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GLOBAL DATASHEET Dolutegravir

2) SINGLE(ING114467)試験

本試験は、抗HIV薬による治療経験のない成人HIV感染症患者を対象に、本剤50 mg 1 日1回とアバカビル/ラミブジンの2剤配合剤(DTG+ABC/3TC群)又は非核酸系逆転写酵 素阻害剤(Non-Nucleoside Reverse Transcriptase Inhibitor:NNRTI)とNRTI 2剤の組合せであ るエファビレンツ/テノホビルジソプロキシルフマル酸塩/エムトリシタビンの3剤配合剤

(EFV/TDF/FTC群)を1日1回投与する第III相試験である。

その結果、主要評価項目である投与48週後のウイルス学的効果が認められた患者の割合 は、EFV/TDF/FTC群で81%、DTG+ABC/3TC群で88%であった。両群間の差1の95%信 頼区間の下限(2.5%)が非劣性マージンの下限(-10%)を上回ったことから、

DTG+ABC/3TC群のEFV/TDF/FTC群に対する非劣性が確認されるとともに、副次的解析に

おいて、95%信頼区間の下限(2.5%)が0%を上回っていたことから、DTG+ABC/3TC群の 優越性も確認された(p=0.003)(表1.8.2-2)。投与96週後のウイルス学的効果が認められ た患者の割合は、EFV/TDF/FTC群で72%、DTG+ABC/3TC群で80%であった。両群間の差

1の95%信頼区間の下限(2.3%)が非劣性マージンの下限(-10%)を上回ったことから、

DTG+ABC/3TC群のEFV/TDF/FTC群に対する非劣性が確認されるとともに、副次的解析に

おいて、95%信頼区間の下限(2.3%)が0%を上回っていたことから、投与96週後でも

1)コクラン・マンテル・ヘンツェル層別解析法に基づいて、試験開始時の層別因子で調整した。

DTG+ABC/3TC群の優越性が確認された(p=0.006)(表1.8.2-2)。また、試験開始時から 投与96週後までのCD4陽性リンパ球数の変化量(調整後の平均値1)は、

DTG+ABC/3TC群が+325 /mm3、EFV/TDF/FTC群が+281 /mm3であり、両群間の差は 44.0 /mm3であった(95%信頼区間:14.3~73.6 /mm3、p=0.004)。HIV RNA量が

50 copies/mL未満に至るまでに要した期間(中央値)は、DTG+ABC/3TC群で28日、

EFV/TDF/FTC群で84日であり、DTG+ABC/3TC群で有意に短縮した(p<0.0001)。

なお、有害事象の発現頻度はDTG+ABC/3TC群とEFV/TDF/FTC群でほぼ同程度であり、

DTG+ABC/3TC群はEFV/TDF/FTC群とおおむね同様の安全性及び忍容性を示した。

1.8.2-2 試験成績の要約(ING114467試験:Intent-to-treat exposed集団)

結果

ドルテグラビル50mg 11 +

アバカビル/ラミブジン1 (414例)

エファビレンツ/テノホビル/ エムトリシタビン2

11 (419例)

48 96 48 96

HIV-1 RNA量が50copies/mL未満 364(88%) 332(80%) 338(81%) 303(72%) 両群間の差3

(95%信頼区間)

7.4%

(2.5%, 12.3%)

8.0%

(2.3%, 13.8%)

ウイルス学的な治療失敗4 21例(5%) 31例(7%) 26例(6%) 33例(8%) 1)アバカビル600mg、ラミブジン300mgをエプジコム®配合錠として11回投与

2)エファビレンツ600mg、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩200mg、エムトリシタビン300mgAtripla®配合錠

として11回投与

3)ベースラインの層別因子により調整

4)ウイルス学的効果が不十分のため、投与48週又は96週後までに試験薬剤の投与を中止した症例、若しくは48 又は96週目にHIV-1 RNA量が50copies/mL以上であった症例

1.8.2.2.2. HIV薬による治療経験があり、かつHIVインテグラーゼ阻害剤の投与経験

のない成人HIV感染症患者を対象とした試験

抗HIV薬による治療経験があり、かつHIVインテグラーゼ阻害剤の投与経験のない成人 HIV感染症患者を対象とした二重盲検比較試験を実施し、本剤の有効性及び安全性を検討し た。

