HHH H
8. WST-1 法
血球計数盤を用いて計数したCaco-2 細胞を5 x 105 cells/mLに調製後、96ウェル培養 プレートの各ウェルに100 µLずつ播種し、37℃、5% CO2インキュベーター内で20時 間培養した。 培地を除去し、各ウェルをHBSS(100 µL)で注意して3回洗浄後、各 試験溶液を 100 µL 添加し、37℃で 1 時間インキュベートした。 試験溶液を除去後、
HBSS(100 µL)で注意して3回洗浄した。 各ウェルにHBSS 100 µL と WST-1 溶 液 10 µL 添加し、37℃で2時間インキュベートさせることで発色させ、マイクロプレー トリーダーを用いて450 nm における吸光度を測定した。 その際、参照波長は620 nm とした。
9. SDS-ポリアクリルアミド電気泳動(SDS-PAGE)
Caco-2 細胞に作用させた上清溶液に2x sample buffer(4% SDS、20% グリセロール、
12% β-メルカプトエタノールおよび適量のブロモフェノールブルーを含む 0.1 M
Tris-HCl 緩衝液(pH 6.8))を等量加え、100℃、3分間加熱し、還元状態の泳動用試料 を作成した。 1 レーンあたり 20 µL の試料を各アクリルアミド濃度(P-gp および MRP2 ; 7%、flotillin-1 ; 10%、caveolin ; 15%)の running gel、4.75% stacking gel を 用いて電気泳動(20 mAで約1時間後、40 mA で約 2 時間)を行った。 泳動用緩衝 液として 0.192 M グリシン、0.1% SDS、0.025 M Tris を用いた。
10. Caco-2 および Caco-2R 細胞単層膜の培養
血球計数盤を用いて計数した Caco-2 細胞を 2 x 105 cells/mL に調整後、Fig. 69 に示 すようなTranswell®(直径 3 µmの細孔をもつポリカーボネートメンブラン)に 1.5 mL 播種し、15 日間から 21 日間培養した。 なお、その間毎日培地交換を行った。 膜の basorateral 側には2.6 mLの DMEM を満たし、同様に培地交換を行った。
Fig. 69. Method of Transepithelial Electrical Resistance (TEER) Measurement of Caco-2 or Caco-2R Cell Monolayers on Transwell® Membrane
24 mm diameter insert 6 well cluster plate
6 well cluster plate Upper compartment
Cell Lower compartment Transwell
Microporous membrane
MILLPORE
Millicell®-ERS
11. 漏出成分の定量
[3H]Cholesterol の漏出
[3H]Cholesterol の漏出の評価は、Ohvo らの方法に準じて行った。96) 35 mm 組 織培養ディッシュに前述した方法で単層膜を形成させた後、[3H]cholesterol(5 µCi/mL
of serum) 含 有 DMEM で 24 時 間 培 養 す る こ と で 細 胞 内 コ レ ス テ ロ ー ル を
[3H]cholesterol に置換した。 DMEM を除去し、HBSS で3 回洗浄した。 各 CyDs 試験液を添加後、経時的に50 µL ずつサンプリングを行い、シンチレーター(HIONIC FLUORTM、Packard)2 mL に溶解し、液体シンチレーションカウンターにより 3H の放射活性を測定した。 漏出率を以下の式より算出した。
total [3H]cholesterol in sample
% [3H]Cholesterol efflux =
total [3H]cholesterol in the cells at time zero
リン脂質の漏出
35 mm 組織培養ディッシュに前述した方法で単層膜を形成させた後、DMEM を
除去し、HBSSで 3 回洗浄後、各 CyDs 試験液を添加した。 30 分間インキュベ ート後、上清液を遠心分離(4000 rpm、3 min)し、上清 0.5 mLをリン脂質C-テ ストワコー発色試液 0.5 mL と混合して発色後、分光光度計で 600 nm の吸光度を 測定し、リン脂質量を算出した。
総タンパク質の漏出
35 mm 組織培養ディッシュに前述した方法で単層膜を形成させた後、DMEM を
