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R 行列

ドキュメント内 特性評価モデル (ページ 51-54)

第 2 章 理論 5

3.2 一次定数の近似導出式

3.2.1 R 行列

抵抗については,被膜は絶縁体と考え,図3.2(c)の導体のみの系で検討する.平行2線の断 面における平面電磁界の解析式を基に,文献[19]の(12-53)式右辺第1項を主要項として考 え,線#iの抵抗ri を,

ri =r0i·Csi·

 ∏n

j=1,j̸=i

Cpij

·

∏n

j=1

Cpij

 (3.3)

とする.ただし,µ0を真空の透磁率,µrを導体の比透磁率,σを導体の導電率として,

r0i = 1

σSci (3.4)

Csi = ai

2

ωµ0µrσ

2 (3.5)

Cpij = d2ij (ai−aj)2+D

d2ij (ai+aj)2+D (3.6)

(

ただしD=

d4ij +a4i +a4j 2a2ia2j 2a2id2ij2a2jd2ij )

(3.7) Cpij = dij2(ai−aj)2+D

dij2(ai+aj)2+D (3.8)

(ただしD =

dij4+a4i +a4j 2a2ia2j 2a2idij22a2jdij2 )

(3.9) である.

ここでr0i は直流抵抗であり,導線の計算(公称)断面積Sci より求める.計算(公称)断 面積は,内導体を構成する細い素線の断面積を合計したものであり,電線のデータシートに掲

載されている値である.

またCsiは表皮効果(Skin Effect)による抵抗の増加を表した係数である.表皮効果とは,

導体を流れる電流の周波数が高くなると,交流電流の変化を妨げようとする作用により,電流 の分布が導体の表面に集中する現象である.表皮効果の影響によって電流の流れる面積が減少 することで,高周波電流では導体損失が大きくなることが知られている.

ߜ

ܽ

(a) (b)

3.3 円筒導体断面における電流分布(a)低周波の場合(b)高周波の場合

円筒導体の場合には,断面における電流が図3.3のオレンジ色の領域に分布していると考え られる.まず,周波数が低い場合には導体部の全面に電流が分布し,その面積Slf は,

Slf =πa2i (3.10)

となる.また,周波数が高くなると,図3.3(b)のリング状の部分のみに電流が分布するとし て,その面積Shf は,

Shf = 2πaiδ (3.11)

と考えられる[11].ここで3.11式におけるδは表皮厚さ(Skin Depth)であり,電流密度が 導体表面に対して1/eとなるような導体表面からの距離を,

δ =

√ 2

ωµrµ0σ (3.12)

で表した量である.以上より,表皮効果の影響で導体の内側に電流が分布しなくなることによ る抵抗の増加を,電流が分布する領域の面積の比をとることで,(3.10)〜(3.12)式より,

Slf Shf

= ai 2

ωµ0µrσ

2 ≡Csi (3.5)

として表現する.ただし,Csi<1となる周波数においては,図3.3(a)の電流分布と考えるこ とができるので,Csi = 1とする.

さらにCpij, Cpij は近接効果(Proximity Effect)による抵抗の増加を表した係数である.

近接効果とは,表皮効果と同様の作用が近くに存在する導体を流れる電流にはたらくことによ り,両導体に異なる方向の電流が流れているときは導体の互いに近い側に電流分布が集中し,

同じ方向の電流が流れているときは遠い側に電流分布が集中する現象である.近接効果も表皮 効果同様,電流の流れる面積を減少させるため,導体損失増加の要因となる.

ܱ

ݔ

ܽ

ܽ

݀

௜௝

+ -

݀

݀

ߣ െߣ

ܾ ܾ

ܿ

ܿ

3.4 近接する2円形導体における電荷分布の偏り

ここでは,特に逆向きに流れる電流による近接効果を考える.二次元の静電磁界問題として 考えると,図3.4のように,2円形導体に等量異符号の電荷±λをそれぞれ与えることを考え れば,電流を電荷におきかえて考えることができる.もし2導体が十分離れていれば,2電荷 はそれぞれ円の中心に分布する.しかし,2導体が近接に配置している場合は,図3.4におけ るy軸がゼロ電位(電気壁)となり,かつ2円周上の点が導体の境界条件として全て等電位と なる,すなわち2円がともに等電位線となるために,電荷分布は図3.4のように円の中心から それぞれ互いに近づくように偏る.このとき,

b2 =c2i −a2i =c2j −a2j (3.13) であり,ci+cj =dij であるから,

ci = d2ij +a2i −a2j 2dij

, cj = d2ij+a2j −a2i 2dij

(3.14)

である[20].よって,(3.14)式を(3.13)式に代入すると,

b=

d4ij+a4i +a4j 2a2ia2j 2a2id2ij 2a2jd2ij

2dij (3.15)

を得るので,

di =ci−b=

d2ij +a2i −a2j

d4ij +a4i +a4j 2a2ia2j 2a2id2ij 2a2jd2ij

2dij (3.16)

dj =cj−b=

d2ij +a2j −a2i

d4ij +a4i +a4j 2a2ia2j 2a2id2ij 2a2jd2ij 2dij

(3.17) となる[21].

これらについて,文献[22]の(20)式および(21)式と比べることで,近接効果の影響によ る抵抗の増加を,電流分布の偏りから,

aiaj didj

+ 1 aiaj

didj 1

(3.18)

を用いて表現する.これを各導体間,また導体と影像間についてそれぞれ計算すると,(3.6

〜(3.9)式が得られる.

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