ABSL 3

ABSL 4

立ち入り制限、保護衣および手袋

ABSL 1 の作業原則に加えて:災害警告標識。エアロゾルを発生 する全作業にクラスⅠまたはクラスⅡ BSC。洗浄前に廃棄物お よび飼育ケージの汚染除去。

ABSL 2 の作業原則に加えて:立ち入り管理。全ての作業にBS Cおよび特別保護衣。

ABSL 3 の作業原則に加えて:厳格な立ち入り制限。入室前の更 衣、クラスⅢのBSCまたは陽圧宇宙服。退出時のシャワー。施 設から搬出する前に全廃棄物の汚染除去。

ABSL, 実験動物施設バイオセーフティレベル(animal facility Biosafety Level) ; BSC, 生物学的安全キャビネット(biological safety cabinet)

3.当該動物の人獣共通感染症に対する感受性 4.アレルゲン散布の可能性。

 実験室の場合と同様に、設計の特徴、機器、注意事項に求められる基準が、動物バイオセーフティレベルに従っ て、その厳しさを増す。下記に示し、表4に要約する。これらの指針は累加方式で形成され、上位レベルは下位 レベルの基準を組み入れ、これに追加する事で成立する。

動物施設 −バイオセーフティレベル1

 本施設は、検疫後(ヒト以外の霊長類を除く、霊長類については国の当局に相談すること)のほとんどの飼 育動物およびリスク群1に属する病原体を故意に接種された動物の維持に適している。微生物実験技術(GMT)

を必要とする。動物施設担当管理者が、全ての操作および動物施設への立ち入りに関する方針、手続きおよび 手順を確立しなくてはならない。職員に対する適切な健康管理プログラムを制定する。安全ないし操作マニュ アルを作成し実施しなくてはならない。

動物施設 −バイオセーフティレベル 2

 本施設は、リスク群2に属する病原体を故意に接種された動物を扱う作業に適している。次ような注意事項 を適用する:

1.実験動物施設−バイオセーフティ1に対する全ての条件を満たさなくてはならない。

2.バイオハザードの警告標識(図1参照)をドアおよびその他の適当な場所に掲示しなくてはならない。

3.施設は清掃および日常の維持管理が容易にできる設計になっていなくてはならない。

4.ドアは内開きで、自動閉鎖式としなくてはならない。

5.暖房、換気、照明が適切でなくてはならない。

6.機械的換気を設ける場合は、気流は室内向きでなくてはならない。排気は、実験室の外に排出し、建物内の いかなる場所にも再還流させてはならない。

7.立ち入りは認可された者のみに限られる。

8.実験に使用するもの以外いかなる動物も立ち入ってはならない。

9.節足動物およびネズミ族予防プログラムを実施していなくてはならない。

10.窓がある場合は堅牢で破壊されないもので、開けられる構造の場合は、節足動物の侵入防止網戸を取り付 けなくてはならない。

11.使用後、作業台の表面は、有効な消毒薬で汚染除去しなくてはならない(第 14 章参照)。

12.専用の給気系および HEPA フィルター排気系を有する生物学的安全キャビネット(クラスⅠまたはⅡ)また

13.実験動物施設内または近くの適当な場所にオートクレーブを設置しなければならない。

14.動物の敷藁はエアロゾルやほこりの発生を最少限にとどめる方法で除去しなくてはならない。

15.全ての廃棄物と敷藁は廃棄前に汚染除去しなければならない。

16.鋭利な器具の使用はできる限り制約するようにしなくてはならない。鋭尖物品は、常に蓋付きの、貫通し ない、ないし抵抗性材質の容器に集め、感染性物質として扱わなくてはならない。

17.オートクレーブや焼却処理する物は、密閉容器に入れて安全に運ばなくてはならない。

18.飼育ケージは使用後汚染除去しなくてはならない。

19.動物の死体は焼却しなくてはならない。

20.防護衣およびその他の装備品は施設内では着用し、退室時には脱衣しなくてはならない。

21.手洗装置を設けなくてはならない。職員は実験動物施設退出前に手を洗わなくてはならない。

22.如何に軽傷であっても総ての負傷は適切に処置し、報告、記録しなくてはならない。

23.施設内での飲食、喫煙、化粧を禁じなくてはならない。

24.全職員は適切な訓練を受けなくてはならない。

動物施設 −バイオセーフティレベル3

 本施設はリスク群3の病原体を故意に接種された動物を扱う作業に適している。全てのシステム、作業原則 および手順は毎年検討し、再検証しなくてはならない。次の安全上の注意事項が適用される。

1.実験動物施設−バイオセーフティレベル1および2に対する全ての条件を満たさなくてはならない。

2.立ち入りは厳重に管理しなくてはならない。

3.施設を他の実験室および動物飼育区域から2重のドアを有する前室により隔離しなくてはならない。

4.前室には手洗い施設を設置しなくてはならない。

5.前室にはシャワーを設置しなくてはならない。

6.全室に持続的な気流が確保されるような機械的換気設備を設置しなくてはならない。排気は、再環流せず、

大気に排出される前に HEPA フィルターを通さなくてはならない。換気システムは、動物室のいかなる部 分でも事故による逆気流や陽圧が起こらないように設計されていなくてはならない。

