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VCov

ドキュメント内 最終報告書.PDF (ページ 116-142)

Cov Cov V

2 1

2

2 1 1

22 21

12 11

1

,

, υ υ

υ

υ υ υ

ω ω

ω υ ω

とし、ここでω12は誘導型誤差間の同時点共分散である。ここで誘導型誤差項には系列相 関はなく、したがって

υ

t

υ

sは相関がない

( t s )

。これらの標準的な誤差の仮定に加え て、VARプロセスは定常である事が仮定される。現実にはこれらの仮定は、時系列にはト レンドもなく、季節パターンや時間を通じて変化する分散もない事を意味している。した がって VAR モデルを構築する際には対象の時系列に単位根検定を行っておき、定常化し ておく必要がある。

3)グランジャー因果性

定式化に関する1つの重要な問題として、一方の変数が他方の変数と因果関係があるか どうかという事がある。この問題に答えるためにGranger(1969)は、グランジャー因果と して知られるようになった因果性の概念を導いている。大雑把に言えば、もし y2tに関す る過去の情報が y1tの予測を改良するのに役立つならば、変数y1ty2tのグランジャーの 意味で原因になっているという。VARモデルに関しては、これは簡単にテストすることが

できる。たとえば(Ⅵ−1)で、もしπ13 =0ならばそのときに限りy2y1のグランジャ ーの意味で原因になっていない。次のVAR(2)モデルを考えたときには

t t t

t t

t y y y y

y1 =π11+π12 1,1+π13 2,1+π14 1,2 +π15 2,2 +υ1

π13 =π15 =0のときのみy2y1のグランジャー因果ではない。言い換えれば、y2のラ グ付きの値がy1の誘導型方程式に現れていなければ、そのときに限り y2y1とグランジ ャー因果ではない。

さてこのようなグランジャー因果性のテストは、次のようにして行うことができる。

( )

y

t

= y

1t

, y

2t 'は定常で、正規分布に従う2変量VAR(p)プロセスによって生成され、

y y

v v

y y

t t

t t 1

2

1 2

11 1 12 1

21 1 22 1

1 1

2 1

  

  = 

  

  + 

  

  

  

  +

π π

π π

, ,

, ,

, ,

 

 + 

 

 

 

 

 + 

t t p

t p t p p

p p

y y

2 1 ,

2 , 1 , 22 , 21

, 12 , 11

υ υ π

π

π

π

(Ⅵ−5)

さらにytはすべての関連する情報を含んでいると仮定する。もし

π

12 1,

= π

12 2,

・・・ = π

12,p

= 0

       (Ⅵ−6)

であれば、y2y1のグランジャー因果ではないことを示すことができる。次に、もし

π

21 1,

= π

21 2,

・・・ = π

21,p

= 0

       (Ⅵ−7)

であればy1y2のグランジャー因果ではない。言い換えると、もし y2が(Ⅵ−5)の最 初(y1)の方程式に現れなければ、y2y1のグランジャー因果ではない。そしてy1がシ ステムの 2 番目の方程式に現れていなければ、y1y2のグランジャー因果ではない。し たがって、グランジャーの意味での因果性がないという仮説検定は、VAR(p)の係数にゼロ 制約をおくことによって行う。帰無仮説(Ⅵ−6)は y2からy1へのグランジャー因果が ないという帰無仮説と同じである。この帰無仮説は、次の検定統計量に基づくF検定を用 いて検定する事ができる。

( )

λ = −

− −

RSSR USSR p USSR T p

/ / ( 2 1 )

ここでRSSR(制約なし残差平方和)とUSSR(制約付残差平方和)はそれぞれ、(Ⅵ

−5)の最初の方程式に(Ⅵ−6)の制約をつけた場合とつけない場合の最小二乗推定に よって得られた残差平方和である。帰無仮説が正しければ、統計量

λ

は近似的に自由度

(p,T−2p−1)(p:ラグの数、T:期間)のF分布に従うと考えられる。

4)イノベーション計算と予測誤差分散の分解

VARモデルを推定した後、その1つの要素のイノベーションに対するシステムの応答を 導くことができる。これはインパルス応答関数と呼ばれるが、ARモデルをMAモデルに 変換したものである。M変量のシステム

y

t

= ( y

1t

, ・・・ , y

Mt

) '

に対するP次のベクトル自己

回帰過程[VAR(p)]を、再び次のように表す。

t p t p

t y

y v

y1 = +Θ1 1+・・・=Θ +υ

このM本の方程式システムでは、v=

(

v1,・・・,vM

)

'はM次元ベクトルであり





= Θ

i MM i

M

i M i

i

, ,

1

, 1 ,

11

θ θ

θ θ

L M O M

K

は(M×M)係数行列、そしてυt' =

(

υ1t,L,υMt

)

は同時方程式体系の誘導形誤差と同じ性 質を持っている。すなわち、

υ

tは平均ゼロ

E [ ] υ

t

= 0 ,

すべてのtに対して同じ非特異 non-singularな共分散行列∑υ =E

[ ]