除去し、HBSSで 3 回洗浄後、各 CyDs 試験液を添加した。 30 分間インキュベ ート後、上清液を遠心分離(4000 rpm、3 min)し、上清 0.7 mLを20% トリクロ ロ酢酸溶液と混合し、氷上で 15 分間インキュベートした。 遠心分離(16,000 rpm、
15 min)し、上清を取り除き、冷アセトン 0.5 mL により pellet を洗浄後、遠心分 離(16,000 rpm、15 min)により冷アセトンを除去した。 15 分間乾燥させた pellet に直接 BCA kit working reagent 210 µL を加え、ピペッティングによりよく混和し
x 100
レートリーダーで 570 nm の吸光度を測定し、総タンパク質量を算出した。
12. TEER 測定
Transwell® にて単層膜を形成後、DMEM を HBSS に交換し、30 分間プレイン キュベーション後、各試験溶液を apical 側に添加し、経時的に TEER を測定した。
TEER 測定には、Fig. 69 に示す Millicell®-ERS を用い、銀 / 塩化銀からなる2つ の電極を細胞単層膜の apical 側と basolateral 側にそれぞれ浸して測定した。
13. Caco-2 および Caco-2R 細胞単層膜透過実験
Transwell® にて単層膜を形成後、DMEMをHBSSに交換し、30分間プレインキュベ ーションを行った。 各条件下で、各種薬物溶液を apical 側、あるいは basolateral 側 に添加し、経時的にそれぞれ反対側から 100 µL ずつサンプリングを行った。その際、
volume補正のため100 µLのHBSSを補った。 それぞれの薬物濃度は、以下に示す定 量法で測定した。 また、見かけの透過係数(Papp)は、時間(sec)に対する透過量(mol)
をプロットし、次式から算出した。
dQ / dt Papp =
A・C0
Q :透過量(mol)
A :細胞表面積(cm2) C0 :初濃度(mol/mL)
Papp :見かけの透過係数(cm/sec)
タクロリムスの定量
タクロリムス溶液を添加した層の反対側(apical 側または basolateral 側)から、
経時的に100 µLずつサンプリングし、in vivo 実験におけるEIAと同様の方法で定量 を行った。 ただし、抽出操作は省略した。
ローダミン 123 の定量
ローダミン 123 を添加した添加した層の反対側(apical 側または basolateral 側)
から、経時的に100 µLずつサンプリングし、蛍光検出器を用いてHPLC 法により定 量した。 HPLC 条件は以下の通りである。
HPLC条件
カラム : TSK gel ODS-80TM (4.6 x 150 mm) 移動相 : アセトニトリル:1% 酢酸(2:3 v/v)
流速 : 1.0 mL/min 注入量 : 20 µL
検出波長 : 励起波長 507 nm、蛍光波長 529 nm
BCECF の定量
BCECF-AM(5 µM)を添加した層の反対側(apical 側または basolateral 側)か
ら、2 時間後に 1 mL ずつサンプリングし、蛍光分光光度計(日立 F-4500)を用い
て定量した。 励起波長は 439 nm、蛍光波長は525 nm とした。
フェナセチンの定量
Transwell® の apical 側から、経時的に100 µLずつサンプリングを行い、UV検出 器を用いてHPLC 法により定量した。 HPLC 条件は以下の通りである。
HPLC条件
カラム : HYPERSIL ODS-5 (4.6 x 250 mm) 移動相 : アセトニトリル:水(1:1 v/v)
流速 : 1.0 mL/min 注入量 : 20 µL
検出波長 : 249 nm
[3H] mannitolの定量
Transwell® の basolateral 側から、経時的に 100 µLずつサンプリングを行い、シ ンチレーター(HIONIC FLUORTM、Packard)2 mL に溶解し、液体シンチレーショ ンカウンターにより3Hの放射活性を測定した。
14. Western blot 分析
1)試料の調製
35 mm 組織培養ディッシュに前述した方法で単層膜を形成させ、DMEM を除
去し、HBSSで3回洗浄した。 各試験液を 30 分間作用させた後、試験溶液を除 去し、HBSSで3回洗浄した。 Lysis buffer(3% SDS、2 mM dithiothreitol、
