第 3 章 UPnP 16
3.3 DLNA
3.3.1 DLNA の概要
DLNA
(Digital Living Network Alliance)は家電・パソコン・モバイル機器などの機器 間で音楽、動画、写真などのデジタルコンテンツを家庭内で簡単に共有するために業界標 準技術に基づいたオープンな相互接続互換性を構築するための技術的な設計ガイドライ ンを策定することを目的とする非営利団体である。2003年6
月にDHWG(Digital Home Working Group)として設立され、2004
年6
月に現在の名称のDLNA
に変更されて運営 されている[3]。DLNA
のネットワーク・アーキテクチャを図3.5
に示す。DLNA
の認証を受けた機器ならば複数のメーカーの製品で構成されたネットワークに おいても様々な種類のコンテンツの入手、管理、視聴を行うことが可能である。DLNA
の ネットワーク・アーキテクチャを図3.5
に示す。この規格で中核を担っているのがUPnP -AV(Universal Plug and Play Audio Visual)という AV
コンテンツに特化したUPnP
の 規格である。DLNAではそれに表3.1
に示すメディア・フォーマットを決めることで相互 接続性を確保している[4]。
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図
3.5: DLNA
ネットワーク・アーキテクチャ表
3.1: DLNA
のメディア・フォーマット必須メディア・フォーマット
Liner PCM(音楽)、JPEG(画像)、MPEG-2(ビデオ)
オプショナル・
AAC、AC3、ATRAC3plus、MP3、WMA9(音楽)
メディア・フォーマット
PNG、GIF、TIFF(画像)
MPEG-1、MPEG-4、WMV9(ビデオ)
3.3.2 DLNA の利用形態
DLNA
では現在、2BOXモデルと3BOX
モデルの2
つの利用形態のモデルが存在する。DLNA
の2BOX
モデル2BOX
モデルは2004
年6
月に発行されたガイドライン「DLNA Home NetworkedDe-vice Interoperability Guidelines v1.0」に示される DMS(Digital Media Server)と DMP
(Digital Media Player)から構成される。DMSはメディアの入力、記録、配信の機能を 持つデバイスであり、メディアの管理・集積機能を有するものが多い。主な製品は
STB
(Set Top Box)やパソコン、携帯電話などである。DMPは
DMS
にあるメディアの選択、再生、表示を行うことができるデバイスである。主な製品はテレビ、携帯電話、ゲーム 機、ネットワークメディアプレーヤーである。この
DMP
がDMS
にアクセスを行い、メ ディアを再生する図3.6
の形態が2BOX
モデルである。!"#$%&!
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図
3.6: 2BOX
モデルDLNA
の3BOX
モデル3BOX
モデルでは図3.7
に示すように2BOX
モデルで用いられるDMS
にDMC
(DigitalMedia Controller)と呼ばれるコントローラと DMR(Digital Media Renderer)と呼ばれ
るメディアの表示を行うデバイスの組み合わせから構成されるモデルである。DMCではDMS
にあるメディアの閲覧やDVD
プレーヤーなどのリモコンのようにDMR
にメディア の再生や停止といった指示を行うデバイスである。DMRはDMC
に要求されたメディアの再生を行うデバイスでありネットワーク対応のテレビやスピーカーなどの製品がある。
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図
3.7: 3BOX
モデル3.3.3 UPnP - AV
DLNA
でメディアの再生や制御を行うために用いられている規格がUPnP - AV
である[1]。以下にその概要を示す。
UPnP - AV
の構成UPnP - AV
は基本的にネットワーク上にあるメディアをHTTP GET
で取得し、それ を再生するものである。このUPnP - AV
では以下の3
種類の機能から構成される。•
メディアサーバ•
メディアレンダー•
コントロールポイントメディアサーバでは
UPnP - AV
でやり取りするメディアを蓄える。DLNAのDMS
は これを基にしたものである。メディアレンダーでは映像や音楽などのメディアの再生を行う。
DLNA
のDMR
はこれ を基にしたものである。コントロールポイントではメディアサーバーからメディア情報を取得し、メディアレン ダーに再生メディアの
URL
の指定や再生、停止などの指示を与える。DLNAのDMC
は これを基にしたものである。実際の環境でこれらの機能が組み合わされた構成や複数存在する場合の操作は利用者 が使いたいものを選んで使い利用者の都合によって使い分けることができる。
UPnP - AV
を構成するサービスUPnP - AV
も実際に制御する際にはUPnP
サービスに対して行うことになる。UPnP サービスはプログラミングにおける関数に相当するアクションと変数に相当するステート バリアブルから構成されている。UPnP - AVでは以下の4
つのサービスが提供される。• Content Directory
• Connection Manager
• Rendering Control
• AV Transport
メディアサーバーでは
Content Directory、Connection Manager、AV Transport
が必要 であり、メディアレンダーではRendering Control、Connection Manager、AV Transport
が必要となる。UPnP - AV
の動作UPnP - AV
の動作の一連の流れは以下のようになる。1.