υtυt' をもつ。さらに

υ

t

υ

s

ts

に対して無相関で

あることが仮定されている。このような性質を持った

υ

tはベクトルホワイトノイズと呼ば れることもある。

このように定常なVAR(p)プロセスは、次のような移動平均(MA)表現を持つことを示 すことができる。

+ L +

+

=

t 1 t1

t

v M

y µ υ

=

+

=

0 i

i t

Miυ

µ (Ⅵ−8)

ここで

µ = E y [ ]

t

= − ( I Θ

1

L Θ

p

)

1

µ

で、Mは(Ⅵ−4)から計算することができる。Mikj番目の要素は、I期前の変数jによる単位ショックに対するk番目の変数の反応を表 しているとみなせる。この場合もちろんシステムに対する別のショックによってこの効果 は影響を受けないと仮定する必要がある。

VAR(p)プロセスの共分散行列

υは正値定符号であるから、PυP =I のような非特

異行列Pが存在する。この行列を使って、上記の ytのMA表現は次のように書くことがで きる。

i t i

i i

t i

i

t M P P w

y

=

=

= + Ψ

+

=

0 1

0

µ υ

µ        (Ⅵ−9)

ここで

Ψ

i

= M P

i −1そして

w

t

= ( w

1t

, L , w

Mt

)

'。このときベクトルwtはその要素は無相関

で、分散が1という便利な性質を持つ。すなわち

[ ]

ww PE

[ ]

P I

E t t' = υtυt' ' =

となるので、行列Ψiは単位イノベーションwmtに対するシステム ytの反応を表すと見な すことができる。

1 つの問題は乗数の解釈が P 行列したがってΨiが一意でない可能性があるために難しい 点にある。特に瞬時的相関(同時期における相関)が強い場合、方程式の順序を入れ替え ると全く違ったインパルス応答関数になる場合がある(Causal Orderingの問題)。もし各 変数の攪乱項の相関係数行列(方程式の残差項をそれらの攪乱項の推計値とした場合の標 本相関係数行列)の非対角要素がゼロに近ければ、こうした問題はないといえる。もし、

変数の順序に関して何らかの先見的な情報があるなら、気に入ったインパルス応答関数を 選ぶことができるが、そのような先見的な情報は常に得られるとは限らない。その場合に は、その乗数分析にある程度の恣意性が存在する。さらに単位イノベーションは、たとえ ばvtの標準誤差

δ

tが非常に小さい場合には解釈が難しい。モデルが線形であることから、

通常はその大きさが標準誤差のイノベーションに対するインパルス応答関数を計算するこ とが多い。

VAR(p)を(Ⅵ−9)のように表すことによって、システム内の変数の相互の関係を別の方 法で解釈することもできる。h 期先予測のMSE あるいは予測誤差の共分散行列は、次の ように表せる。

Ψ Ψ

n n' m 番目の対角要素は、ちょうどΨnの第m行の要素の 2 乗和である。さらに、

Ψ Ψ

0 0'

+ L Ψ Ψ

h1 h'1のm番目の対角要素の和は、変数のh期先の MSE あるいは予測誤差 の分散である。このMSEに対するj番目の変数ymにおけるイノベーションの割合は次式 で与えられる。これを予測誤差の分散分解という。

ϕ

mj2 ,0

+ ϕ

m j2 ,1

+ + L ϕ

mj h2 , 1

ここで

Ψ

mj n, はΨnの mj番目の要素である。これは予測誤差の分散すなわち MSE を分解 して、ここの変数のイノベーションにたいして説明される要素に比例配分する方法と見る ことができる。すなわち、この数値の大きい変数が当該予測変数に大きな影響を与えると 解釈できるのである。

( )

h = ∑ +v M1v M1'+ +L Mh1v Mh'1

  

= P P

1

v

P P

'

( )

1 '

+ M P P

1 1

v

P P

'

( )

1 '

M

1'

+ + L M

h1

P P

1

v

P P

'

( )

1 '

M

h'1

  

= ΨΨ ΨΨ

0 0'

+

1 1'

+ + L Ψ Ψ

h1 h'1

Ⅵ−2.為替レートの変動要因の時系列実証分析

以下では時系列手法を実際に用い、各変数が為替レートに与える影響を分析する。手順 は、以下のとおりである。

①  各系列における定常性の有無の検証―単位根検定

②  グランジャー因果性のテスト

③ VARモデルによる変動要因分析

1)データ

ここでは名目円ドルレートを分析対象とする。以下で用いる VAR モデルでは、推計期 間は1973 年第2四半期〜1999年第3四半期とした。

  分析を行うに当たり、短期的な為替レートの変動要因として、比較的速報性が高いこと から、一般に注目度が高い経済データを次のように選んだ。

④  円ドルレート

通常観測される円ドルレートの各四半期における終値の平均値を使用し、分散不均一 性を解消する目的で対数をとった。これを系列LYDOLとする。

⑤  日米インフレ率格差

日米における消費者物価指数の前年同期比の差をとった。これを系列Xとする。

⑥  日米実質金利差

IMF “International Financial Statistics”より日米の名目長期金利をとり、それぞれの 生産者物価で実質化した系列の差をとった。これを系列Yとする。

