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2.作業台領域

—使い捨て式の吸収剤を敷いた漏出受けトレーを用いる。

—放射性核種の量を制約する。

—放射、作業台、放射性廃棄物各領域では、放射線源は遮蔽する。

—放射性材料容器には、放射性核種、放射線量、測定日付等を記入した放射線標識を標示する。

—作業終了後、放射線量計で作業領域、保護衣、手指の放射能を測定し、追跡監視する。

3.放射性廃棄物領域

—放射性廃棄物は、作業領域から頻繁に除去する。

—放射性物質の使用と処理は正確に記録し、保管する。

—線量測定記録を精査し、線量制限を超過している物質を検出する。

—緊急時対応計画を策定し、実践すると共に定期的に訓練を行う。

—緊急事態発生時は、負傷者の介護を先ず行う。

—汚染領域は徹底的に清掃する。

—可能ならば、安全管理事務局の助けを求める。

—事態発生報告書を作製し保存する。

第 Ⅶ

安全組織と訓練

19.バイオセーフティ管理者とバイオセーフティ委員会

 それぞれの実験室組織が幅広い安全についてのポリシー、安全マニュアル、実行にあたっての支援プログラ ムを持つことが必須である。通常、研究所または実験室の管理者または長にこの責任があり、バイオセーフティ 管理者または他の適切な職員へ一定の職務を委任する。

 実験室安全はまた全ての管理者、実験室職員の責任であり、個々の作業者は自身の安全と共同作業者の安全 について責任がある。職員は安全に仕事をするよう期待されており、いかなる安全でない行為、状況または出 来事についても管理者に報告しなくてはならない。内部または外部の人員による定期的な安全監査が望ましい。

バイオセーフティ管理者

 バイオセーフティポリシーとプログラムが実験室全体に首尾一貫して行われることを確実にするため、可能 な限りバイオセーフティ管理者を任命しておかなくてはならない。バイオセーフティ管理者は所長または実験 室長を代表してこれらの義務を実行する。小さな単位においては、バイオセーフティ管理者は微生物学者また は技術職員の一員が、非常勤で、職務を明確に規定され、これらの義務を果たしていく。バイオセーフティへの 関わり合いの程度がどんなであっても、任命された者は適切な生物封じ込め、バイオセーフティの手順に伴う 特定の活動について示唆し、評価し、認可するのに必要な専門的な能力を持たなくてはならない。バイオセー フティ管理者は実験室の標準操作法策定を助けると共に、関連した国内および国際規則、規制、ガイドライン を適用して、管理する。任命された者は微生物学、生化学および基礎物理学、生物科学の技術的経歴を持ってい なければならない。封じ込め機器を含む実験室と臨床的作業習慣、安全について、および施設の設計、運転と保 守に関連する技術的原理についての知識があることが高度に望まれる。バイオセーフティ管理者は管理職員、

技術職員、補助職員と効果的に交信し合うこともできなくてはならない。

 バイオセーフティ管理者の活動にはつぎのものを含むべきである。

1.バイオセーフティ、バイオセキュリティ、技術的順守状況についての相談に応ずる。

2.技術的な方法、手順、プロトコール、病原体、材料と機器に関する定期的な内部バイオセーフティ監査。

3.バイオセーフティプロトコールまたは手順の違反について適切な人との議論。

4.すべての職員が適切なバイオセーフティ訓練を受けた事の認証。

5.バイオセーフティの継続的教育の提供。

6.感染性または毒性の可能性のある物質が漏出した可能性のある事故を調査し、実験室管理者とバイオセー フティ委員会へ得られた知見と勧告を報告する。

8.感染性物質の漏出やその他の事故に対し適正な汚染除去を確実にする。

9.適正な廃棄物管理を確実にする。

10.どんな装置についても修理や保守点検の前に適切な汚染除去がなされている事を確実にする。

11.健康や環境への配慮についての地域社会の考えを知り、維持すること。

12.国内の規則に従い、実験室へまたは実験室からの病原体の輸入または輸出の適切な手続きの確立。

13.感染性病原体を扱う全ての研究作業の計画、プロトコール、操作法を仕事が行われる前にバイオセーフティ の観点から点検する。

14.緊急事態に対処するシステムを設ける。

バイオセーフティ委員会

 バイオセーフティ委員会を設置し、機関内のバイオセーフティポリシーと各種業務規範を策定させる。バイ オセーフティ委員会は感染性病原体、動物の使用、組換え DNA と遺伝子改変材料を伴う作業についての研究 プロトコールの審査も担当する。委員会はその他の機能としてリスク評価、新たな安全ポリシーの策定、安全 に対する論議の調停も担当する。

