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BE Int.Vdd

GND Ext.Vdd 負荷動作主期間

ACT SE BE Int.Vdd

GND Ext.Vdd 負荷動作主期間

図2−56  プリブースト型 VDC の制御波形

 

図2−55にプリブースト型降圧回路図を示す。電源降圧回路として、差動アンプとドライバ が存在している。ドライバ部では外部電源(Ext.

V

dd)から PMOS トランジスタにより内部電源ノー ド(Int. 

V

dd)に電源を供給している。差動アンプ部では内部電源レベルを決める内部参照電位

V

ref)と内部電源レベル(Int.

V

dd)を比較し、その結果信号で PMOS ドライバのゲートを制御し ている。今回提案のプリブースト型降圧回路はさらに PMOS トランジスタ(P1)を1個追加した 回路構成になっている。この PMOS トランジスタはブースト活性化信号(/BE)によって制御され、

ブースト必要期間には差動アンプの出力信号を L レベルに強制的に下げて、PMOS ドライバ をオンさせ、内部電源ノード(Int.

V

dd)に電流を供給する構成になっている。このブースト活性 化信号(/BE)は ROW の活性化タイミングにしたがって生成されており、センスアンプが活性化 する少し前から数 ns だけ L レベルというワンショットパルス信号である。図2−56にプリブース ト型 VDC の制御波形を示す。先述したように、活性化に応じて VDC の内部ノードを強制的に 制御することで、Int.

V

dd レベルを上昇させる。この上昇は負荷が動作を開始するまで連続的 に制御され、その後、負荷動作の主期間には、予め充電されていた電荷により負荷動作電流 を供給する。負荷動作終了時には、強制的に内部ノード固定は解除されており、Int.

V

dd レベ ルに安定的に固定される。プリブースト型降圧回路の採用によって、負荷を動作させる前に、

電源ラインを介して、センスアンプに十分な電源を予め供給することができるため、負荷電源 のレベル減少を抑制し安定な電源レベルを保ち、電源電位ドロップを抑え、高速動作が可能 となる。 

 

2.5 まとめ 

 

本章では、ダイナミック RAM(DRAM)の高性能化の技術として、トランジスタ微細化が引き 起こす問題に対処する回路技術、低電圧動作が引き起こす問題に対する低消費電力な回路 技術、そして、大容量化に伴う問題に対してアレイ高速化の回路技術を提案し、その効果を検 証した。 

1)昇圧センスグランド方式という、DRAMセンスアンプ用のLowレベルを通常の0Vより高いレ ベルに制御して、通常動作時にもセルトランジスタにバックゲートがかかった状態を作り、

セルトランジスタのリーク電流を抑制する手法を提案した。 

2)昇圧センスグランド方式の制御手法とその発生回路を提案し、256Mbit容量の実チップを試 作した。 

3)上記手法を用いると、オーバードライブ効果により、従来センスアンプ動作より1.2ns高速の データ読み出し動作を確認した。 

4)上記手法を用いると、従来の手法より3倍長いデータ保持特性達成を、実デバイス測定で 確認した。 

5)分散型昇圧センスグランド方式により、センスグランドのインピーダンスを低減し、高速性能 を維持できた。 

6)上記の昇圧センスグランド方式に関する特許: USP5619164、5687123、5805519、5943273、

6272055を取得した。 

7)コラムでコードセンス方式により、コラムアクセス時においても、センスグランドのバウンスを 低減し、動作マージンを向上した。 

8)ウェルドライブセンス手法により、低電圧動作時にも、高速動作を維持することができ、デバ イス構造設計の容易化を図ることができた。 

9)同時に基板電位を制御することにより、動作時には高速、保持時には、低リーク電流という 相反する事象を同時に満足させる制御を得た。 

10)可変型メモリマトリクスにより、大規模メモリアレイ構成における多分割動作を可能とし、動 作時におけるピーク電流を軽減した。 

11)同時に、I/O分離構成との適用により、高速化を図った。 

12)低電源レベルから高電源レベルへの変換レシオが大きくなっても、レベル変換部の電荷 移動をスムーズにしたレベル変換回路を提案し、低電圧の周辺回路から高電圧のアレイ 駆動回路へのレベル変換に適応した。 

13)立ち上がり、下がりの両エッジでもレベル変換が可能な改良回路を提案した。 

14)上記回路を用いる事により、レベル変換レシオが3という状態であっても、従来回路に比 べ、レベル変換時の信号遅延を27%減、消費電流は40%減にできる改善効果を回路シ ミュレーションで確認した。 

15)上記のレベル変換回路技術に関する特許: USP6373315を取得した。 

16)ミックスドモード型VDC回路により、低電圧で且つ高速動作を行うシステムLSIに安定して 電位供給ができる内部電源電位降下回路を得た。 

17)上記回路を用いて、広範囲での負荷動作周波数に対してほぼ安定な内部電源レベル制 御を行っており、10%以内でレベルの制御が行わることを確認した。 

18)プリブーストVDC回路という、ワード線と同期してセンス開始前に電荷を十分充電しておく 内部電圧発生回路を提案した。 

19)上記回路を用いて、従来のセンス方式に比べ、ビット線の開く時間(振幅電位の80%ま で)を25%高速になる事を回路シミュレーションで確認した。 

20)上記回路を搭載した 32Mbit 容量チップを試作した。プリブーストの効果による電源のオー バーシュートレベルは 0.1V 程度である事を確認し、実用に問題ない事を確認した。 

21)上記のプリブースと VDC 回路技術に関する特許: USP5612920 を取得した。 

上記結果により、ダイナミック RAM のトランジスタ微細化、低電圧化、デザインルール微細化の 問題を解決し、低消費電力、高速化などの高性能化に大きく貢献できる事を確認した。 

   

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