4.2.2 5Qbit エラー検知と訂正
4.3 制御ゲート回路を用いたエラー訂正
4.3.6 Shor の 5Qbit エラー訂正回路の改良
4.3.4 より,Shor の 5Qbit のエラー訂正では,2Qbit のエラーが来た場合であっても,
1Qbitエラーのいずれかと同じ値が出力されてしまい,エラーを正しく検知,訂正できな
い.むしろ訂正前の状態よりもエラーを増大させてしまう.このことからは 2Qbit以下の 全てのエラーに対応させる.2Qbit以下のエラーとしてXi,Yi,Zi,XiXj,YiYj,ZiZj, XiYj,XiZj,YiZj(i̸=j)の105種類が考えられる.
表(B.1)より,2Qbitのエラーが来た際の交換反交換の対応が分かる.交換反交換の組み
合わせ一組に対して,エラー無し以外では1Qbitのエラーが1種類と2Qbitのエラーが6 種類出現する.また4.3.5よりエラー無しの時には1Qbit,2Qbitのエラー混入はない.
一度エラー訂正を行った後で,Shorの5Qbitエラー検知を行っても,4.3.5よりエラー 検知を行うことができない.そのため更なるエラー検知を行うためには,エラー訂正後に
Shorの5Qbitエラー検知以外の方法で,エラー検知を行う必要がある.量子ビットに対す
るユニタリ演算の性質である可逆演算が可能な点から,追加したエラー検知でエラーが出力 された場合には訂正前の状態に戻すという操作を行い,可能性のある2Qbitエラーを順番 に当て,エラー検知を行うという方法をとれば,最終的には2Qbitエラーの訂正を行うこと は可能である.しかしこの方法では,最初に行うShorの5Qbitエラー訂正を含めて最大7 回のエラー検知と訂正を行う必要がある.
制御ゲート3Qbitエラー検知回路を利用
ここではShorの5Qbitエラー訂正後の|F〉に対して制御ゲート3Qbitエラー検知回路 を2組用いてエラー検知を行い,エラー訂正が完了しているかどうかの確認を行う.制御
4.3 制御ゲート回路を用いたエラー訂正
ゲート回路3Qbitエラー検知回路2組を用いることで単純な多数決を行うことが出来る.こ
れは制御Notゲート5Qbitエラー検知と同等である.エラー訂正が完了していない場合に
はShorの5Qbitエラー検知結果の情報に加えて,制御ゲート3Qbitエラー検知の結果を用
い,さらなるエラー訂正を行う.1Qbitエラーであれば既にエラーは訂正されているため,
新たなエラーは検知されず,さらなるエラー訂正が行われることはない.制御ゲート 3Qbit エラー検知ではX フリップエラーしか検知を行うことはできない.しかし2Qbitのエラー の場合には表(B.1)で示される元々X,Y フリップエラーもしくはShorの5Qbitエラー訂 正の際に行われるXi,Yi 操作によって制御ゲート3Qbitエラー検知を行うとエラーが出力
される.Shorの5Qbitエラー検知の結果と,制御ゲート3Qbitエラー検知の値を用いると
表(B.2)より,2Qbitのエラーを検知することができる.この回路を図に示すと,図(4.17)
となる.図内の3Qbitエラー検知は制御ゲート3Qbitエラー検知回路を示す.
図4.17 制御ゲート5-3Qbit併用エラー検知回路
図(4.17)を用いてエラーが残存しているとわかった場合には,Shorの5Qbitエラー訂正
で行ったXi,Yi,Ziエラー訂正に対応する操作を対象ビットに対して行い,エラー訂正前の 状態に戻す.続いて制御ゲート5-3Qbit併用エラー検知の結果を用いて 2Qbitエラー訂正 を行う.この方法を用いたエラー訂正シミュレーションの結果を図(4.18),(4.19)に示す.
4.3 制御ゲート回路を用いたエラー訂正
図4.18 制御ゲート5-3Qbit 併用 エラー訂正Xフリップエラーのみ
図 4.19 制御ゲート 5-3Qbit併用 エラー訂正 X,Y,Z フリップエ ラー