5.2. CAMACライブラリの性能
5.2.3 CAMAC割り込み処理
最後に、CAMACからの割り込みを処理する関数であるが、割り込みに対する
応答時間を測定した。
測定は、応答時間を統計的に測るため図5.3のような回路をCAMAC上に組み、
次のような手順のプログラムで行った[19]。また、PC-UNIXについては3つの環 境下で測定を行った。その環境は、1.ネットワークとXウインドウシステムが動 作するごく普通の環境下、2.ディスクに頻繁にアクセスするプロセスを実行しシ ステムにI/O負荷をかけた環境下、3.計算プロセスを実行しシステムにCPU負 荷をかけた環境下である。2.と3.のプロセス実行に用いるプログラムを図5.4に 示す。
Chapter 5.システムの性能
I/O Consumer Process: CPU Consumer Process:
#!/bin/sh main(){
while(1) unsigned int i;
ls -lR >/dev/null
end while(1)
i++;
}
図 5.4: システムに負荷をかけるプログラム
4. 割り込みを受け付けウェイクアップするとすぐに、アウトプットレジスタに
2にデータを書き込みパルスを発生する。これによりスケーラのカウントを ストップする。
5. スケーラのデータを読み込む。
つまり、ここでの割り込みに対する応答時間とは、割り込みが起こってからドラ イバーの中のスリープルーチンからウェイクアップし次のCAMACアクションが 動作するまでの時間である。このような手順で処理を10000回繰り返しデータを貯 め、平均値と統計をPAWにより求める。
結果を表5.5に示す。図5.5はそれぞれの環境下で測定を行ったデータの統計をヒ ストグラムで表したものである。比較のためにCPU-5CEのデータも合わせてのせ ている。
図の上は、1.普通の環境下での統計を示しており、ACC、PC-UNIX、のデー タ を 合 わ せ て の せて い る。ACCは、 応 答 時 間 の平 均 値 は10secで、RMSは
InterruptResp onse Time sec (RMSsec)
Computer 1.Nomal 2.withIO consummer 3.with CPUconsummer
ACC 10(2.3)
PC-UNIX 28 (0.78) 261 (253) 585 (8)
CPU-5CE 244 (12.7) 686 (746) 249 (15)
表 5.5: 割り込みに対する応答時間
5.2. CAMACライブラリの性能
2.3secで あ り 狭 い 範 囲 で 収 まっ て い る。PC-UNIXは、 平 均 値 が28secで、
RMSは0.78secと 非 常 に 狭 い 範 囲 で 収 まっ て い る。CPU-5CEは、 平 均 値 が
244secで, RMSは12.7であり、これと比較すると、ACC、PC-UNIX、の性能 は非常に優れており、またHP743rtと比較してもなんら遜色はない[19]。
図の中は、2.I/O負荷のかかった環境下での統計を示している。この環境下 でのPC-UNIXの 応答時間の 平均値は261secで、RMSは253secで あった。
CPU-5CEは、 平 均 値 が686secで、RMSは746secで あっ た。PC-UNIX、
CPU-5CE共にI/Oに負荷をかけるプロセスの影響をまともに受けているのがわか る。
図の下は、3.CPU負荷のかかった環境下でのPC-UNIXの統計を示している。
この環境下でのPC-UNIXの応答時間の平均値は585secで、RMSは8secで あっ た。CPU-5CEは、 平 均 値 が249secで、RMSは15secで あっ た。
PC-UNIXはCPUに負荷をかけるプロセスの影響も受けるが、CPU-5CEはその影 響はほとんどないことがわかる。これは、コンピュータに搭載されるプロセッサ のタイプの違いであると考える。PC-UNIXに搭載されるPentiumプロセッサは
CISC型のプロセッサ、CPU-5CEに搭載されるSPARCプロセッサはRISC型 のプロセッサであり、RISCプロセッサは内部命令は単純であり、割り込み処理と
CPUに負荷をかけるプロセスの処理を効率よく同時に処理していると考える。
Chapter 5.システムの性能