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第四章 S-D ロジックにおける「サービス」の再検討

第三節 S-D ロジックの「サービス」の超越性

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ド力を高めていくことは今後サービス研究者の重要な課題となりうる。また、サービ ス概念のブランドを高めていくによって実務界にも積極的な影響も期待できよう。

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自慢)を感じられることとなる。それだけではなく、消費者は、実際に有形的モノを 利用することで自身に何かのベネフィットがもたらされること最終的に目的としてお り、有形的モノの利用こそが、無形のベネフィットがはじめて実現するのだという。

そのような意味で、有形的モノは無形的モノを感じる道具であり、無形的精神性を感 じ、ベネフィットを実現する手段となるのである。

一方で、サービシィーズ業では、消費者の要望を満たすため、消費者に良いサービ シィーズを提供するために、有形的モノをも必ず利用する。たとえば、理髪店の理髪 師は技術だけでサービシィーズを提供できず、提供にははさみや鏡などの道具が必要 なのである。そのような意味で、無形的サービシィーズ自体は、有形的モノを通じて 自体を具象化させ、展開させる。

また、有形的モノとサービシィーズの共通点としては、ナレッジとスキルの適用で ある。企業は、消費者に製品を提供する場合であれ、サービシィーズを提供する場合 であれ、ナレッジとスキルの適用をどうしても必要になる。そのため、有形的モノと サービシィーズの共通点は、ナレッジとスキルの適用となるのである。

80年代から今日に至るまで、有形的モノとサービシィーズの相違点は、検討され続 けてきた。上記で紹介した視点では、消費者の体験に焦点を当て、モノとサービシィ ーズの区別は、不要となる。そうすると、このような捉え方は、G-D ロジック下の有 形的モノを基軸とする捉え方と明らかに相違しているのである。従来の提供物に焦点 を置く視点から消費者視点への転換は、新しいマーケティング・パラダイムへの変更 を促進する可能性が潜んでいるといえよう。

以上の三点により、消費者的体験と提供物の創造との二つの視点において有形的モ ノとサービシィーズは対立物などではなく、むしろ相互補完的関係であり、切っても 切り離せない密接の関係を有しているといえる。両方の組み合わせにより、共同的に 消費者への提供物が構成され、両方ともが消費者の体験に欠けない要素となるのであ ろう。

第二項 プロセスとしてのサービスと結果としての企業の提供物との本質上の 違い

サービスはナレッジとスキルを適用するプロセスであるのに対して、有形的モノと サービシィーズは、プロセスが行われた結果である。言い換えれば、プロセスとして

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のサービスは、企業の提供物と本質上の違いを有しているのである。

S-D ロジックにおける「サービス」は根本的に、抽象的なものごとであり、一種の現 象である。このようなサービス現象は、流動的であり、形を持たず、具現化できない 性質を有しており、まだ結果になっていない状態であるといえる。

一方で、有形的モノ(製品)とサービシィーズはこういう現象の下にその結果とし て創造され、サービスの結果と見なされるべきである。例えば、造られた製品もサー ビシィーズもそれぞれに具体的名称が名づけられ、創造物として限定される(冷蔵庫 や金融サービスなど)からである。

以上から、サービスを解釈する際に、財のサービシィーズとプロセスのサービスを 徹底的に区別する必要があるといえる。それらを区別するためには、明確的な言葉遣 いによる区別を優先すべきである。そこで、本論文では、プロセスとしてのサービス と提供物としてのサービシィーズという表記を採用する。

プロセスと提供物の表記を明確的に定めた結果、第二節で提示した問題点①と②を 解決することができる。

① プロセスとしてのサービスと提供物としてのサービシィーズを混同するところ。

② 行為、パフォーマンス、プロセスなどの全く意味性の違う用語が混ざりあってサー ビスを定義するところ。

第三項 S-D ロジックにおける「サービス」の「超越性」

S-D ロジックにおけるサービスは、創造された結果ではなく、まだ具現化されていな いプロセスである。そのため、仮に創造された結果としての有形的モノとサービシィ ーズを「実」と喩えれば、プロセスとしてのサービスは、既存の「実」を支える「虚」

となる。有形的モノとサービシィーズである「実」は「虚」の体現であると理解して もよかろう。

そこで、S-D ロジックにおける「サービス」自体は、具現化できない、一種の無形の 現象、無限な可能性が孕む(たとえば、提供物を創造するプロセスの中にさまざまな 資源を組み合わせ、各企業の資源の組み合わせの方法ややり方の相違により、たくさ んの可能性の結果が生み出される)などの特徴を有している。そのため、そこでは(具 現化されていない「虚」の質を指す)プロセスとしてのサービスの「超越性」の最大

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最後に先行研究を参考し(Vargo and Lusch の定義も参考に含めて)自分なりに「サ ービスの定義を提案してみたい。

Vargo and Lusch によるサービスとは、「他者あるいは自身のベネフィットのために、

行為、プロセス、パフォーマンスを通じて、専門化されたコンピタンス(ナレッジ や スキルといったオペラント資源)を適用することである」。

筆者は、サービスの定義を、以下のように定める:

サービスは、他者あるいは自身のベネフィットのために、ある時と場所において対 象物(自身、他者、所有物など)に対して専門化されたコンピタンス(ナレッジやス キルといったオペラント資源)を適用するプロセスである。その当該プロセスの結果 として、働く対象に望ましい転換が達成される。