3. 研究成果
3.4 経済性の最適化検討
3.4.2 RI・研究所等廃棄物対象処分施設の経済性評価
(1) 埋設施設の建設費の積算
建設費の積算は、「国土交通省 土木工事積算基準 平成15年度版」、「建設物価 平成16年1月号」等に基づくものとする。
積算項目は以下のとおりである。
・ トンネル構築工事(3段ベンチカット工法)
・ コンクリートピット構築工事
・ ベントナイト設置工事
・ 充てん材充てん工事
・ 埋め戻し工事
・ その他工事(残土処分、仮設工事、仮設経費、現場経費、一般管理費等)
なお、安全評価においては、コンクリートピットに止水等の機能を持たせず、吸着 バリアとしてのみ評価しているため、コンクリートピットの積算では、大型鋼製型枠
(ノンセパレータ工法)ではなく、通常の型枠、セパレータを使用するものとして積 算する。
また、ベントナイト工事については、圧縮ベントナイト(30cm×30cm×厚さ5cm)
を積み上げる方式とする。
(2) 受入検査施設等の建設費の積算
ここでは、廃棄体の受け入れから廃棄体定置までの一連の工程に必要な機器設備等に ついて積算する。積算項目は以下のとおりである。
地下設備として、
・ 廃棄体ハンドリング設備(廃棄体定置設備、廃棄体構内輸送設備等)
・ その他設備(充てん材充てん設備、排水処理設備等)
地上設備として、
・ 受入検査建屋
・ 構内輸送車両保管庫
JNC TJ8400 2003-084
‑139‑
・ 建屋内設備(廃棄体ハンドリング設備、換気空調設備、運転管理設備等)
(3) 操業費の積算
操業費の積算項目は以下のとおりである。
・ 維持保修費
・ 人件費
維持保修費とは、施設及び設備の維持補修に必要な費用であり、人件費は、廃棄体 の受け入れから定置までの一連の操業工程に必要な人件費である。
ここでは、類似施設の例を参考に、維持比率を地下設備と受入施設の建設費の1%
とする。また、人件費については、前節の検討結果より39人体制での操業を基本と する。
(4) 閉鎖費の積算
処分事業の最終段階においては、構築された施設・設備は解体・撤去される計画であ る。ここでは、類似施設の経済性評価例を参考に、閉鎖に必要な費用を地下設備と受入 施設の建設費の10%とする。
以上の積算結果を表 3.4.2-1に示す。
表 3.4.2-1によれば、基本ケース(廃棄物量=約3,490m3)の総額は約817億円である。
また、廃棄物1m3当たりのコストは、約2,340万円である。
なお、本検討の経済性評価の対象外とした項目は以下に示すとおりである。これらの項目 はサイト条件、安全審査からの要求度、税制度等に依存するものであり、現時点では不確定 要素が多いことからコスト算定の対象外とした。
・ 技術開発費(現位置での実証試験等)
・ 調査費(サイト選定、地質・水理調査、現位置試験等)
・ 地域振興、地域共生費
・ 許認可費(安全審査対応等)
・ 土地取得費
・ ユーティリティー費(電気等)
・ モニタリング費(操業中、閉鎖後)
・ その他(核燃料物質等取扱税、廃棄確認費、保険料、固定資産税、消費税等)
JNC TJ8400 2003-084
‑140‑
表 3.4.2-1 基本ケースの積算結果
項目 単位 数量 金額(百万円)
建設費 処分施設 トンネル建設工事 式 1 5,159
(1) アクセス坑道 式 1 1,846
(2) 作業坑道 式 1 1,293
(3) 処分坑道 式 1 2,020
ピット構築工事 式 1 795
ベントナイト設置工事 式 1 8,790
充てん材充てん工事 式 1 195
埋め戻し工事 式 1 1,494
(1) 処分坑道 式 1 578
(2) 作業坑道 式 1 342
(3) アクセス坑道 式 1 574
仮設工事及び仮設経費 式 1 10,262
地下設備 式 1 4,800
(1) 廃棄体ハンドリング設
備
式 1 2,500
(2) その他設備 式 1 2,300
小計 31,495
受入施設 受入建屋 式 1 15,500
構内輸送車両保管庫 式 1 100
建屋内設備 式 1 13,500
小計 29,100
建設費合計 60,595
操業費 維持保修 (30年×339百万円/年) 式 1 10,170
人件費 (1170年・人×6.4百万円/年) 式 1 7,488
小計 17,658
閉鎖費 解体撤去 式 1 3,400
合計 81,653
注)積算結果は推定値であり今後変化する可能性がある。
JNC TJ8400 2003-084
‑141‑