73 µM pepstatin A、0.1 mM leupeptin、1 mM phenylmethylsulfonyl fluorideを 含有したPBS)を 500 µL添加し、氷冷下で45 分間、5分おきに攪拌しながらイ ンキュベートした。 遠心分離(16,000 rpm、10 min)後、上清を分取し、lysate とした。 漏出タンパク質の検出は、35 mm 組織培養ディッシュに前述した方法 で単層膜を形成させ、DMEM を除去し、PBSで3回洗浄した後、細胞単層膜を各 種 CyD で 30 分間処理後、その上清を回収した。 上清3 mL(35 mm 組織培 養ディッシュ 2 枚分)をトリクロロ酢酸沈殿法により濃縮し試料とした。
2) P-gp、MRP2、caveolin および flotillin-1 の検出
SDS-PAGE後、PVDF 膜に転写(100 V、3時間)した。 転写した PVDF 膜 をblocking buffer(5% skim milk、10 mM Tris pH 7.5、100 mM NaCl、0.1%
Tween 20)を用いて、25℃で 1 時間 blocking し、P-gp、MRP2、caveolin お よび flotillin-1 を検出するためにそれぞれの一次抗体(mouse anti-human P-gp C219 monoclonal antibody(1:100)、mouse anti-human MRP2 M2I-4 monoclonal antibody(1:100)、anti-caveolin C13630 polyclonal antibody(1:
5000)、mouse anti-flotillin-1 clone 18 antibody(1:250)) を25℃ で一晩作用 させた。 PBS - Tween 20(0.1%)で洗浄後、BSA(2%)- PBS - Tween 20(0.1%)
溶液で希釈した二次抗体(P-gp、MRP2 and flotillin-1;peroxidase-conjugated sheep anti-mouse IgG antibody(1:1000)、caveolin;peroxidase-conjugated donkey anti-rabbit IgG antibody(1:5000))を25℃ で1時間作用させた。 PBS - Tween 20(0.1%)溶液で洗浄後、ECL Western blotting analysis system
(Amersham)を用いてそれぞれのバンドを検出した。
15. Cholesterol-loaded DM-β-CyD 試験液の調製
コレステロール粉末(200 mg)をねじ口試験管 (15 mL) に入れ、10 mM DM-β-CyD
(HBSS)溶液10 mL を加えて密栓し、溶解平衡に達するまで (7日間) 振盪した。 そ の 溶 液 を 遠 心 分 離 後 (2,000 rpm、5 min)、 上 清 を フ ィ ル タ ー (Advantec 製 DISMIC-3CP)でろ過し、cholesterol-loaded DM-β-CyD 試験液を得た。 ろ液中のコ レステロール濃度を HPLC 法により定量したところ、1.55±0.03 mM(0.6±0.01 mg/mL)であった。
HPLC条件
カラム : µBONDAPAK C18(4.6 x 250 mm)
移動相 : アセトニトリル:イソプロパノール(60:40 v/v)
流速 : 1.0 mL/min 注入量 : 20 µL 検出波長 : 202 nm 16. 銀染色
35 mm 組織培養ディッシュに前述した方法で単層膜を形成させ、DMEM を除去し、
HBSSで3回洗浄した後、単層膜を各種 CyD で 30 分間処理後、その上清を回収した。
上清3 mL(35 mm 組織培養ディッシュ 2 枚分)をトリクロロ酢酸沈殿法により濃縮
し試料とした。 試料に 1x sample buffer 20 µL を加え、100℃で 3 分間加熱し、還 元状態の泳動用試料を作成した。 SDS-PAGE 終了後、ゲルを銀染色キットを用いて 銀染色した。
17. Reverse transcription-polymerase chain reaction(RT-PCR)分析 1)Total RNAの抽出
60 mm 組織培養ディッシュに前述した方法で単層膜を形成させ、DMEM を除
去し、HBSS で 3 回洗浄した。 各試験液を 30 分間作用させた後、試験溶液を 除去し、HBSSで3回洗浄した。 0.05% トリプシン / 0.02% EDTA 溶液を用い て細胞を剥離し、遠心分離(4000 rpm、3 min)後、上清を除去した。 RNeasy Mini Kit(QIAGEN)を用いて、total RNAを抽出し、DNase(1 units)および RNase 阻害剤(35 unit)を用いて、37℃で 30 分間処理した。 分光光度計にて 260 nm の吸光度を測定し全 RNA 量を算出した。
2)RT 反応