SAILINGING111762)試験

本試験は、抗HIV薬による治療経験があり、かつHIVインテグラーゼ阻害剤の投与経験 のない成人HIV感染症患者を対象に、背景療法を併用して、本剤50 mgを1日1回(DTG 群)又はRAL 400 mgを1日2回(RAL群)投与する第III相臨床試験である。

その結果、主要評価項目である投与48週後のウイルス学的効果が認められた患者の割合 は、RAL群では64%であったのに対してDTG群では71%であり、両群間の差1の95%信 頼区間の下限(0.7%)が非劣性マージンの下限(-12%)を上回ったことから、DTG群の

1)試験開始時の統計量を共変量として、反復測定モデルを用いて調整した。

RAL群に対する非劣性が確認された。また、副次的解析において、95%信頼区間の下限

(0.7%)が0%を上回っていたことから、DTG群の優越性も確認された(p=0.030)(表

1.8.2-3)。また、試験開始時から投与48週後までのCD4陽性リンパ球数の変化量(平均

値)は、DTG群が+162 /mm3、RAL群が+153 /mm3であった。さらに、治療によってインテ グラーゼ遺伝子に耐性が認められ、結果としてウイルス学的治療失敗となった患者数は、

RAL群において361例中17例(4.7%)であったのに対して、DTG群では354例中4例

(1.1%)であり、DTG群で有意に少なかった(p=0.003)。

なお、有害事象の内訳及び発現頻度はDTG群とRAL群でほぼ同様であり、DTG群は RAL群と同様の安全性及び忍容性を示した。

1.8.2-3 試験成績の要約(ING111762試験:Modified Intent-to-treat Efficacy集団)

結果

ドルテグラビル50mg 11 +

背景療法 (354例)1

ラルテグラビル400mg 12 +

背景療法 (361例)1

48 48

HIV-1 RNA量が50copies/mL未満 251例(71%) 230例(64%)

両群間の差2 (95%信頼区間)

7.4%

(0.7%, 14.2%)

ウイルス学的な治療失敗 71例(20%) 100例(28%) 1)1実施施設において、データ整合性のため4例が有効性解析から除外

2)ベースラインの層別因子により調整

1.8.2.2.3. HIVインテグラーゼ阻害剤に耐性を有する成人HIV感染症患者を対象とした

試験

HIVインテグラーゼ阻害剤に耐性を有する成人HIV感染症患者を対象としたオープンラ ベル試験を実施し、本剤のウイルス学的効果を検討した。

VIKING-3(ING112574)試験

本試験は、HIVインテグラーゼ阻害剤に耐性を有する成人HIV感染症患者を対象に、本

剤50 mgを1日2回投与する第III相試験である。本剤と併用する背景療法は、投与7日目

までは試験開始前からの治療法を継続したが、8日目以降は最適な背景療法を行った。対象 患者183例のうち133例で試験開始時にHIVインテグラーゼ阻害剤に対する耐性変異が認 められた。その他の50例には試験開始前にHIVインテグラーゼ阻害剤に対する耐性を示す 治療歴はあったが、試験開始時には耐性が確認されなかった。

主要評価項目である試験開始時から投与8日目までのHIV RNAの変化量(平均値)は -1.4 log10 copies/mL(95%信頼区間:-1.5~-1.3 log10 copies/mL)であり、試験開始時と比較 して有意に減少した(p<0.001)。HIV RNA変化量は、試験開始時に患者が有していたイン テグラーゼ耐性変異の種類及び数に関連し、変異が多いほどHIV RNA変化量は小さかった

(表1.8.2-4)。

1.8.2-4 投与8日目におけるHIVインテグラーゼ阻害剤に対する耐性変異ごとの ウイルス学的効果(ING112574試験:ウイルス学的アウトカム集団)

HIVインテグラーゼ

阻害剤に対する耐性変異 症例数

HIV RNAの変化量

(log10 copies/mL)

平均(標準偏差)

HIV RNA量が 1.0 log10以上減少 した症例の割合1

Q148H/K/R変異なし2 124 -1.60 (0.52) 92%

Q148及び二次変異31ヵ所 35 -1.18 (0.52) 71%

Q148及び二次変異32ヵ所以上 20 -0.92 (0.81) 45%

Data source: ING112574 [Week 24 (All Subjects Enrolled) Full CSR] Table 7.7, Table 12.106 1)投与8日目にHIV RNA量が50 copies/mL未満であった症例を含む

