3. 研究成果
3.2 埋設施設形態の最適化検討
3.2.2 トンネル型埋設施設
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3.2.2 トンネル型埋設施設
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=1.3×4+1×2 = 7.2m
図 3.2.2-2にトンネル型埋設施設の水平断面図を示す。区画内には、1.3m容器廃棄体 が合計48体収納可能となる。
(3) 処分坑道の長さの設定
3.1.2の結果から、1.3m容器廃棄体とラックの発生量は合計で2729体である。1区
画あたり48廃棄体収納するため合計57区画の区画が必要となる。
1本の処分坑道に処分した場合には、次式に示すように緩衝材の外側の長さで 426.8m必要となる。
(処分坑道の長さ)= (区画の長さ)×(区画の必要合計数)
+(内部仕切り設備の厚さ)×(内部仕切り設備の設置数)
+(緩衝材の厚さ)×2
= 6.4×57+1×58+2×2=426.8m
更に処分坑道の両端には、充てん材の充填作業などに作業エリアとして30m必要と 考えれば、合計486.8m必要となる。1本の処分坑道で処分した場合経済性は有利とな るが、操業時の作業性の低下やトンネル掘削時の掘削時間が増加するなどの不利な面も 存在する。また本研究では岩盤の力学、水理学的不均質性については言及しないが、実 際の岩盤では局所的に力学的、水理学的に不利な(例えば岩盤強度の不足、高透水層の 存在など)領域が存在する場合もある。そのような場合、1本の処分坑道で処分した場 合には対応できない可能性がある。
表 3.2.2-1に一昨年度海外の代表的な低・中レベル地下処分場の処分坑道の長さを調 査した結果を示す。表 3.2.2-1より処分坑道の長さはおよそ300m未満で操業もしくは 計画されていることがわかる。
本検討では、複数の処分坑道を有する施設を海外の事例にならい設定する。1本の処 分坑道で処分した場合には、処分坑道の長さは両端の作業エリアを含めて486.8mであ ることから、埋設施設を2本の処分坑道で構成すれば300m未満となる。ここでは埋 設設備をそれぞれ28区画、29区画含む2本の処分坑道を配置する。処分坑道の配置図 を図 3.2.2-3に示す。
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それぞれの処分坑道の長さは、両端の作業エリアを含めて以下のようになる。
① 埋設設備28区画配置
(処分坑道の長さ)=6.4×28+1×29+2×2+30×2=272.2m
② 埋設設備29区画配置
(処分坑道の長さ)=6.4×29+1×30+2×2+30×2=279.6m
表 3.2.2-1 海外の代表的な低・中レベル地下処分場の処分空洞の長さ調査結果 国 名 処分場名 トンネル長さ 備 考
SFR 160m 操業中
SFL3 80m SFL4 500m(注)
スウェーデン
SFL5 130m
計画中
フィンランド Lovisa 100m 操業中
ドイツ KONRAD 数百m
(最長 800m) 計画中
スイス Wellenberg 300m未満 計画見直し
(注) SFL4は、SFL3とSFL5の連絡坑道の役割も担っている。
(4) 処分坑道の離間距離
(3)より本検討では2本の処分坑道で処分施設を構成する。複数の処分坑道の離間 距離に関しては、力学的安定性だけではなく、放射性廃棄物の処分施設であることから 水理、熱などの要件からも決定される。後者の要件については、「RI・研究所等廃棄物 余裕深度処分施設の概念設計Ⅱ」において熱影響が検討されており、廃棄物によっては 局所的な高温部が生じる可能性を示唆しているものの、そのような廃棄物については一 箇所にまとめて定置せず、処分坑道内に散在させて定置することにより処分施設への影 響は小さいとしている。水理的な要件に関しては、施設内への地下水流入量の増加が考 えられるが、現状においては知見がない。しかし処分施設の周囲に坑道周辺の岩盤より も十分低透水性の緩衝材が設置される場合においては、地下水は岩盤中に選択的に流れ るため坑道の離間距離が施設内への地下水流入量に与える影響は小さいと考えられる。
本検討では、空洞の安定性の観点から類似の地下空洞施設に関する指針・基準を参考
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に坑道の離間距離を設定する。トンネル型埋設施設と同様な空洞形状に地下石油備蓄タ ンクがある。複数の空洞の併設となる岩盤タンクの離間距離は、空洞間の力学的相互作 用の低減および空洞間での貯蔵内溶液の移流防止を目的として決定される。
岩盤タンクの離間距離に関する指針は、消防法「岩盤タンクに係る屋外タンク貯蔵所 の規制に関する運用基準等について」に示されており、以下に示す値L以上の距離を 確保する。
2 1 2 2 1 1
4 B H R R H
L = B + + + + +
ここで、L1:確保すべき距離(当該岩盤タンクの空間の内壁面から隣接する空間の内 壁面までの距離)
