2.3 測定体制についての検証
2.3.2 SPM についての検証
33
34 0
2 4 6 8 10 12 14 16 18
30-35 40-45 50-55 60-65 70-75 80-85 90-95 100-105 110-115 120-125 130-135 140-145 150-155 160-165 170-175 180-185
1997年度 2002年度 2004年度 2013年度 2017年度
度数(局)
濃度(μg/m3)
図32 自排局におけるSPM濃度2%除外値頻度分布
35 イ 局地汚染の捕捉状況
交差点、重層構造、掘割構造等の道路に設置された特殊沿道局は、自動車交通量が多 いこと、道路構造によって拡散が妨げられること等で、自動車排出ガスの影響を強く受 けやすく、通常の道路環境とは異なり大気汚染物質の濃度が高くなる傾向が過去にあっ た。
また、一般局のうち、湾岸地域の4局(中央区晴海、港区台場、品川区八潮、江戸川 区南葛西。以下ここでは「湾岸局」という。)では、臨海部の工場や船舶等の排気の影 響を受けやすいため、これらについても大気汚染物質の濃度が高くなる傾向が過去には 見られた。
そのため、現在の特殊沿道局及び湾岸局について、局地汚染の捕捉状況を検証した。
(ア)特殊沿道局における汚染状況
特殊沿道局における2%除外値の経年変化は図33のとおりである。2005(平成17) 年度以降、一般局とほぼ同じ濃度で推移しており、特殊沿道局で濃度がより高くなる といった局地汚染の状況は観測されていない。
0.00 0.02 0.04 0.06 0.08 0.10 0.12 0.14 0.16 0.18 0.20
1997(H 9) 1998(H10) 1999(H11) 2000(H12) 2001(H13) 2002(H14) 2003(H15) 2004(H16) 2005(H17) 2006(H18) 2007(H19) 2008(H20) 2009(H21) 2010(H22) 2011(H23) 2012(H24) 2013(H25) 2014(H26) 2015(H27) 2016(H28) 2017(H29)
三つ目通り辰巳 山手通り大阪橋 玉川通り上馬 甲州街道大原 中山道大和町 日比谷交差点 北品川交差点 中原口交差点 環七通り松原橋
SPM(2%除外値)濃度(mg/m3)
年度
図33 特殊沿道局におけるSPM濃度2%除外値経年変化
36
(イ)湾岸局における汚染状況
湾岸局における 2%除外値の経年変化は図 34 のとおりである。一般局とほぼ同じ 濃度で推移しており、湾岸局で濃度がより高くなるといった局地汚染の状況は観測さ れていない。
0.00 0.02 0.04 0.06 0.08 0.10 0.12 0.14 0.16 0.18 0.20
1997(H 9) 1998(H10) 1999(H11) 2000(H12) 2001(H13) 2002(H14) 2003(H15) 2004(H16) 2005(H17) 2006(H18) 2007(H19) 2008(H20) 2009(H21) 2010(H22) 2011(H23) 2012(H24) 2013(H25) 2014(H26) 2015(H27) 2016(H28) 2017(H29)
中央区晴海 港区台場
品川区八潮 江戸川区南葛西
一般局都最大 自排局都最大
SPM(2%除外値)濃度(mg/m3)
年度
図34 湾岸局におけるSPM濃度2%除外値経年変化
37 ウ 一般局と自排局の濃度差
一般局と自排局の 2%除外値の分布については図 35、年平均値の分布については図 36 のとおりである。1997(平成 9)年度については、一般局と自排局では分布が異な るが、2017(平成29)年度については分布がほぼ重なる。SPMについては、自排局の 測定結果も地域における濃度を反映しているためと考えられる。
注 階層の刻み幅:1997(平成9)年度は5 μg/m3、2017(平成29)年度は2 μg/m3とした。
注 階層の刻み幅:1997(平成9)年度は5 μg/m3、2017(平成29)年度は2 μg/m3とした。
0 2 4 6 8 10 12
28-30 30-32 32-34 34-36 36-38 38-40 40-42 42-44 44-46 46-48 48-50 80-85 85-90 90-95 95-100 100-105 105-110 110-115 115-120 120-125 125-130 130-135 135-140 140-145 145-150 150-155 155-160 160-165 165-170 170-175 175-180 180-185 185-
