第 2 章 PowerShell による SharePoint Server 2010 の操作 ~サイトの作成から管理まで~
2.2 PowerShell によるユーザー登録
作成したサイトコレクションに営業部に所属するプロジェクトマネージャの 杉山一郎 をユーザーとして登録します。
登録後に、このユーザーのアクセス許可を「フル コントロール」に変更します。
1. サイトへのユーザー登録は New-SPUserコマンドレットを使用します。
New-SPUser -UserAlias contoso¥sugiyamai `
-DisplayName "杉山 一郎" -Web http://localhost/Sites/Contoso
32
2. 登録したユーザー Contoso¥Sugiyamai に対して「フル コントロール」アクセス許可を付与します。
登録済みのユーザーの設定を変更するには Set-SPUserコマンドレットを使用します。
Set-SPUser -Identity contoso¥sugiyamai `
-Web http://localhost/sites/contoso -AddPermissionLevel "フル コントロール"
その後Get-SPUserコマンドレットを使用して変更したユーザー情報を確認します。
$user = Get-SPUser contoso¥sugiyamai ` -Web http://localhost/sites/contoso
$user.Roles
33
3. さらに、営業部署に所属するユーザー Contoso¥Takahashit 「高橋 徹」を登録します。
登録時には「表示のみ」アクセス権を付与します。
New-SPUser -UserAlias Contoso¥Takahashit `
-Web http://localhost/sites/contoso -PermissionLevel "表示のみ"
4. 次に、Contoso全社ポータル サイトに営業部署用のサブサイトを作成します。
サブサイトは New-SPWebコマンドレットを使用します。
サブサイトのテンプレートにはドキュメントライブラリ STS#2 を指定し、サイトトップへのナビゲートを利用するためのスイッチ パラメータを指定します。
New-SPWeb http://localhost/Sites/Contoso/Sales `
-Template "STS#2" -Name "営業" -Description "営業ドキュメント ライブラリ" ` -AddToTopNav –UseParentTopNav
34
以上で、サイトの作成とユーザー登録およびサブサイトの作成の基本作業が完了します。
35 コラム
SharePointサイトに登録するユーザーの情報は、Active Directoryコマンドレットを使用して取得することができま
す。
Active Directoryから取得したユーザーの情報の出力を、パイプを通してSharePointコマンドレットの入力とすると、
ユーザー登録を正確に効率よく処理できます。
Windows Server 2008 R2では、Active Directory PowerShellは次のコマンドレットで使用可能になります。
Import-Module ActiveDirectory
Get-Command –Verb Get –Noun “AD*” でActive Directoryから情報を取得するコマンドレットの一覧 を取得できます。
【例】 山田から始まるActive Directoryからのユーザー情報の取得 Get-ADUser –Filter {Name Like “山田*”}
36
2 章のまとめ
この章では、PowerShellを使用して、SharePoint Server 2010上でサイトコレクション作成、サブサイト作成およびサ イトへのユーザー登録を行う方法、PowerShellコマンドレットを説明しました。
しかし、これらの作業を、毎回PowerShellを起動してコマンドを入力しながら行うのであれば、STSADMを使用するの とさほど変わりないかもしれません。
一度完成したPowerShellによるSharePoint Server 2010への操作過程は「反復作業」になります。
たとえばバックアップ作業やサイトに対するユーザーの登録、リスト情報野取得などは、反復が起きやすい、ルーチンタス クの一つです。
このような状況では、次の3章で説明する条件分岐や制御構文を用いたスクリプトを作成すると効率よくユーザーを登 録することができます。
37