B1:当該空間の内壁面の最大幅 H1:当該空間の内壁面の最大高さ B2:隣接する空間の内壁面の最大幅 H2:隣接する空間の内壁面の最大高さ
R1:当該空間を構成する岩盤のゆるみ領域の幅 R2:隣接する空間を構成する岩盤のゆるみ領域の幅
上式において、内壁面の最大幅が等しく、内壁面の最大高さが等しい2本の坑道を対象 とする。図 3.2.2-1より内壁面の最大幅と最大高さもほぼ等しいため、右辺の第1項は 坑道の処分坑道の直径に等しくなる。処分坑道のゆるみ域の幅に関しては明らかではな い。本研究で前提とする岩盤は、力学的強度としては低い岩盤であることから、ゆるみ 域の幅についても大き目に設定する。そこで上式においてR1、R2を5mと仮定すると 確保すべき距離L1は約28mとなる。本研究では処分坑道の離間距離として28mを設 定する。
(5) アクセス坑道と作業坑道
・アクセス坑道
アクセス坑道とは、地上から処分坑道をつなぐ斜坑のことである。アクセス坑道では、
廃棄体輸送車両とトンネル建設用車両が通行する。ここでは廃棄体輸送車両がすれ違う
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ことを想定して、アクセス坑道の寸法を設定する。
前年度までの検討により廃棄体輸送車両の寸法は、幅3.2m×長さ10.18m×高さ 3.6mである。ただし高さは廃棄体の構内輸送容器を積んだ場合の高さである。廃棄体 輸送車両の離れ(中央分離帯に相当)を0.8m、トンネル壁との離れをそれぞれ0.8m とすれば、アクセス坑道の幅は8.8mとなる。この幅で廃棄体輸送車両2台が通れるよ うにするためには高さが6.7m必要となる。
またアクセス坑道の勾配は道路構造令の最大勾配より6%とし、車両の逸走防止を考 慮して、斜路部120m+水平部10mの構成とする。また、地表面部分は、トンネル構 造にできないため、地表面から約250m(GL-14.4m)までは、U型擁壁及びボックス カルバート構造とする。したがって、トンネル型埋設施設の設置深度をG.L.-50mとす ると、処分坑道の高さが18.1mであることから、アクセス坑道の長さは約1,135m必 要となる。
なお、建設用車両と廃棄体構内輸送車両のアクセス坑道を分離することも考えられる が、廃棄体の運搬頻度が低いことからここではアクセス坑道は1本とする。図 3.2.2-4 にアクセス坑道の垂直断面図を示す。
・作業坑道
作業坑道とは、処分坑道の周囲に設置されアクセス坑道と処分坑道を結ぶトンネルで ある。本設計では、廃棄体構内輸送車両から埋設クレーンへの廃棄体の積み替えを処分 坑道内で行うこととする。このため作業坑道の寸法はアクセス坑道と同様でよい。した がって、作業坑道の断面寸法は、アクセス坑道と同様に幅8.8m×高さ6.7mとする(垂 直断面図については、アクセス坑道と同様であるため図 3.2.2-4参照)。
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18.0m
18.1m
2m
2m
吹き付けコンクリート
0.39m
クレーン設置位置
三心円トンネル、スパン18m、廃棄体4行×4段積み
設定条件
トンネル形状:三心円トンネル 廃棄体容器 1.3m×1.3m×1.3m トラニオンのつめ 0.12m
廃棄体容器と廃棄体容器の間隔 0.39m 緩衝材の厚さ2m
コンクリートピット厚さ1m
低拡散層厚さ:水平方向1.1m、垂直方向1.0m 緩衝材
低拡散層 コンクリートピット
廃棄体
図 3.2.2-1 処分施設の垂直断面図(トンネル型埋設施設)
‑39‑ 8.57m14.57m 1.00m1.00m2.00m2.00m
18.00m
吹き付けコンクリート 埋め戻し土
緩衝材 t=2m
廃棄体(1m3容器:1.3m×1.3m×1.3m)
低拡散層(充てん材:水平方向t=1.1m、垂直方向t=1.0m)
コンクリートピット t=1m
6.40m
図 3.2.2-2 処分施設の水平断面図(トンネル型埋設施設)
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‑40‑ 28m28m28m28m30m30m30m30m 28ピット
28ピット28ピット 28ピット 29ピット 29ピット29ピット 29ピット
212.2m 212.2m 212.2m
212.2m 30m30m30m30m
30m 30m30m
30m 219.6m219.6m219.6m219.6m 30m30m30m30m
作業エリア
図 3.2.2-3 処分施設平面配置図(トンネル型埋設施設)
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6.7m
8.8m
0.8m 3.2m 0.8m 3.2m 0.8m
3.6m
アクセス坑道、作業坑道の掘削面
廃棄体輸送車両(構内輸送容器積載)
W3.2m×L10.18m×H3.6m
図 3.2.2-4 アクセス坑道、作業坑道の垂直断面図
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