185-1997年度(一般局)
2017年度(一般局)
1997年度(自排局)
2017年度(自排局)
2%除外値 頻度分布 一般局・自排局比較
濃度(㎍/m3)
頻度(局)
0 5 10 15 20 25
12-14 14-16 16-18 18-20 20-22 22-24 24-26 26-28 28-30 30-35 35-40 40-45 45-50 50-55 55-60 60-65 65-70 70-75 75-80 80-85 85-90
1997年度(一般局)
2017年度(一般局)
1997年度(自排局)
2017年度(自排局)
年平均値 頻度分布 一般局・自排局比較
濃度(㎍/m3)
頻度(局)
図35 SPM濃度(2%除外値)の頻度分布の比較(1997(平成9)年度と2017(平成29)年度)
図36 SPM濃度(年平均値)の頻度分布の比較(1997(平成9)年度と2017(平成29)年度)
38
一般局と自排局について、2%除外値及び年平均値に大差がみられなくなった要因の 一つとして交通量の変化があげられる。
自排局については、1992(平成 4)年6 月「自動車排出ガス測定局の整備方針」(以 下「自排局整備方針」という。)に従い、表 6 に示す日交通量(大、中、小)及び表 7 に示す大型車混入率及び周辺建物状況(1群から6群)を基に、都心部、周辺区部、多 摩部の道路を54種類に類型化し、代表する道路に測定局を配置(沿道局)している。
表6 自排局整備方針に基づく日交通量の定義
日交通量 大 5万台以上
中 3万台以上5万台未満 小 3万台未満
表7 自排局整備方針に基づく群の定義
群 大型車混入率 周辺建物状況
1群 大(15%以上) 高層
2群 大(15%以上) 中低層密集 3群 大(15%以上) 中低層散在
4群 小(15%未満) 高層
5群 小(15%未満) 中低層密集 6群 小(15%未満) 中低層散在
2015(平成 27)年度全国道路・街路交通情勢調査(道路交通センサス)の結果によ れば、交通量の減少傾向が見られることから、日交通量の区分は「大」から「小」へと シフトしていることがうかがえる。また、大型車混入率が変化した道路もあるとみられ る。
39
(3) 測定局間濃度の日変動の類似性の調査
排出源の状態が比較的同等な過去 3年度(2015(平成 27)から2017(平成 29)年度 まで)の日平均値のデータを用いて、測定局間の類似性を調査した。
なお、過去 3 年間の東京の気象は、気温は「かなり高い」又は「平年並み」、降水量は
「多い」又は「平年並み」、日照時間は「かなり多い」又は「平年並み」であった(参考 資料18参照)。
ア 相関行列11による検証
測定局間の類似性を調査するため、各測定局における3年間の日平均値のデータから 相関係数を計算し、81局対81局の行列を作成した。
区部・多摩部において、一般局対一般局、自排局対自排局の相関係数は高い傾向がみ られるが、区部内及び多摩部内では一般局対自排局についても相関係数が高い傾向がみ られた。
イ 地域的特徴の検証
濃度の日変動の類似性が高い測定局が逐次的にまとめられていく状況を示す樹形図12 を作成し、図37に示す。縦軸の数値が小さいほど共通性が高いことから、適切にグル ープ分けできると考えられる6分割を採用した。
拡大図は参考資料19のとおり
グルーピングの結果、領域1は多摩部の丘陵地から台地の部分にかけて、領域2は武 蔵野台地中央部、領域3と領域6は区部の台地部分、領域4及び領域5は0メートル 地帯を含む低地部であり、かつ、東側と湾岸部に分割されていることで、地形の特徴と も附合がみられる。
11 ここでは濃度の時間変動に関する測定局間の相関係数の行列をいう。
12 濃度の時間変動の類似性が高い測定局が逐次的にまとめられていく状況を示す図をいう。
図37 SPM日平均値による樹形図(2015(平成27)年から2017(平成29)年の3ヵ年)
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以上のことから、濃度の日変動の類似性が高い測定局は、地域区分・地形の特性がみ られることが分かった。
今後は、次の点に留意して、検討していく必要がある。
(ア)地域区分、地形の特徴が現れている各領域の中で気象的条件等を考慮すること。
(イ)平均値・分散の検定結果を考慮すること。
(ウ)地域の中での測定局の密度を考慮すること。
(エ)他の測定項目との関係も考慮すること。
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