会議Ⅱ
「世界的な展開に向けて
―国、都市、NGO の連携及び平和市長会議の役割―」
コーディネーター:川崎 哲
(国際交流
NGOピースボート共同代表)
コメンテーター:ジャクリーン・カバッソ
(平和市長会議北米担当コーディネーター)
司会:会議Ⅱを始めます。会議Ⅱでは、「世界的な展開に向けて」をテーマに、「国、都市、NGO の連携、そし て平和市長会議の役割について議論を進めて頂きます。会議Ⅱのコーディネーターは、国際交流NGOピースボ ートの共同代表でいらっしゃいます川崎哲(かわさき あきら)さんです。コメンテーターは、平和市長会議北 米担当コーディネーターのジャクリーン・カバッソさんです。それでは川崎さん、よろしくお願いします。
コーディネーター 国際交流NGOピースボート 共同代表 川崎 哲:御紹 介頂きました川崎です。よろしくお願いいたします。非常に多くの発言が午前 中もありまして、発言し切れなかった方もいらっしゃいました。最初に申し上 げなければいけないのは、既に私のところにこのセッションで発言をされたい とお申し出のある方が、なんと24 名いらっしゃるということで、明日の議論 に向けての材料の提供ということで、非常にいい形でこの 24人の発言を頂い て、そして、できれば後半少し会場の皆様と意見交換をする機会を持ちたいと 思っております。
その進め方に入る前に、テーマとして「世界的な展開に向けて―国、都市、NGO の連携及び平和市長会議の 役割―」というものが出ております。この「世界的な展開に向けて」という言葉、英語のタイトルでは、「グロー バルムーブメントをつくるために」というような書き方がされています。私はピースボートという団体をやって、
船でいろいろな世界を回っておりますので、実感としてあるわけですけれども、地球は本当に丸いのですよね。
そして世界は丸く一つのつながりで、地図を見ると、国境や国によって色が変わっていたりするのですが、実際 にそういう色はどこにも付いておらず、木は緑だし、空は青だし、海も青です。
この核兵器の問題や、あるいはこういう国際関係の問題の話をするときに、大概私たちは国と国の交渉、国家 と国家の関係、あるいは国の防衛、国の安全保障というふうに考えてしまう、そういう議論が多いわけです。し かし、ここで言われているグローバルなムーブメントというのは、地球を一つの地球社会としてとらえる。丸い 世界の一つの共同体として、村としてとらえることができれば、ここに集まっている皆さんはいろいろな国籍を お持ちだし、いろいろな国々から来られた方なのですけれども、一つの共同体の一人一人の参加者であるという ことが言えると思います。
この平和市長会議の、今日・明日の会議ですが、なぜ市長や市民や、場合によってはもっと草の根のグループ が、核兵器という、ある意味では国際政治のトップに君臨するような大きなテーマを扱うのか、扱えるのかとい う疑問があります。もしかしたら、国家の指導者たち、あるいは世界の軍のリーダーたちは、そんな下々の者に 何が言えるのだ、何が分かるのだと言うかもしれません。しかし、そこはあえて、私たちは地球社会の構成員で あるから、この地球の中で核兵器というものが共通の脅威であり、これは共通の取り除かなければならないもの だという認識を持って、何ができるかということを考えていく、それが市民もNGO も、国や国際機関と対等な 立場で話をしていくという考え方の基礎になると思うのです。ですか
ら、今日の午前中に出てきた、この核兵器禁止条約というのは、国家 間の条約交渉なわけですから、本質的には高度に政治的な問題ではあ ります。しかし、それを遠い雲の上の話としないで、市民に何ができ るのかというようなことにつなげていければと思います。
発言の順番ですが、午前中に積み残しもございましたが、市長さん
2020 核廃絶広島会議 会議Ⅱ
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などの発言を先にさせて頂きたいと思います。スペイン・カナリア諸島のテルデ市、スリランカのマハラガマ市、
千葉県の長生村、静岡県の焼津市、この四つの自治体を先に行いまして、その次に地域のグループに入ってまい りまして、ワシントンD.C.ユニタリアン教会のグループ、生活協同組合コープやまぐち、生協ひろしまと世界を 結ぶこども文庫、非核の政府を求める京都の会というように、地域のグループを行います。その次に、原水爆禁 止日本国民会議、創価学会平和委員会、世界連邦運動協会、日本労働組合総連合という各団体にお話を頂きます。
