重鎖可変領域 遺伝子
軽鎖可変領域 遺伝子
重鎖可変領域 遺伝子
軽鎖可変領域 遺伝子 発現ベクター/
ヒトIg2/4 発現ベクター/ ヒトIg2/4 発現ベクター/
ヒトIgκ/λ
発現ベクター/ ヒトIgκ/λ
バイスペシフィックIgG (~40,000 の組み合わせ) HEK293 細胞で一過性発現
活性型FIXとFXを用いた比色定量法
リード抗体
47
多面的に最適化した BiAb を創製
生物活性A 生物活性B 改変抗体
生物活性C 凝集体形成能
改変抗体 のデザイン
溶解性 非特異結合能 In sili o免疫原性
発現ベク タ 構築 抗体の多
In silico免疫原性 面的評価
ターの構築 面的評価
抗体を多面的に 評価・選抜し、
ACE910を創製
細胞への 導入/細
胞培養 培養上清
からの抗体
の精製 胞培養
の精製
FVIII 代替 BiAb の in vitro 活性
ACE910
は、hBS23(Nature Medicine 18, 2012)
を以下の特性に ついて改良した抗体であるいて改良した抗体である✔血漿凝固促進活性(FVIII代替活性) ✔血中滞留性 ✔免疫原性
✔物理化学的特性(溶解度、粘度等) ✔工業生産性(産生量、精製難度等)
血友病
A
患者血漿を用いた凝固促進活性の評価 血友病
A
患者血漿を用いた凝固促進活性の評価 ACE910はFVIIIと同様に血漿凝固促進活性を示した
インヒビター(抗FVIII抗体)の存在下でも奏功した
100 120
インヒビタ (抗FVIII抗体)の存在下でも奏功した
血友病患者血漿
40 60 80
APTT(s)
血友病患者血漿
(インヒビター有り)
0 20 40
A
自社データ
血友病患血漿
(インヒビター無し)
ACE910 [nM] 組換え型ヒトFVIII [U/mL] 49
FVIII 代替 BiAb の in vivo 活性
カニクイザル血友病
A
モデルでの止血効果(左図) ACE910は、FVIIIと同様に止血効果を示した
ACE910は、FVIIIと同様に止血効果を示した
サルでの静脈内及び皮下投与後の抗体の体内動態(右図)
皮下投与におけるACE910の生物学的利用率はほぼ100%であった
ACE910の血中半減期は約3週間であった
組換え型ブタFVIII
10 U/kg IV x 5
推移 して) 100
移
自社データ
ACE910
3 mg/kg IV bolus 0 U/ g 5
ロビン濃度推 値を100 %とし
10
6 mg/kg SC
910濃度推 /mL)
* P < 0 05
Control
中ヘモグロ 出血刺激前値 10
6 mg/kg IV
血漿中ACE9 (μg/
P < 0.05
血中 (出
1
0 10 20 30 40 50 60 70 80
血
Time [day]
時間(日) 時間(日)時間( )y
ACE910は、作用の持続性に優れ、またインヒビターの存在下でも有効な
血友病A治療薬となることが期待される
BiAb の課題は工業生産
⽬的のBiAb
2つの重鎖と2つの軽
鎖を発現させると、 10種類もの組 み合わせがで
きてしまう
Using common light chain for 2 different heavy chains
2つの重鎖と2つの軽鎖を発現させると10種もの異なる組合せの抗体が産生 され、目的のBiAbはその一つに過ぎない
他の間違った組合せの抗体は不純物として存在するだけでなく、目的のBiAb の作用を阻害する場合がある
どの組合せの抗体も物理化学的特性は類似しているため この混合物から Only 3 combinations!
どの組合せの抗体も物理化学的特性は類似しているため、この混合物から 目的のBiAbを高い純度で精製するのは極めて困難である
51
ART-Ig は BiAb の工業生産の課題を解消
Y X
業生産は 工業生産は
困難
①BiAbの軽鎖を共通化する技術
軽鎖可変領域のCDRをシャッフリングして効率的に共通化
軽鎖可変領域のCDRをシャッフリングして効率的に共通化
②BiAbを効率的に精製する技術
2つの重鎖に電荷的違いを導入して精製を容易にする
③BiAbを優先的に産生させる技術 ART-Ig
X Y
③BiAbを優先的に産生させる技術
2つの重鎖の電荷的相互作用を利用してヘテロ会合化を促進
通常のIgGの工業生産プラット フォームで生産が可能
ART-Ig ①: BiAb の軽鎖を共通化する技術
⽬的のBiAb
2つの重鎖と2つの軽
鎖を発現させると、 10種類もの 組み合わせが できてしまう
2つの重鎖に対して軽鎖を共通化 できれば、組み合わせは3種だけになる
⽬的のBiAb
53
ART-Ig ①: BiAb の軽鎖を共通化する技術
抗原結合に関与す るのが3つのCDR
両方の軽鎖のCDRをシャッフ リングしたキメラ軽鎖を作製 リングしたキメラ軽鎖を作製 両方の抗原への結
合を指標に共通化で きる軽鎖をスクリー きる軽鎖をスクリ ニング
軽鎖が共通化されたBiAb
ART-Ig ②: BiAb を効率的に精製する技術
通常のBiAbは、イオン交換 クロマトグラム(IEC)では 技術適用前
クロマトグラム(IEC)では ホモ抗体と分離できない
技術適用後 重鎖の可変領域にアミノ酸
High pI (+) Low pI
(-)
技術適用後 重鎖の可変領域にアミノ酸
置換で電荷の違いを導入
Middle pI
BiAbと他のホモ抗体は IECで異なるピークとして
分離可能となった
Low pI (-)
High pI (+)
分離可能となった
自社データ 55
ART-Ig ③: BiAb を優先的に産生させる技術
理論的にはBiAbの産生率は 全体の抗体の50%
~50%
技術適用前
全体の抗体の50%
~25% ~25% CH3
- +
CH3 ドメイン
~99%
両重鎖の界面領域(CH3)の アミノ酸を置換し、ヘテロ会合 技術適用後~1% ~1%
アミ 酸を置換し、 テ 会合 化を促進することで、BiAbが
優先的に産生された 自社デ タ
ART‐Ig(①+②+③)を適用することにより、実績として2500L規模の製造プロセス 自社データ
で、通常抗体レベルの産生量と高い純度でBiAbを製造することに成功
バイスペシフィック抗体の医薬への応用
新規な機能の付与・標的抗原の拡大に有効
2種の抗原の同時結合による薬効増強
2種の抗原の同時結合による薬効増強
2種の病原物質の同時阻害による薬効増強(下図左)
• 癌関連増殖因子の組み合わせ、免疫系因子の組み合わせ、など
同 抗原の異なるエピト プに結合することによる薬効増強
同一抗原の異なるエピトープに結合することによる薬効増強
2種の抗原の架橋による新規薬効の発現
2種の細胞を架橋することによる薬効発現(下図中)
同一細胞上の2種の膜蛋白質を架橋することによる薬効発現(下図右)
2種の蛋白質を接近させることによる薬効発現(例:FVIII代替抗体)
T細胞
(CD3+) 病因
物質A 病因物
質B
T細胞
(CD3+) 質
がん細胞 標的細胞
ART-Fc, TRAB, TwoB-Ig, ACT-Ig , , g, g の技術紹介とその応用例
中外製薬株式会社
研究本部 探索研究部 グル プマネジャ
グループマネジャー 角田 浩行
2012. 12.18