• 0.6 ここで、
ΔVFLOAT
= 調整されたフロート電圧 – デフォルト・フロート電圧 V
CHG= VCHGピンの電圧、
V
BGR= 1.220V
V
REFピンに接続された抵抗分割器によってタイマが影響され ます(詳細については「TIMERピンおよびVREFピンによる充電 時間の設定」を参照)。鉛蓄電池用サーミスタ
TYPEピンが鉛蓄電池用に設定されると、 THAピンがV
BGRに 強制され、THBがNTC抵抗のセンスに使用されます。 R1の値
は次式で求められます。R1=R0 •β −2 • T0 β +2 • T0 ここで、
R0 = T0でのサーミスタの抵抗(
W) T0 = サーミスタの基準温度( K)
β = 抵抗の指数温度係数
LTC4110は、 Siemens/EPCOSのB57620C103J062などの、
βが 約3750で許容差5%の10kのNTCサーミスタで最適に動作す るように設計されています。この場合、R1 = 7256Wになります。
アプリケーション情報
図15. 鉛蓄電池のサーミスタ
RNTC
TH_HI VBGR
+ –
TH_LO
RES_OR
RES_HOT HI_REF
REF LO_REF +
–
THB R1
THA
LOGIC
+
4110 F15
鉛蓄電池の温度補償
SLA充電の温度補償を設定するには、図16に示すような外部
回路が必要です。各値は次式で求められます。
R1=R0 •β −2 • T0 β +2 • T0 k1= R0
R0+R1
TCk1=– β• R1• R0 (R1+R0)2• T02 k2= TCVFLOAT
1.2 • TCk1
k3=0.5+ ΔVFLOAT/ 1.2−k1• k2 1−k2
ここで、
TCV
FLOAT= フロート電圧の温度係数(範囲:2mV/℃〜
6mV/℃)
Δ
V
FLOAT= 25℃でのフロート電圧 – デフォルト・フロート電圧 2.35V(範囲:0.15V〜0.15V)
たとえば、β = 3750で10kのNTCを使用すると、温度係数が
2mV/℃のときの25℃での所期フロート電圧 = 2.5Vの場合、
R1 = 7256、 k1 = 0.580、 TCk1 = –10.3m/℃、
ΔVFLOAT= 2.5
2.35 = 0.15V、 k2 = 0.162、 k3 = 0.634になります。
LTC4110
38
4110fb
R
CSN= R
CSN1+RCSN2R
ICHG= I
CHGピンとGNDの間に接続された抵抗 R
IPCC= I
PCCピンとGNDの間に接続された抵抗 R
ICAL= I
CALピンとGNDの間に接続された抵抗
この3つのピンのいずれかの設定抵抗の値が100kを上回る 場合の詳細については、「フライバック補償」を参照してくださ い。
ピンの電流値が等しい場合には、ピンを互いに接続して部品 数を削減することができます。
2つのピンが100kを上回る設定
抵抗を共有する場合、必要な補償回路は1つだけです。TYPEピンがSLA/鉛蓄電池用に設定されている場合、 I
PCCピ ンは使用しません。I
PCCピンはオープン状態にすることができ ません。バックアップ・モードへのスレッショルドと調整モードの 逆ドライブ電圧検出スレッショルドの設定
バックアップ・モードへのスレッショルドと調整モードの逆ドラ イブ電圧検出スレッショルドのいずれも、電源入力に接続さ れた抵抗分割器によって設定されます。
VBACKUP= R2 R1+1
• VBGR VBACKDRIVE= VOVP
VBGR
• VBACKUP R2
R1=VBACKUP VBGR −1 ここで、
V
BACKUP= バックアップ開始時の電源電圧(4.5V以下に設定
してはならない)V
BACKDRIVE= 調整終了時の電源電圧(20V以上に設定して
はならない)V
OVP= 調整モードのDCDIVピンの逆ドライブ検出スレッ
ショルド、標準1.5V (VOVPを参照)電流の設定
充電/調整電流は次式を使用して設定します。
I V
R
R R
I V
R
CHG BGR
SNS BAT CSP ICHG
PCC BGR
SNS B
=
=
( )
(
•
AAT CSP IPCC
CAL BGR
SNS BAT CSN ICAL
R R
I V
R
R R
)
( )
•
= •
ここで、
I
CHG= バルク充電電流 I
PCC= 予備調整充電電流 I
CAL= 調整電流
V
BGR= 1.220V
R
