確実な生息情報はないが、石川県あるいは岐阜県では確認されており、連続した生息分布の中で、本県でも今後調査 を行うことにより、生息が確認される可能性は十分にあり、この場合、選定種としてリストアップされることになる。
以上の選定基準を鑑み、暫定版として、今後においても見直しが不可欠であることを強調しておきたい。
(西垣 正男、鈴木 聡)
【福井県カテゴリー】新:県域絶滅 旧:県域絶滅 選定理由
【環境省カテゴリー】絶滅
ニホンオオカミ
Canis lupus hodphilax Temminckネコ目・イヌ科
種の特徴
絶滅した要因 分 布
若狭町 おおい町 高浜町 美浜町 小浜市 敦賀市 越前町 南越前町 池田町 永平寺町 坂井市 越前市 あわら市 鯖江市 勝山市 大野市 福井市
市 町 別 生息情報
参考文献 本県を含め 50 年以上、生息記録がない。
頭胴長 95 〜 114cm、尾長 30cm。群れとなってシカやイノシ シ、ノウサギ等を捕食し、草食動物の個体数増加を抑制して いたと考えられる。
家畜を襲う等により有害獣として捕獲されたことや、ジステ ンバー等の感染症が絶滅の要因とされている。
本県をはじめ、かつては、本州、四国、九州に広く生息して いた。1905 年に奈良県鷲家口での捕獲記録が国内最後となっ ている。
阿部永(2008)
選定理由
【環境省カテゴリー】絶滅
ニホンカワウソ
Lutra lutra nippon Imaizumi & Yoshiyukiネコ目・イタチ科
種の特徴
絶滅した要因 分 布
若狭町 おおい町 高浜町 美浜町 小浜市 敦賀市 越前町 南越前町 池田町 永平寺町 坂井市 越前市 あわら市 鯖江市 勝山市 大野市 福井市
市 町 別 生息情報
参考文献 本県では 50 年以上、生息記録がない。
頭胴長 55 〜 58cm、尾長 35 〜 56cm。河川の中下流部〜沿岸 部に生息し、水中で魚類、甲殻類を、陸上でネズミ類、鳥類 を捕食する。川岸に巣穴を掘り家族単位で生活する。
良質な毛皮を目的とした乱獲とともに、全国的な河川改修に よる生息地の消失と河川環境の悪化による餌となる魚の減少 等が挙げられる。
北海道〜九州まで、河川の下流部に広く生息していた。高知 県南西部において 1979 年以降に確実な生息記録がなく、絶 滅したと考えられている。
福井県(1999)、阿部永(2008)
【福井県カテゴリー】新:県域絶滅 旧:県域絶滅
選定理由
【環境省カテゴリー】―
ヒナコウモリ コウモリ目・ヒナコウモリ科
Vespertilio sinensis (Peters)種の特徴
生息を脅かす要因 分 布
若狭町 おおい町 高浜町 美浜町 小浜市 敦賀市
〇
越前町 南越前町 池田町 永平寺町 坂井市 越前市 あわら市 鯖江市 勝山市 大野市 福井市
市 町 別 生息情報
参考文献 本県での既知の生息場所は 1 か所であり、生息状況は不安定
である。
本来は樹洞をねぐらにすると考えられているが、神社等の家 屋や人工建造物等の利用も知られている。初夏になると雌親 ばかりの出産哺育集団を形成し、2 子を出産する。餌となる 昆虫類が減少する冬期には冬眠するが、詳細は不明である。
伐採等による自然林の消失により、本来のねぐらである樹洞 及びねぐら周辺の餌となる昆虫類の発生場所の消失が挙げら れる。
北海道、本州、四国、九州で広く生息が確認されている。敦 賀市では数百頭からなる繁殖集団が唯一みつかっているが、
現在の状況は不明である。
福井県(1999)、保科(2011)
【福井県カテゴリー】新:県域絶滅危惧Ⅱ類 旧:県域絶滅危惧Ⅱ類
哺乳類
【福井県カテゴリー】新:県域絶滅危惧Ⅱ類 旧:―
選定理由
【環境省カテゴリー】―
コテングコウモリ コウモリ目・ヒナコウモリ科
Murina ussuriensis Ognev種の特徴