全 RNA(3 µg)に対して、下記に示すそれぞれの reverse プライマー(1 µM)
2 µL、5x first strand buffer 4 µL、0.1 M dithiothreitol 2 µL、10 mM deoxynucleoside triphosphate(dNTP) 混 合 液 1 µL お よ び 逆 転 写 酵 素
(SuperScript II®)1 µL を加え、PCR Thermal Cycler を用い 42℃ で 50 分間 RT 反応を行い、それぞれの cDNA を得た。
3)PCR 反応
Diethylpyrocarbonate(DEPC)処理水 78.5 µL、10x PCR buffer 10 µL、25 mM MgCl2 6 µL、10 mM dNTP 混合液 2 µLおよび下記に示すそれぞれの forward
(3’)プライマーと reverse(5’)プライマーを 0.5 µL ずつ加え、さらにRT 反 応で得られたそれぞれの反応物含有溶液 2 µL および耐熱性ポリメラーゼ(Taq DNA polymerase、5 U/µL)溶液 0.5 µL を混合し、PCR Thermal Cycler を用い、
95℃で 11 分間プレインキュベートしポリメラーゼを活性化後、94℃ で 1 分間
の変性、55℃ で 1 分間のアニーリング、72℃ で 2 分間のDNA伸長反応を 25 サイクル行い、DNA を増幅した。
4)アガロースゲル電気泳動
PCR により増幅された DNA 10 µL に10x loading buffer 1 µL を加え、全量 を 0.1 mg/mL エチジウムブロマイドを含む 0.5x TBE(Tris-borate EDTA;45 mM Tris、45 mM ホウ酸、1 mM EDTA)で作成した2% アガロースゲルに添加 後、ミニゲル電気泳動層(Mupid)にて泳動した。 トランスイルミネーターによ りゲルを撮影した。
各遺伝子に対するプライマー
human MDR1 (PCR product: 541 bp)
forward : 5’-GAGGTGAAGAAGGGCCAGACG-3’
reverse : 5’-TTCTGGATGGTGGACAGGCGGTGA-3’
human MRP2 (PCR product: 558 bp)
forward : 5’-GAAGACGATGACTATGGGCTGA-3’
reverse : 5’-ACGAAACCAAAGGCACTCCAGA.-3’
human β-actin (PCR product: 314 bp)
forward : 5’-TCCTGTGGCATCCACGAAACT-3’
reverse : 5’-GAAGCATTTGCGGTGGACGAT-3’
18. Flow cytometry
35 mm組織培養ディッシュに前述した方法で単層膜を形成させ、DMEM を除去し、
HBSSで3回洗浄した。 各濃度の CyDs を溶解させた HBSS を 2 mL 加え 30 分 間作用させた後、溶液を除去し、HBSS で 3 回洗浄した。 P-gp 発現量の回復実験に おいては、DM-β-CyD(10 mM)で処理後、HBSSを10% FCS 含有 DMEM に置換 し、各回復時間インキュベートした(37℃、5% CO2)。 また、ローダミン123 の取り 込み実験においては、DM-β-CyD で処理後、0.5 µM ローダミン123 溶液を添加し、37℃
で 60 分間インキュベートした。 洗浄後、0.05% トリプシン / 0.02% EDTA 溶液を 用いて細胞を剥離し、遠心分離(4,000 rpm、3 min)後、上清を除去した。 細胞を0.1%
NaN3含有HBSS 100 µLに懸濁し、2 x 106 cells/100 µLに調整後、PE標識抗P-gp抗 体UIC2を20 µL加え、細胞膜表面のP-gpを標識(4℃、30min)した。 HBSSで3 回洗浄後、遠心分離(4,000 rpm、3 min)し、上清を除去した。 1 mLのHBSSに再 懸濁し、試料とした。 FACSCalibur® により細胞の蛍光強度を測定し、Cell Quest® に より解析した。
19. カベオラ画分の分離
カベオラ画分の単離は、Lisanti 等の方法に準じて行った。97) 150 mm 組織培養デ ィッシュに前述した方法で単層膜を形成させ、DMEM を除去し、HBSS で3 回洗浄し た。 各濃度の CyDs を溶解させた HBSS を 2 mL 加え 30 分間作用させた後、溶 液を除去し、HBSS で 3 回洗浄した。 カベオラ画分の分離は、Fig. 70 に示すように、
sucrose 密度勾配遠心法により行い、すべての操作を氷冷下で行った。 まず、500 mM