SNS(BAT)= フライバック・トランスとバッテリの間の抵抗 R
CSP= R
CSP1+RCSP2アプリケーション情報
図16. 鉛蓄電池の温度補償
4110 F16
RNTC 10k
– +
– +
(1 – k3) • RVREF
k3 • RVREF
R2 R2 + R3
R1 R2
R3
R0 R0 + R1 k2 =
k1 =
VREF
VCHG
THB THA
LTC4110
39
4110fb
R1 = DCDIV
とGNDの間に接続された抵抗 R2 = 電源入力と DCDIVの間に接続された抵抗 V
BGR= 1.220Vのリファレンス電圧
たとえば、電源入力 = 12Vで、この電圧が11Vまで降下 したときにバックアップが開始すると、
V
BACKUP= 11V
、V
BACKDRIVE= 13.5V、 R2/R1 = 8.02になり、 R1 = 10kを選択
すると、R2 = 80.6kになります。
V
BACKDRIVEとV
BACKUPの間にVOVP/V
BGR= 1.23よりも高い
比率が必要な場合、図17に示すように3本目の抵抗を使用で きます。たとえば、電源入力 = 12Vで、この電圧が8Vまで降下したとき にバックアップが開始し、
16Vまで上昇したときに調整が終了
し、V
DC= V
DD= 4.75Vの場合、 R2/R1 = 21.87、 R3/R1 = 3.88
になり、R1 = 10kを選択すると、 R2 = 221k、 R3 = 39.2kになり
ます。電源入力のノイズが問題になる場合には、
DCDIVとGNDの
間にコンデンサを接続することができます。調整/バックアップ・カットオフ・スレッショルドの設定
V
CALピンとVDISピンを使用して、それぞれの動作モードに合 わせた放電カットオフ電圧を計算します。下記の式は両者に 対して一般的なものです。V
CALとV
DISの間の関係はそれぞれ が独立しているので含まれていません。提供された制限範囲内で必要なVCUTOFF電圧を選択して
V
CALまたはVDISを求める場合に、この式は最も役に立ちま す。V
CALまたはVDISの電圧値の計算では、これらのピンの個 別に計算された電圧を得るのに必要となる、V
REFに接続され た必要な電圧分割器ネットワークを決定します。必要とするピ ン電圧のすべてを得るのに、V
REFからグランドに接続された1 つの直列抵抗分割器ネットワークを使用することを推奨しま す。V
CHGをカスタム値にすると分割器ネットワークを複雑にす ることにもなる点に注意してください。詳細については「充電 電圧の設定」を参照してください。V
CALピンまたはVDISピンをGNDに接続することによって、デ フォルトの調整/バックアップ・カットオフ・スレッショルド(リ チウムイオンでは2.75V、SLAでは1.93V、 NiMH/NiCdでは 0.95V)が設定されます。これらのスレッショルド電圧は、ピン
をVREFピンの抵抗分割器の適切な電圧に接続することによ り、次式に従って(リチウムイオンでは400mV、 SLAでは
300mV、 NiMH/NiCdでは 200mVに)調整することができま
す。V V V
V Li Ion
V V
CUTOFF CAL DIS BGR
CUTOFF C
= −
=
/ • .4 2 ( )
AAL DIS BGR
CUTOFF CAL DIS BGR
V
V SLA
V V V
V
/ • . ( )
/
2 35
= ••2 NiMH NiCD( / )
アプリケーション情報
図17. バックアップ検出コンパレータと昇圧検出コンパレータ R
R
V V
V V
BACKDRIVE BACKUP BGR BACKDRIVE
2
1= 0 23 – −
. • –– . • . •
• 1 23
0 23 1
3 1
V V R
R V V
V
BACKUP DC
DC BGR
BACKD
−
= RRIVE BACKUP
BACKDRIVE BACKUP
V
V V
V
– – . • . •
1 23 0 23
−
DDC
BACKDRIVE BACKUP
V – .1 23•V −1 ここで、
V
DC= すべての安定化されたDC電圧で、 SMBusのプルアッ
プ、LED電源、 LTC4110のV
DD電圧などとしてシステムで使用 され、1.7V以上でなければなりません。 R3 = V
DCとDCDIVの 間に接続された抵抗です。4110 F17
DCDIV
BACKUP SUPPLY
INPUT –
VBGR +
