の関連
TATのテーマと信頼感尺度ならびに攻撃性尺度の関連を検討するため、協 力者を各尺度の得点の高低で群分けし、TATのテーマをカテゴリーで分類
して、群間で比較検討した。カテゴリー分類は、鈴木(1997)の反応分類
に基づいて行った。
群分けの方法
群分けにはr攻撃性」得点とr他人への信頼」得点、r自分への信頼」得 点を用いた。なお、攻撃性尺度の下位尺度であるr積極性」は、攻撃性尺度
協力者を尺度の得点順に並べ替え、得点の上位半分を島群、下位半分を低 群とした。
群分けは、「攻撃性」島群/低群×「他人への信頼」島群/低群と、「攻撃 性」島群/低群×「自分への信頼」島群/低群の組み合わせで行った。
「攻撃性」、「他人への信頼」での群分け ①「攻撃性」高・「他人への信頼」島群 ②「攻撃性」高・「他人への信頼」低群 ③「攻撃性」低・「他人への信頼」島群 ④「攻撃性」低・「他人への信頼」低群
の4群に協力者を分けた。各群の人数の内訳を表12に示す。そして郡ご とにTATのテーマをカテゴリーに分類した。協力者48名中10名(全体の 20%)のプロトコルについて、筆者と臨床心理学専攻の大学院生1名でス
コアリングした結果、一致率は86%であった。よって、ある程度の評定者 間信頼性があるとみなし、残りは筆者のみでスコアリングを行った。結果を 表13に示す。
まず図版3BMでは、③「攻撃性」低・「他人への信頼」島群は、大切な 人との関係の破綻に関するテーマ、つまり大切な人との死別や喧嘩に関する テーマが13人中5人(38%)で、①r攻撃性」高・r他人への信頼」島群が9
人中2人(22%)、②r攻撃性」高・「他人への信頼」低群が11人中2人(18%)、
④r攻撃性」低・r他人への信頼」低群が12人中2人(17%)であったの
に比べて多かった。
また、「攻撃性」低・「他人への信頼」島群では、日々の生活の過酷さ、問 題の人の元での苦しみに関するテーマ、つまり対人関係や仕事でのトラブル で、慢性的に人生に疲れているという物語を作った人はいなかった。
次に図版8BMでは、前景の人物が手術する人と関係づけられている物語、
つまり前景の人物が医者になるというようなテーマが、①「攻撃性」高・「他 人への信頼」島群では9人中3人(33%)、②r攻撃性」高・r他人への信頼」
低群では11人中2人(18%)、③「攻撃性」低・「他人への信頼」島群では 13人中6人(46%)、④「攻撃性」低・「他人への信頼」低群では12人中5 人(42%)であり、②の攻撃性が高く他人への信頼が低い群で最も少なく、
③の攻撃性が低く他人への信頼が高い群で最も多かった。
次に図版11では、①「攻撃性」高・「他人への信頼」島群は、物理的障 害、災害に関するテーマが8人中4人(50%)で、②「攻撃性」高・「他人 への信頼」低群が11人中O人(O%)、③r攻撃性」低・r他人への信頼」
島群が13人中1人(8%)、④「攻撃性」低・「他人への信頼」低群が12人 中1人(8%)であったのに比べて多かった。
次に図版18BMでは、中央の人物が向こう見ずな行為を止められている、
逮捕されているというテーマが、①「攻撃性」高・「他人への信頼」島群で は9人中1人(11%)、②「攻撃性」高・「他人への信頼」低群では11人中1 人(9%)、③r攻撃性」低・r他人への信頼」島群では13人中8人(66%)、
④「攻撃性」低・「他人への信頼」低群が12人中3人(25%)で、③の攻 撃性が低く他人への信頼が高い群で最も多く、攻撃性が高く他人への信頼が 低い群で最も少なかった。
また、③「攻撃性」低・「他人への信頼」島群は、人や幽霊に襲われる、
悪の道に引き込まれている(求められている)という物語を作った人は13
人中O人(O%)で、①「攻撃性」高・「他人への信頼」島群が9人中8人(89%)、
背後の手を介添、奉仕と捉えている物語は、「攻撃性」が低い2群にのみ
見られた。
最後に図版19では、家や船が危機にみまわれるというテーマ(自然の猛 威・影響あり)が、①「攻撃性」高・「他人への信頼」島群では9人中3人
(33%)、②r攻撃性」高・r他人への信頼」低群では11人中3人(27%)、
③「攻撃性」低・「他人への信頼」島群では13人中1人(8%)、④「攻撃 性」低・「他人への信頼」低群では12人中2人(17%)であり、③の攻撃 性低く他人への信頼が高い群で最も少なかった。
また、外は自然の厳しさがあるが家の中は安全というテーマ(自然の猛 威・影響なし)は、①r攻撃性」高・r他人への信頼」島群では9人中2人
(22%)、②「攻撃性」高・「他人への信頼」低群では11人中1人(9%)、③ r攻撃性」低・r他人への信頼」島群では13人中3人(23%)、④r攻撃性」
