 グライダー曳航 2005 18 国際航空連盟 FAI 2005 19 スカイレジャージャパン 2005 20 展示飛行あれこれ 2005 11 21 小型機のコクピット 2006 22 事故と思い込み 2006 23 有視界飛行と GPS 2006 24 ジェネアビ情報の4年間 2006 25 シニア・パイロット 2006 26 モーター・グライダー 2006 11 27 FAI エアロバティックス競技 2007 28 航空機使用事業 2007

29 失速 2007

30 VFR 航法 2007

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