 バイオセーフティ委員会の委員構成は科学的専門知識と共に、組織の多様な職業的領域を反映しなくてはな らない。基本的なバイオセーフティ委員会は以下の構成員を含む。

1.バイオセーフティ管理者 2.科学者

3.医療職員

4.獣医師(動物の仕事が行われる場合)

5.技術職員の代表者 6.実験室管理の代表者。

 バイオセーフティ委員会は異なった部門や専門 ( 例えば放射線防護、産業安全、火災防止など ) の安全管理者 の助言を求めるべきであると共に、必要があれば何時でも地域社会代表を委員に入れる事も、多くの関連分野、

地方当局、国の規制機関の研究機関とは独立の専門家に助力を求めるべきである。もし討議されている特別に 論議のある、または取り扱いに慎重を要する案件がある場合には役に立つであろう。

20.補助職員の安全

 実験室の安全と最高度の運営は大いに補助職員に依存しており、そのような職員が適切な安全訓練を受けて いることは必須である。

設備および建物の維持管理業務

 構造、施設、機器の保守や修理を行う熟練した技師と職人は実験室作業の性質、安全規則と方法についてあ る程度の知識を持つべきである。

 保守点検後の装置の試験、例えば、新規にフィルターを付けた後の生物学的安全キャビネットの性能試験は バイオセーフティ管理者が、または管理者の監督下に行うようにする。

 内部の技術管理、保守点検担当部門を持たない実験室または研究機関は地元の保守点検業者とよい関係を確 立し、実験室の機器と作業に習熟させるべきである。

 技術管理職員、保守点検職員はバイオセーフティ管理者ないし実験室監督者による許可を得た上で、その監 督下にのみ BSL3 または BSL4 実験室に立入るのでなくてはならない。

屋内清掃業務

 BSL3、BSL4 実験室の清掃は実験者が行わなければならない。清掃職員は BSL3 または BSL4 実験室にはバ イオセーフティ管理者ないし実験室監督者による許可を得た上で、その監督下にのみ立入るのでなくてはなら ない。

21.訓練プログラム

 持続的な、作業中の安全訓練プログラムが実験室職員と補助職員に安全を意識し続けさせるのに必須である。

実験室監督者はバイオセーフティ管理者と他の人材の助けにより、職員訓練に中心的な役割を果たす。バイオ セーフティ訓練、全ての安全と健康訓練の有効性は実に管理部門の参画、動機づけ要因、適切な最初の職業訓練、

良好なコミュニケーション、究極的には機関の目標と目的の設定に依存しているのである。以下が効果的なバ イオセーフティ訓練プログラムの枢要な要素である。

1.必要性の評価 この過程は関係する仕事、重要性の順番 ( 頻度、枢要性、複雑さに関して )、それらを達成 するのに必要な各段階の詳細を明らかとすることである。

2.訓練目標の確立 これらは訓練を受けた人が訓練後、作業中に実際にみせることが期待される観察可能な 行動である。目標は、ある活動または行動が行われるときの条件と要求される熟達のレベルを自覚するこ とである。

3.訓練内容と手段の明確化 内容は訓練を受ける人が行動目標にあうようにできるよう修得しなければなら ない知識または技能である。仕事と仕事に要求されるものを知る者がバイオセーフティ訓練プログラムの 内容を規定するのが最もよい。その他の取り組み方とは、問題解決実習の成果、または技能を使って起こ した誤りを正す学習法の設計に焦点をあてる等がある。どの教え方 ( 講義、テレビでの教育、コンピュータ での教育、相互作用ビデオ、等 ) が他の物より優れているかは明らかでない。多くは明確な訓練の必要性、

訓練を受ける人のグループの構成等によって決るものである。

4.個々人の学習の差異についての考慮 効果的な訓練は、訓練を受ける人の性質または属性を考慮に入れな ければならない。個々人とグループは素質、読み書きの能力、文化、話し言葉、事前訓練の技能レベルで異 なっている。訓練を受ける人によって訓練プログラムがどのように彼らの業務能力または個人的安全の改 善点から受取られるかということが用いられる取り組み方を規定する。ある者はより視覚的または「実地 の」学び手である。他の者は書かれた物から良く学ぶ。聴覚障害者へのコースへの改変のように、被雇用 者の特別な必要にも対応しなければならない。これらの要素に考慮することに加え、いかなる安全訓練プ ログラムもそれを開発する者が成人の学習の原理に精通するようになっていることが勧告される。

5.学習条件の明確化 教育行事に当って ( 例えば訓練コース、ビデオテープ、文書、等 ) は技能の習得または 教えられるトピックに矛盾したり、それを阻害すべきでないし、または無関係な内容のものであってはな らない。例えば、もし教育の意図が問題解決技術の能力開発であるならば、教育的取り組み方は機械的暗 記より思考 / 理性的対応を強調すべきである。提供される教育は生産的な行動ないし適切なフィードバッ

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