その次に、在日の外国の大使館の方にお話を頂くということで、コスタリカ共和国、ハイチ共和国と進みます。
それに続いて、国際的な NGO団体に回しまして、コメンテーターでもありますジャッキー・カバッソさんに、
西部諸州法律家財団としてお話をいただきます。続きまして、リーチング・クリティカル・ウィルのレイ・アチ ソンさん、そしてこの「2020ビジョンキャンペーン」のアーロン・トビッシュさんにお話を頂きます。
終盤は国際機関ということで、包括的核実験禁止条約機関(CTBTO)、それから日本国外務省軍縮課長、それ からあらためてNGOに戻りまして、IKVパックス・クリスティ、ICAN、国際連合軍縮部、そして最後に広島・
長崎ということで、まずは長崎の核廃絶地球市民集会実行委員会、そして Yes!キャンペーンというふうに締め て頂くという順番で行きたいと思います。この 24 名の皆様がきちっとお話をして頂いて、何とか最後の議論が できますように、1人3分ということを守って頂きたいと思います。
この発言に入ります前に、冒頭、平和市長会議の取組を御紹介するという意味で、コメンテーターのジャッキ ー・カバッソさんに簡単にお話を頂きたいと思います。
コメンテーター 平和市長会議 北米担当コーディネーター ジャクリーン・カ バッソ:こんにちは。もう何度も広島には来ていますが、ここにまた来られたこ とを非常にうれしく思います。私は、ロウチさんのように広島の特別名誉市民で はありませんが、いつかそういうふうになりたいなと思っています。また、通訳 者の方々にお礼を申し上げます。通訳者がいなければこういう会議は不可能であ ると、非常に感謝しています。また、松島さんにもお礼を申し上げます。私は何 年か前に松島さんにカリフォルニアでお目に掛かりました。そして、そのとき松 島さんと私はリバモアの核兵器の研究所を視察しました。私にとって、被爆者の 方とこのような核兵器の研究所を視察するというのは、とても忘れることのできない、深い印象を残した経験で した。松島さんは非常に勇気がありました。あそこを視察して、そして今もまだ核兵器を生み続けているあのシ ステムをしかとお見つめになったことに、本当に感銘を受けました。
秋葉市長、田上市長、お招き頂きましてありがとうございます。私の仲間たちが、ヒロシマ・ナガサキ議定書の ことや平和市長会議、そして平和市長会議が NPT で果たしている役割についていろいろと議論をしております が、私は、この平和市長会議がどういう役割を果たしているのかということをお話ししたいと思います。平和市 長会議は本当にたくさんいろいろな可能性を持っている組織です。その可能性の大きさは、量的にも質的にも大 きなものです。その量と質の二つについて話したいと思いますが、最初に、非常に簡単にですが、平和市長会議 についてお話しいたします。再びこの原爆の惨禍が起こらないようにということ、そのために広島・長崎両市は ずっと終始一貫して核兵器を撤廃すべきであるという主張をしてきました。広島・長崎両市の市長は、そのイニ シアチブで平和市長会議を進めてきて、2003年に「2020ビジョン」を展開しました。2020年までに核兵器を廃 止しようという構想です。
ここで私たちは明記しておきたいのですが、その規約の中に書いてあるように、平和市長会議は核だけではな く、難民の問題、人権、環境破壊、飢餓の問題、そして貧困の問題などにも対応すると言っています。1982年、
第2回国連軍縮特別総会が国連であったときに、当時の荒木広島市長が、核の廃絶のために町が、市が、結束す べきであるという案を出されました。自分たちの国境あるいは宗教を超えて、核廃絶のために協力をしていこう。
そしてその後の広島・長崎の市長もその伝統を踏襲されまして、この平和市長会議への参加を呼びかけられまし た。1982年に荒木市長が発案された構想がこのようにして実現していき、平和市長会議というのは非常に急速に 成長しました。2003年、加盟都市は600都市以下でしたが、2010年7月現在で144カ国の4,030の都市が加盟 しています。つまり、もう4〜5倍にも増えたということです。