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考察

ドキュメント内 特性評価モデル (ページ 108-112)

第 5 章 種々のケーブルのモデル化 69

6.2 コモンモード電流の計算

6.2.3 考察

提案手法により,ツイストペアケーブルの部分的な不平衡によって生じるコモンモード電流 を計算によって得ることができた.また,ツイストの撚りピッチを小さくすることで,コモン モード電流を小さくできる傾向が見られた.自動車の場合は重量をできるだけ軽くすることが 求められるので,ケーブルをシールドして放射を抑えるといった手段は避けるのが望ましく,

ECUや機器類の設置に注意して配線設計を行うといった対策が考えられる.その際,本モデ ルの応用可能性があると考えている.

第 7

まとめ

本論文では,車載ワイヤーハーネスを多線条伝送線路として扱い,自動車のEMC問題に関 する特性の評価を簡易な計算で行う手法として,線路系の縦続行列表現による回路網モデル化 と,等価回路化に必要な一次定数の近似導出式を提案した.提案手法を用いて,配線条件を変 化させたツイストペアケーブル,太さの異なる2本線路系,配線高の連続的に変化する3本線 路系をモデル化したところ,300 kHz〜1 GHzの周波数範囲において,いずれも回路網モデ ルの有効性が実測値やシミュレーション値との比較から確認できた.また,より実際のハーネ スに近い系への応用として,途中に分岐を含む系の伝送特性と,配線上の不平衡によるコモン モード電流の評価を行い,ハーネスの配線設計における提案手法の適用可能性を示した.

今後の研究課題としては,より自動車の実システムに近い系に本モデル化手法を適用し,評 価を行うことがある.例としては,電流プローブを用いてワイヤーハーネスに磁界を印加する BCI(Bulk Current Injection)試験系の現象モデル化において,ハーネス部分に本モデルを 用いることが挙げられる.あるいは,車体(GND)との位置関係が垂直に近いようなハーネ スの配線についても,(5.17)式右辺における分数の分子の値を大きくするだけで対応できる か,といったことが,検討課題として考えられる.

また,状態変数法における電圧・電流の数学的な変数変換がもつ物理的な意味を考察した り,モード分解法における各伝搬モードについて物理現象として実験的に検証したりすること も,多線条線路理論を考える上で興味深い課題である.特に今回の検討では,ハーネスを高周 波回路網としてモデル化したために散乱行列にて検証を行っているが,実際の自動車に用いら れているシステムは50 Ω系で設計されていないものも多く,ネットワークアナライザによる 測定にはあまり適していない.そのため,各伝搬モードの特性を物理的に捉えることは重要で あると考えている.

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