2)HIVインテグラーゼ阻害剤に対する耐性変異(N155H, Y143C/H/R, T66A, E92Q)もしくは試験開始前からHIV ンテグラーゼ阻害剤に対する耐性を示す治療歴のみがあった場合

3)G140A/C/S, E138A/K/T, L74I

データカットオフ時には、組入れ症例(183例)の全例が投与後24週を経過していた。

主要評価項目である投与24週後のウイルス学的効果が認められた患者の割合は、183例中 126例(69%)であり、114症例を対象とした中間解析での結果[63%;Week 24(Results of

114 Subjects)Full CSR]よりも高いウイルス学的効果を示した。Q148変異に加えて2ヵ所

以上の変異を有する患者では、投与24週後のウイルス学的効果が認められた患者の割合が 最も低下していたが、背景療法の感受性スコア(Overall Susceptibility Score:OSS)と投与 24週後でのウイルス学的効果との間に関連は認められなかった(表1.8.2-5)。

1.8.2-5 投与24週後におけるHIVインテグラーゼ阻害剤に対する耐性変異と

感受性スコアによる分類別のウイルス学的効果(50 copies/mL未満への低下)

(ING112574試験:ウイルス学的アウトカム集団)

HIVインテグラーゼ

阻害剤に対する耐性変異 OSS=0 OSS=1 OSS=2 OSS>2 合計 Q148H/K/R変異なし1 4/4 (100%) 35/40 (88%) 40/48 (83%) 17/22 (77%) 96/114 (84%) Q148及び

二次変異21ヵ所 2/2 (100%) 8/12 (67%) 10/17 (59%) - 20/31 (65%) Q148及び

二次変異22ヵ所以上 1/2 (50%) 2/11 (18%) 1/3 (33%) - 4/16 (25%) Data source: ING112574 [Week 24 (All Subjects Enrolled) Full CSR] Table 12.18

1)HIVインテグラーゼ阻害剤に対する耐性変異(N155H, Y143C/H/R, T66A, E92Q)もしくは試験開始前からHIVイン テグラーゼ阻害剤に対する耐性を示す治療歴のみがあった場合

2)G140A/C/S, E138A/K/T, L74I

OSS: 背景療法の感受性スコア(表現型及び遺伝子型耐性の合算)

投与24週後におけるウイルス学的効果は、試験開始時の患者背景(性別、人種及び年 齢)間で同等であった。また、試験開始時から投与24週後までのCD4陽性リンパ球数の変 化量(中央値)は+61 /mm3であった。

多剤併用投与というさらなる交絡因子が存在するにもかかわらず、本剤50 mgを1日2 回投与した場合の忍容性は良好であり、抗HIV薬による治療経験のない成人HIV感染症患 者を対象に本剤50 mgを1日1回投与したSPRING-2(ING113086)試験及びSINGLE

(ING114467)試験と同様の安全性を示した。

1.8.2.2.4. 効能・効果に関連する使用上の注意の設定根拠 1.8.2.2.4.1. HIV薬剤耐性検査

抗HIV薬による治療経験があり、かつHIVインテグラーゼ阻害剤の投与経験のない成人 HIV感染症患者を対象としたSAILING(ING111762)試験において、本剤が投与された患者

の1%(354例中4例)でHIVインテグラーゼ阻害剤に対する耐性が認められた。また、

HIVインテグラーゼ阻害剤に耐性を有する成人HIV感染症患者を対象としたVIKING-3

(ING112574)試験では、対象患者183例のうち133例が試験開始時にHIVインテグラーゼ 阻害剤に対する耐性が認められた。その他の50例には試験開始前にHIVインテグラーゼ阻 害剤に対する耐性を示す治療歴はあったが、試験開始時には耐性が確認されなかった。

以上のことから、本剤の投与に際してはHIV薬剤耐性検査の結果を参考にすることが適 当であると考え、効能・効果に関する使用上の注意として「本剤による治療にあたっては、

患者の治療歴及び可能な場合には薬剤耐性検査(遺伝子型解析あるいは表現型解析)を参考 にすること。」と記載した。