VDC
R2
R1 R3
OPTIONAL RESISTOR TO INCREASE THE
1.23 TO 1 RATIO
CMP
BOOST 1.23 • VBGR
+ –CMP
LTC4110
40
4110fb
TYPE
ピンがSLA/鉛蓄電池またはなんらかのニッケル・ベー スのスマート・バッテリ用に設定されている場合、TIMER
ピン は使用しません。TIMERピンは接地することが可能です。さら
に、タイマ機能が不要で、V
REFからグランドに分圧器を接続 する必要がない場合には、V
REFピンの負荷を10µA〜25µAに 維持し続ける必要があります。V
REFからグランドに49.9kの負 荷抵抗を接続することを推奨します。12時間を超えるバッテリ充電
バルク充電に必要なタイム・サイクルがTIMERピンによって設 定される12時間のタイム・リミットを超える状況では、
2つの選
択肢があります。SMBusのホストでCHG_FLTビットをクリアし
て新たな充電サイクルを開始させるか、または同じバッテリの スマート・バージョンに切り替えることができます。前者を選択 した場合、TIMERピンの時間が実際に必要な時間の約2/3に
短縮されます。この結果、2番目のサイクルの終了が早くなり、
V
ARがトリップすると自動リスタートを繰り返します。スマート・バッテリのオプションを選択した場合、スマート・バッテリは自 身で充電終了を安全に制御します。バルク充電は、バッテリを
100%
まで充電するまでの間、必要なだけ続けることができま す。バッテリはSMBus充電コマンドを使用してフル充電状態を 維持するので、ホストによる操作は不要です。ACPDLYピンおよびVREFピンによる ACアダプタ接続表示遅延時間の設定
電源障害の後にメイン電源DCINが回復すると、
ACPbピンが
“L”にドライブされてメイン電源が接続されていることを示し ます。この遷移を遅延させて、このピンの状態に基づいてシス テムが動作する前にシステムが安定する時間を確保すること ができます。
ACPb
ピンの“H”から“L”への遷移のみの遅延は、ACPDLY
ピンの容量を選択することによって設定できますが、V
REFピンの抵抗によって左右されます。一般的に設定される 遅延時間は10ms〜200msの範囲で、次式のように設定されま す。CACPDLY(F)= T(s) 2 • RVREF(W)
一例として、
R
VREF= 113k、必要な遅延時間が105msの場合、
C
TIMER= 470nFになります。許容誤差については、
「電気的特 性」の表のtACを参照してください。ここで、
V
CUTOFF= 調整されたカットオフ・スレッショルド電圧 V
CAL/V
DIS= V
CALピンまたはVDISピンの電圧V
BGR=1.220V
V
REFピンに接続された抵抗分割器はタイマに影響を与えま す。詳細については「TIMERピンおよびVREFピンによる充電 時間の設定」を参照してください。TIMERピンおよびVREFピンによる充電時間の設定
リチウムイオン・バッテリの充電のタイム・リミットは、
TIMERピ
ンの容量を選択することによって設定できますが、V
REFピン の抵抗によって左右されます。一般的に設定されるバルク充 電時間は2時間〜12時間の範囲で、次式のように設定されま す。CTIMER(F)= T(Hrs) (944 • RVREF(W))
一例として、
R
VREF= 113k、必要なバルク充電のタイム・リミッ
トが5時間の場合、C
TIMER= 47nFになります。許容誤差につ
いては、「電気的特性」の表の定数944に直接影響するFTMRを参照してください。
リーク電流が大きいコンデンサは使用しないでください。
V
REFピンの負荷抵抗の範囲は49k〜125k、つまり負荷電流 の範囲が10µA〜25µAになります。125kでのV
REFの最大容量 は、内部アンプが十分なAC安定性を維持するように、50pFま
でに制限されます。49kでは最大125pFです。最大容量は抵抗
に反比例します。V
REFピンの電圧(VREF)は、ある程度の制限はありますが、別
の用途の高精度電圧として使用することができます。V
REFピ ンの総電流は25µAを上回ってはならず、容量は上述したよう に制限する必要があります。負荷電流の変動によって、設定さ れた充電時間が変調されます。シャットダウン・モードでは、V
REFは0Vまで降下します。アプリケーションによっては、