生息を脅かす要因 分 布
若狭町 おおい町 高浜町 美浜町 小浜市 敦賀市
〇
越前町 南越前町 池田町
〇
永平寺町 坂井市 越前市 あわら市 鯖江市 勝山市 大野市 福井市
市 町 別 生息情報
参考文献 本県での生息は限られている。ねぐらとなる樹洞ができる大
径木が自然林の伐採とともに消失していることから、生息環 境が悪化している。
本来は樹洞をねぐらにすると考えられているが、神社等の家 屋や人工建造物等の利用が知られている。
伐採等による自然林の消失により、本来のねぐらである樹洞 及び、ねぐら周辺の餌となる昆虫類の発生場所の消失が挙げ られる。
北海道、本州、四国、九州に分布する。本県では、池田町の 足羽川上流の森林及び敦賀市の防空壕で確認されている。
阿部永ほか(1994)、環境庁編(1993)、環境庁自然保護局(1993)、前 田喜四雄(1984)、前田喜四雄(1979)、日本哺乳類学会編(1997)、保 科英人ほか(2008)
選定理由
【環境省カテゴリー】―
テングコウモリ コウモリ目・ヒナコウモリ科
Murina hilgendorfi (Peters)種の特徴
生息を脅かす要因 分 布
若狭町 おおい町 高浜町 美浜町 小浜市
〇
敦賀市 越前町 南越前町 池田町
〇
永平寺町 坂井市 越前市
〇
あわら市 鯖江市 勝山市
〇 大野市
〇 福井市
〇 市 町 別
生息情報
参考文献 ねぐらとなる樹洞ができる大径木が自然林の伐採とともに消
失していることから、生息環境が悪化している。
本来は樹洞をねぐらにすると考えられているが、洞穴の利用 が多く知られている。繁殖についての詳細は不明である。餌 となる昆虫類の飛翔が減少する冬季には冬眠する。
伐採等による自然林の消失により、本来のねぐらである樹洞 及び、ねぐら周辺の餌となる昆虫類の発生場所の消失が挙げ られる。
北海道、本州、四国、九州に分布する。本県では 6 市町で生 息が確認されている。
福井県(1999)、阿部永(1994)、環境庁編(1993)、環境庁自然保護局
(1993)、前田喜四雄(1984)、日本哺乳類学会編(1997)、保科英人・
蓑輪隆範(2005)、百崎孝男(2009)
【福井県カテゴリー】新:県域絶滅危惧Ⅱ類 旧:県域絶滅危惧Ⅱ類
選定理由
【環境省カテゴリー】―
カワネズミ
Chimalogale platycephalus (Temminck)モグラ目・トガリネズミ科
種の特徴
生息を脅かす要因 分 布
若狭町 おおい町 高浜町 美浜町 小浜市 敦賀市 越前町 南越前町 池田町
〇
永平寺町 坂井市 越前市 あわら市 鯖江市 勝山市 大野市
〇 市 町 別 福井市
生息情報
参考文献 生息場所は、山間部の水質の良い渓流に限られる。残存する
生息場所も、河川改修等により生息環境が悪化しているほか、
工事に伴う濁流等により容易に絶滅する危険性がある。
山間の渓流付近に生息し、夜間に活発に活動するが、日中に もみられる。主に河川を泳ぎながら、水中や水辺で小動物(小 魚、水生昆虫、カエル、カワニナ等)を捕食する。河畔の土 中や石の下に巣を作り、春と秋に 2 〜 3 頭の子を産む。
生息場所となる山間部渓流における河川改修、砂防ダムの建 設及び河畔林伐採等の渓流環境の改変、河川工事に伴う濁流 の発生が挙げられる。
本州・九州の低地〜高山の山間部の渓流に生息する。本県で は情報が少なく、これまで大野市、池田町で生息が確認され ている。
阿部永(1994)、福井県(1998)、日高敏隆(1996)、三原学・大迫義人
(1999)、保科英人(2011)
【福井県カテゴリー】新:県域準絶滅危惧 旧:要注目
【福井県カテゴリー】新:県域準絶滅危惧 旧:要注目 選定理由
【環境省カテゴリー】―
モモジロコウモリ コウモリ目・ヒナコウモリ科