⑦  日米実質成長率格差

経済企画庁および米国商務省発表の実質 GDP(原系列)の前年同期比の差をとった。

これを系列Zとする。

⑧  経常収支

日本の実質GDPの対数値から実質国内需要の対数値を引いたものとした。これを系列 Wとする。

図表  VI-1  各データの推移 

50.0 100.0 150.0 200.0 250.0 300.0 350.0

73:1 75:1 77:1 79:1 81:1 83:1 85:1 87:1 89:1 91:1 93:1 95:1 97:1 99:1 円ドルレート 円/ドル

-5.0%

0.0%

5.0%

10.0%

15.0%

20.0%

25.0%

73:1 75:1 77:1 79:1 81:1 83:1 85:1 87:1 89:1 91:1 93:1 95:1 97:1 99:1 米国インフレ率

日本インフレ率

-30.0%

-25.0%

-20.0%

-15.0%

-10.0%

-5.0%

0.0%

5.0%

10.0%

15.0%

20.0%

73:1 75:1 77:1 79:1 81:1 83:1 85:1 87:1 89:1 91:1 93:1 95:1 97:1 99:1 米国実質金利

日本実質金利

2)単位根検定

グランジャー因果性のテストや VAR モデルに使用する系列は、まず定常化されている 必要がある。そこで、各系列―すなわち LYDOL、X、Y、Z、W―のそれぞれについて単 位根検定を行うこととし、以下の3つの式を用いた。なお、どの式に従うべきかについて は、明確な基準はないとされている。

①ドリフト項(定数項)なし、トレンド項なし:

X

t

= δ X

t1

+ ε

t

②ドリフト項あり、トレンド項なし:

X

t

= µ + δ X

t1

+ ε

t

③ドリフト項あり、トレンド項あり:

X

t

= µ + α t + δ X

t1

+ ε

t

  以下の2ページには、階差をとらない系列および一階階差をとった系列(すなわち

X

t

のグラフを掲げてある。

-4.0%

-2.0%

0.0%

2.0%

4.0%

6.0%

8.0%

10.0%

12.0%

73:1 75:1 77:1 79:1 81:1 83:1 85:1 87:1 89:1 91:1 93:1 95:1 97:1 99:1 米国実質成長率

日本実質成長率

-0.060 -0.050 -0.040 -0.030 -0.020 -0.010 0.000 0.010 0.020 0.030 0.040

73:1 75:1 77:1 79:1 81:1 83:1 85:1 87:1 89:1 91:1 93:1 95:1 97:1 99:1 経常収支(逆メモリ)

赤字

黒字

図表  VI-2  各時系列データの推移(階差なし) 

  ここでは、明らかにLYDOL系列に単位根の存在が窺われる。他の系列については、い ずれもゼロ近傍で変動しており、視覚的には単位根の存在の有無ははっきりしない。

4.00 4.50 5.00 5.50 6.00

73:1 75:1 77:1 79:1 81:1 83:1 85:1 87:1 89:1 91:1 93:1 95:1 97:1 99:1

LYDO L

-0.15 -0.10 -0.05 0.00 0.05 0.10 0.15 0.20 0.25

73:1 75:1 77:1 79:1 81:1 83:1 85:1 87:1 89:1 91:1 93:1 95:1 97:1 99:1

X Y

-0.08 -0.06 -0.04 -0.02 0.00 0.02 0.04 0.06 0.08 0.10

73:1 75:1 77:1 79:1 81:1 83:1 85:1 87:1 89:1 91:1 93:1 95:1 97:1 99:1

Z W

LYDOL

図表  VI-3  各時系列データの推移(一階階差) 

  一階階差をすべての系列にとった場合、いずれもゼロ近傍で細かく振動する形のグラフ が得られている。視覚的には、すべての系列が定常化されていることが窺われる。

-0.20 -0.15 -0.10 -0.05 0.00 0.05 0.10 0.15

73:1 75:1 77:1 79:1 81:1 83:1 85:1 87:1 89:1 91:1 93:1 95:1 97:1 99:1 YD

-0.15 -0.10 -0.05 0.00 0.05 0.10

73:1 75:1 77:1 79:1 81:1 83:1 85:1 87:1 89:1 91:1 93:1 95:1 97:1 99:1

XX YY

-0.06 -0.04 -0.02 0.00 0.02 0.04 0.06

73:1 75:1 77:1 79:1 81:1 83:1 85:1 87:1 89:1 91:1 93:1 95:1 97:1 99:1

ZZ WW

ドキュメント内 最終報告書.PDF (ページ 116-142)

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