7.バイオハザード封じ込め動物室の便利な場所にオートクレーブを設置しなくてはならない。感染性廃棄物 は、施設の他の場所に移す前にオートクレーブ処理をしなくてはならない。

8.焼却炉を施設内に設置するか、または代り得る設備を関係当局と相談し設けなければならない。

9.リスク群3の微生物に感染した動物は、アイソレーター内の飼育ケージ、または飼育ケージの後ろに換気 装置の排気口を設置した部屋に収容しなくてはならない。

10.敷藁は、できる限りほこりのないようにしなくてはならない。

11.全ての衣服は、洗濯する前に汚染除去しなくてはならない。

12.窓は閉鎖し、シールし、割れないようにしてなくてはならない。

13.職員には然るべき予防接種が受けられるよう手配しなくてはならない。

動物施設 −バイオセーフティレベル4

 この施設での作業は、通常、高度封じ込め実験室−バイオセーフティレベル4の作業と連結しており、国家 および地方の規則や規制を調和させ両施設に適用しなければならない。作業を宇宙服実験室で行う場合には、

本章で記載した事項に加えてさらなる作業原則および手順が必要である(第5章参照)。

1.実験動物施設−バイオセーフティレベル1、2および3に対する全ての条件を満たさなくてはならない。

2.立ち入りは厳重に管理されなければならない。施設の管理者により指名された職員のみが入室の資格を持 つのでなければならない。

3.職員は単独で作業してはならない。2人作業方式を適用しなければならない。

4.職員は、微生物学者としての可能な限り最高レベルの訓練を受け、作業上の災害および必要な注意事項に 精通していなければならない。

5.リスク群4の病原体に感染した動物の飼育区域は、高度封じ込め実験室−バイオセーフティレベル4の封 じ込め基準を維持しなくてはならない。

6.施設には、エアロック式の前室から入り、前室の清浄側は更衣室およびシャワー室によって制限区域が分 離されていなくてはならない。

7.職員は入室時には外部衣服を脱ぎ、専用の防護衣を着用しなくてはならない。作業後は、その専用防護衣 を脱いでオートクレーブに入れ、シャワーを浴びてから退出しなくてはならない。

8.施設は、陰圧(施設の外から内に向かう一定方向の気流)が保てるように設計された HEPA フィルター排 気システムで換気しなくてはならない。

9.排気システムは、逆流および陽加圧を防止するよう設計されていなくてはならない。

10.材料の交換用に封じ込め施設各室の外側に清浄側を出した両面オートクレーブを、封じ込め室内に設置し なくてはならない。

11.オートクレーブ処理のできない物の受け渡しには、封じ込め施設各室の外側に清浄側を出したエアロック 式パスボックスを用意しなくてはならない。

12.リスク群4の病原体に感染した動物を扱う全ての操作は高度封じ込め−バイオセーフティレベル4の条件 下に行わなくてはならない。

13.全ての動物はアイソレーターに収容しなくてはならない。

14.全ての敷藁および廃棄物は施設から撤去する前にオートクレーブ処理しなくてはならない。

15.職員の健康管理を行わなくてはならない。

無脊椎動物

 脊椎動物の場合と同様、無脊椎動物施設のバイオセーフティレベルは、研究中または別途指示された病原体 のリスク評価によって決定する。ある種の節足動物、特に飛翔する昆虫については次のような注意事項を加え る必要がある:

1.感染および非感染無脊椎動物用には、別個の部屋を設置しなくてはならない。

2.部屋は、薫蒸処理のためのシールができるようにしなくてはならない。

3.殺虫剤スプレーをいつでも使えるように準備しておかねばならない。

4.必要な場合に無脊椎動物の動きを弱めるため「冷却施設」を設置しなくてはならない。

5.入室は、昆虫トラップおよび節足動物防御網戸を付けたドアを有する前室を通らなければならない。

6.全ての排気換気ダクトおよび開閉可能な窓には、節足動物防御網戸を取り付けなければならない。

7.流しおよび排水口のゴミ除去装置は乾燥状態にしてはならない。

8.無脊椎動物のなかには消毒剤で死なないものがあるため、全ての廃棄物をオートクレーブで処理しなくて はならない。

9.飛翔、匍匐、跳躍する節足動物の幼虫および成虫の数を調査し続けることが必要である。

10.ダニの容器は油をはった皿に入れなくてはならない。

11.感染した、または感染した可能性のある飛翔する昆虫は、2重張りネットの飼育ケージに収容しなくては ならない。

12.感染した、または感染した可能性のある節足動物は、安全キャビネットまたはアイソレーターの中で取り 扱わなくてはならない。

13.感染した、または感染した可能性のある節足動物は、冷却トレー上で取り扱わなければならない。

 詳しい情報は、文献(3〜6)を参照。

In document 実験室バイオセーフティ指針-第3版(2004/翻訳版) (Page 36-59)

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