メディアサーバー、メディアレンダーがDHCP
かAutoIP
を用いてデバイスのIP
ア ドレスを確定させる。2.
メディアサーバー、メディアレンダーがUPnP
のAdvertise
を行う。3.
コントロールポイントが2
のAdvertise
を受信する。もしくはM-Search
を行いメ ディアサーバー、メディアレンダーの基本情報を取得する。4.
コントロールポイントがメディアサーバー、メディアレンダー両デバイスのDescrip-tion
を取得する。5.
コントロールポイントがContent Directory
サービスを用いてメディアサーバーのURL
などが含まれているメディア一覧を取得しユーザーに表示する。6.
ユーザーが再生したいメディアを選択する。7.
コントロールポイントがメディアレンダーに対してAV Transport
を用いて再生す るメディアのURL
を通知する。8.
コントロールポイントがメディアレンダーに対してAV Transport
を用いて再生の 指示を通知する。9.
再生指示を受けたメディアレンダーは、コントロールポイントから与えられたURL
に対して
HTTP GET
を行いメディアサーバーからメディアを取得し、再生を行う。動画、音楽、写真など問わず、UPnP - AVでやり取りされるメディアはこの流れを経 て行われる。
3.3.4 現在の家庭での UPnP の使用状況
現在のホームネットワークでは主に家庭内にインターネット接続環境を提供するルータ やネットワークを通した動画や音楽の再生や配信が可能な
AV
機器にUPnP
が使用されて いる。ルータでの使用例
ルータではオンラインゲームや自宅サーバを利用する場合にルータで制御を行っている 外部の
TCP
やUDP
のポートの解放などの処理をルータの設定用Web
インターフェース などを利用せずにパソコン上のソフトウェアから設定を行う場合などに用いられている。この機能を提供するデバイスタイプとサービスタイプは以下のように定義されている
•
デバイスタイプ:urn:schemas-upnp-org:device:InternetGatewayDevice:1•
サービスタイプ:urn:schemas-upnp-org:service:WANIPConnection:1WANIPConnection
サービスにAddPortMapping
というポートマッピングに追加を依頼 するアクションとそのポートの削除を行うアクションのDeletePortMapping
がありこれ らによって行われる。AV
機器での使用例ネットワーク対応機器では先に説明した
DLNA
に対応したデバイスが用いられている。現在ではデジタルレコーダーやテレビ、家庭用ファイルサーバといった製品以外にも携帯 電話、スピーカーなど動画や音楽、画像を扱う機器で広く用いられるようになってきてい る。主な使用例として別の部屋にあるパソコンから
DLNA
対応のステレオに曲を送信し て再生する、電話にパソコンから音楽を送信して持ち出す、携帯電話の写真をテレビで表 示しプリンターで印刷をする、といったことが上げられる[9]。
図
3.8:
音楽を聴く図
3.9:
外出先で音楽を楽しむ図