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RFID ミドルウェア

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62 (1) RFID 関連のミドルウェアとして必要な機能

必要とされる主な機能は下記の通りです。つまり RFID のシステムを作ろうと思ったとき に以下の機能がミドルウェアとして実装されており、アプリケーション開発者がこれらを 意識せずに開発できるようになることが必要です。これらが整備されて初めて RFID は現在 のバーコードと同じように誰でも扱えるようになります。

表 11 RFID システムを開発する上で必要な機能

必要な機能 説明

RFID と問い合わせ機(リーダ、

ライタ)との間のエアインター フェイス

RFID との空中インターフェイス 18000-63に準拠し たコマンドを実現することが必要。通常機器メー カの API として提供されます。

RFID へのデータの変換(エンコ

ード) 識別子などの文字列を RFID の企画に沿って圧縮変 換する機能。EPC はバイナリに、ISO は6ビットア スキーに変換します。

RFID から読み込んだデータの復

元(デコード) RFID に書かれた内容を人間が可読可能な文字列に 戻します。

RFID 機器の管理(デバイスマネ

ージメント) SNMP など、通常の OA 機器として正常に動いている かどうかのチェック。

ビットマスク RFID のある特定のビット列を指定して、読み飛ば す機能。

アンチコリジョン RFID とリーダの間で、情報が衝突しないための機 重複フィルタ 能。 通常RFID リーダは、セッションフラグなどのエア インターフェイス条件にもよりますが、一定期間 に何度も同じ RFID を読むことが出来ます。同じ RFID のデータをカットして、1つだけをホストシ ステムに送る機能。

高度なフィルタ 加えて、動いている RFID のみ読み込む機能や、読 み込んだ回数の一番多いものだけを採用するな ど、高度なフィルタ

上位システム(クラス)へのデ ータ接続用変換(ホストとのイ ンターフェイス)

ISO であれば、15961 で規定されている OID(ASN1) や DI セット(15434)。

GS1 で あれ ば ALE の ECReports や EPCIS の QueryInterface あるいは AI セット。

その他(論理リーダの設定):

GS1 のみ GS1 が物理リーダに検品用リーダとか、入荷受け付 け用リーダなど特定の業務により割り付けた、論 理的なリーダ識別。

63 (2) ミドルウェアの現状の課題

実際に RFIDを使ったシステムを開発実行する環境というのは下のような形態が多いと思 われます。

図 62 RFID 開発実行環境

まずほとんどが上の図のベンダ提供の開発キットで作成していると思われます。

このベンダ提供の開発キットを使ううえでの問題点は、次の点が考えられます。

・ベンダ毎にコマンドが区々(LLRP 実装機を除く)であるので、機種変更を行うと、開発 をし直す必要がある。

・エンコード・デコードの規則が最新の国際標準に対応していない。

(しかもかなり以前の EPCglobal の仕様にのみ対応しているので新しい EPC に対応出来な い)

・ISO の様式に対応していない

・PC など RFIDのディレクトリをセットするようなコマンドを実装していない(従って、暗 黙のうちにすべての RFIDが EPC になり、非EPC のプライベートコードが誕生する)

・USER に対応していない。DSFID やPrecursor のパラメータがセット出来ない。エンコー ド・デコードも出来ない。

残念ながら現時点で、今まで述べてきたような ISO、GS1双方のタグが同時に読め、これ らから収集したデータを必要なものだけホストとのやりとりのできるミドルウェアという

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ものは存在していません。市販のミドルウェアは製品毎に違ってきますが、最新の規格に つねに対応している製品ばかりとは限りません。市販ではなくオープンソースのミドルウ ェアも存在しますが、これも最新の規格に対応しているとは限らず、開発者がソースを修 正してしまうと、そのオープンソースのアップグレードに対応できなくなるという問題が あります。