低・「他人への信頼」低群では12人中1人(8%)であり、①③の他人への 信頼が高い2群で多く、②④の他人への信頼の低い2群で少なかった。
表12「攻撃性」×「他人への信頼」群分けの人数の内訳 1 女
「攻撃性」高・「他人への信頼」高 1 1 8 一
「攻撃性」高・「他人への信頼」低
2 1 9
「攻撃性」低・「他人への信頼」高 2 11 11
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表13TATストーリーの比較(r攻撃性」×r他人への信頼」での群分け)
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「攻撃性」、「自分への信頼」での群分け ①「攻撃性」島群・r自分への信頼」島群 ②r攻撃性」島群・r自分への信頼」低群 ③r攻撃性」低群・r自分への信頼」島群 ④r攻撃性」低群・r自分への信頼」低群
の4群に協力者を分けた。各群の人数の内訳を表14に示す。女性におい て、「攻撃性」の高さと「自分への信頼」の低さには相関があったため、群
分けをすると人数に偏りが見られた。すなわちr攻撃性」高・r自分への信 頼」低群と「攻撃性」低・「自分への信頼」島群の合計が41人中32人(78%)
で、残り2群の合計が41人中13人(32%)であった。
そして郡ごとにTATのテーマをカテゴリーに分類した。協力者48名中
10名(全体の20%)のプロトコルについて、筆者と臨床心理学専攻の大学 院生1名でスコアリングした結果、一致率は84%であった。よって、ある 程度の評定者間信頼性があるとみなし、残りは筆者のみでスコアリングを行 った。結果を表15に示す。まず図版3BMでは、日々の生活の過酷さ、問題の人の元での苦しみとい うテーマ、つまり対人関係や仕事でのストレスによって慢性的に人生に疲れ ているというような物語を作った人が、①「攻撃性」高・「自分への信頼」
島群では7人中2人(29%)、②「攻撃性」高・「自分への信頼」低群では16 人中7人(44%)、③r攻撃性」低・r自分への信頼」島群では16人中2人
(13%)、④「攻撃性」低・「自分への信頼」低群では6人中2人(33%)
であり、②の攻撃性が高く自分への信頼が低い群で最も多く、③の攻撃性が 低く自分への信頼が高い群で最も少なかった。
また、自分の行為への後悔や能力のなさに対する悲嘆に関するテーマが、
①r攻撃性」高・r自分への信頼」島群では7人中2人(29%)、②r攻撃性」
高・r自分への信頼」低群では16人中2人(13%)、③r攻撃性」低・r自 分への信頼」島群では16人中4人(26%)、④r攻撃性」低・r自分への信
頼」低群では6人中1人(17%)であり、①③の自分への信頼が高い2群
で多く、②④の自分への信頼が低い2群で少なかった。撃性」が高い群の人は、死体解剖や人体実験をされる側の人と関係づけられ ている物語を作り(2人中2人)、r攻撃性」が低い群の人は死体解剖をする 側の人と関係づけられている物語を作った(2人中2人)。
次に図版11では、人間と動物が戦っている、襲われているというテーマ が、①「攻撃性」高・「自分への信頼」島群では7人中3人(43%)、②「攻 撃性」高・「自分への信頼」低群では16人中5人(31%)、③「攻撃性」低・
「自分への信頼」島群では16人中7人(44%)、④「攻撃性」低・「自分へ の信頼」低群では6人中1人(17%)であり、①③の自分への信頼が高い2 群で多く、②④の自分への信頼が高い2群で少なかった。
次に図版18BMでは、中央の人物が向こう見ずな行為を止められている、
逮捕されているというテーマが、①「攻撃性」高・「自分への信頼」島群で は7人中1人(14%)、②「攻撃性」高・r自分への信頼」低群では16人中1 人(6%)、③「攻撃性」低・「自分への信頼」島群では16人中9人(56%)、
④r攻撃性」低・r自分への信頼」低群では6人中2人(33%)であり、③ の攻撃性が低く自分への信頼が高い群で最も多く、②の攻撃性が高く、自分 への信頼が低い群で最も少なかった。
一方、人や幽霊に襲われている、悪の道に引き込まれている(求められて いる)、というテーマは、①「攻撃性」高・「自分への信頼」島群では7人中 4人(57%)、②r攻撃性」高・r自分への信頼」低群では16人中10人(63%)、
③「攻撃性」低・「自分への信頼」島群では16人中3人(19%)、④「攻撃 性」低・「自分への信頼」低群では6人中1人(17%)であり、①②の攻撃 性が高い群で多く、③④の攻撃性が低い群で少なかった。
また、心的体験として自由を奪われているというテーマは、①「攻撃性」
高・r自分への信頼」島群では7人中1人(14%)、②r攻撃性」高・r自分へ の信頼」低群では16人中4人(25%)、③「攻撃性」低・「自分への信頼」