Myotis macrodactylus (Temminck)種の特徴
生息を脅かす要因 分 布
若狭町
〇
おおい町 高浜町 美浜町 小浜市 敦賀市
〇
越前町 南越前町 池田町 永平寺町 坂井市
〇 越前市
〇
あわら市
〇
鯖江市 勝山市
〇 大野市
〇 福井市
〇 市 町 別
生息情報
参考文献 生息洞穴内及び周辺の環境悪化により生息地が消滅する危険
性があり、生息状況は不安定である。
洞穴をねぐらとしているコウモリで、数百から数千頭の群を 形成する。また、コキクガシラコウモリやユビナガコウモリ と混群を作る。初夏に 1 子を出産し、幼獣は生後 30 日ぐら いで飛翔できるようになる。餌となる昆虫類の飛翔が減少す る冬季には冬眠する。
生息洞穴内に人が立ち入りゴミを投棄する等による環境悪化 や懸下しているコウモリに人間が触れる等の行為が挙げられ る。
北海道、本州、四国、九州及び幾つかの島嶼部で生息が知ら れている。本県では 8 市町で確認されている。
阿部永(1994)、福井県(1998)、日高敏隆(1996)、林敏之(2002)、
保科英人・蓑輪隆範(2005)、保科英人ほか(2008)、百崎孝男(2009)
選定理由
【環境省カテゴリー】―
ユビナガコウモリ コウモリ目・ヒナコウモリ科
Miniopterus fuliginosus (Hodgson)種の特徴
生息を脅かす要因 分 布
若狭町
〇
おおい町 高浜町 美浜町 小浜市
〇
敦賀市 越前町 南越前町 池田町
〇
永平寺町 坂井市
〇
越前市 あわら市
〇 鯖江市
〇 勝山市
〇
大野市 福井市
〇 市 町 別
生息情報
参考文献 生息洞穴内及び周辺の環境悪化により生息地が消滅する危険
性があり、生息状況は不安定である。
洞穴をねぐらとしているコウモリで、数百〜数万頭の大群を 形成する。初夏になると雌親ばかりの出産哺育集団を形成し、
1 子を出産する。幼獣は生後 30 〜 40 日ぐらいで飛翔できる ようになる。餌となる昆虫類の飛翔が減少する冬季には冬眠 する。
生息洞穴内に人が立ち入りゴミを投棄する等による環境悪化 や懸下しているコウモリに人間が触れる等の行為が挙げられ る。
本州、四国、九州及び幾つかの島嶼部で生息が知られている。
本県では 8 市町で確認されており、若狭町には数千頭の冬眠 集団が確認されている。
阿部永(1994)、福井県(1998)、日高敏隆(1996)、保科英人・蓑輪隆 範(2005)、保科英人ほか(2008)、百崎孝男(2009)
【福井県カテゴリー】新:県域準絶滅危惧 旧:県域準絶滅危惧
選定理由
【環境省カテゴリー】―
ニホンモモンガ
Pteromys momonga Temminckネズミ目・リス科
種の特徴
生息を脅かす要因 分 布
若狭町 おおい町 高浜町 美浜町 小浜市 敦賀市 越前町 南越前町
〇 池田町
〇
永平寺町 坂井市 越前市 あわら市 鯖江市
〇
勝山市 大野市
〇 市 町 別 福井市
生息情報
参考文献 巣となる樹洞ができる大径木が自然林の伐採等により消失し
ていることから、生息環境が悪化している。
低山〜亜高山の森林に生息する。夜行性で主に樹上で活動し、
被膜を用いて木々間を滑空し移動する。樹洞を巣にするほか、
テングス病の針葉樹の枝の中や樹上に小枝を集めて巣を作 る。植物食性で、樹木の芽、葉、花、樹皮、種子、果実のほ か、キノコも採食する。
自然林の伐採による生息環境の分断、縮小が挙げられる。
日本固有種。本州、四国、九州に分布している。本県では 4 例(大野市上打波嵐谷、鯖江市上戸口町、池田町の足羽川上 流、南越前町)での情報があるのみである。
福井県(1998)、福井県(1999)、日高敏隆(1996)、松村俊幸(1995)、
大迫義人(1996)
【福井県カテゴリー】新:県域準絶滅危惧 旧:県域準絶滅危惧