(3) ミドルウェアの構成

ミドルウェアとは、RFID から読み込まれた(書き込んだ)内容を、実際のシステムが使 えるようにして重複したり不要なデータをフィルタリングしてホストに渡すものです。バ ーコードの場合、多くはデバイスドライバという形で、われわれシステム使用者にとって はあたかもキーボードから入力したかのように扱えます。Code128のような複雑なバーコー ドも簡単なパースをすれば、そのまま使えます。しかるに現時点では RFID については、用 途に応じて、RFID 用のミドルウェアを組み合わせて使用する必要があります。RFID がさら に進展して、バーコードと同様な使い方が出来るようになるには、RFID のミドルウェアも ブラックボックスになることが望ましいのですが、現在の技術水準ではミドルウェアを意 識したシステム設計が必須となります。また、RFID を導入してうまくいかないケースは、

このようなミドルウェアや RFID自体の特性を熟知していないSEが担当することでミドル ウェアの正確な理解がないままシステム開発を行った結果、効率が上がらないシステムと なるケースがままあります。

図 63 バーコードと RFID のミドルウェアの違い

ミドルウェア

バーコードの場合、システム開発者はバーコードのミドルウェアを意識せずに開発出来る。

ブラックボックス

現時点でRFIDはミドルウェアをブラ ックボックスのようには開発出来ない

65 (4) ミドルウェアの必要性とあるべき姿

現在、物流や流通系で広く使われているバーコードは、システムの SE やユーザはバーコ ードミドルウェアが存在することを意識せず、ソフトウェアを構築しています。しかるに RFID の場合、現時点では RFID のミドルウェアの仕組みやバージョンを注意しなければ、正 しいシステムができあがりません。また現在入手可能なミドルウェアは、先行して普及し ている GS1(EPC)を対象としているものがほとんどです。

そのため、今後多くの荷主が RFID を導入して物流効率化を図っていくためには、通常の業 務アプリを担当する SE やプロジェクトマネージャが、バーコードも、RFID も、ISO も GS1 も同じように扱えるようにベンダに要求すること、またベンダはミドルウェアを充実させ て、荷主が RFID のミドルウェアを意識せずにシステム構築できるようなインフラを整備す ることが重要になります。図 64にミドルウェアのあるべき姿を提示しています。

図 64 ミドルウェアのあるべき姿

上の図のように、さまざまな様式のデータキャリアが混在しても、業務システムはこれ らの違いを意識せず業務のプロセスに専念できる環境です。

ミド ルウ ェア

単一のインター フェイスでデー タキャリアを意 識しなくて良い。

現実の世界ではバーコード、2次元シ ンボル、RFID等が混在する。

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今 RFID 関連のミドルウェアとしては、次のようなものが必要です。下表は ISO、GS1 双 方のミドルウェアを比較的同じレベルに整理したものです。

表 12 ミドルウェアに関した規格・標準

階層 GS1 ISO

I/F EDI(データ交換) EDI(GS1 ECOM等)

ホストシステムとの接続 TDT、EPCIS、ALE ISO/IEC 15961

可視化基盤 EPCIS - 注1(ISO 化検討中)

キャ プ チ ャ

アドレス解決 ONS Discovery -(ONS は ISO 化検討中)

フィルタリング、レポー ト

ALE ISO/IEC 24791-2注2

エンコード・デコード TDT TDS ISO/IEC 15962注2 リーダ管理 LLRP RM DCI ISO/IEC 24791-3、5 注

2 識別 タグとのインターフェイ

ISO/IEC 18000-63(C1G2)

注1:EPCIS に ISO を投入することは可能 また、ISO 化を検討中 注2 それぞれの GS1 標準に ISO タグを投入するための規格

つぎから個々のミドルウェアの概要について説明します。

(5) 識別:リーダライタ管理

18000-63のリーダライタと RFID とのやりとり、リーダライタの物理的管理などを司るミ ドルウェアが必要です、下位レベルの RFID とのインターフェイス部分に関しては、GS1、

ISO とも同じエアインターフェイスとなっています。現在提供ベンダ固有のものと、標準と しては GS1 のLLRP とこれに対応した ISO の規格があります。いずれにせよ、各リーダライ タベンダ固有のコマンドで制御するのではなく、ソフトウェアの変更をせずにハードウェ アが切り替えられるような汎用的な管理ミドルウェアが必要となります。

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(6) キャプチャ:フィルタリングとエンコード・デコード、レポーティング

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