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ETP (nM*min)

Warfarin BAY 59-7939

図 2.7.6.45-4 トロンビンピークと ETP の相関性 引用元:5.3.5.1.2(MRR-00297)の Section 16.1.10:Figure 6

2.7.6.45.3 結論

日本人の心房細動患者を対象にリバーロキサバン 10mg、15mg 及び 20mg の 1 日 1 回投与におけ る安全性、薬物動態及び薬力学的効果の関係を探索的に検討した。リバーロキサバンの薬物動態 に関して、投与 14 日目と 28 日目において大きな差は認められなかった。リバーロキサバンの薬 力学的パラメータについて、第Ⅹa 因子活性は濃度依存的に減少し、PT、aPTT、Heptest では濃 度依存的に延長した。安全性に関して、治験薬投与下で「重大な出血事象」はいずれの投与群に もみられなかった。治験薬投与下で「重大ではないが臨床的に問題となる出血事象」が、リバー ロキサバン 10mg 及び 20mg 1 日 1 回投与群の各 1 例にみられたが、いずれも軽度であった。結論 を導くには症例数が少ないが、「重大ではないが臨床的に問題となる出血事象」の発現頻度は、

リバーロキサバン各投与群とワルファリン群との間に有意差は認められなかった。リバーロキサ バンはワルファリンと同程度の安全性/忍容性プロファイルを有し、忍容性に問題はないと考え られた。

2.7.6.46 【国内試験】非弁膜症性心房細動患者を対象とした第Ⅲ相臨床試験:

J-ROCKET AF 試験(試験番号 12620)[報告書番号 A49701]

2.7.6.46.1 試験計画

治験の標題:非弁膜症性心房細動患者における脳卒中及び非中枢神経系塞栓症の発症抑制に関する

リバーロキサバン(BAY 59-7939)の有効性及び安全性の検討

治験調整医師:

実施医療機関:本治験は国内の 167 施設において実施され、164 施設において被験者の組み入れが

あった。

公表論文:なし 治験期間:

最初の患者の組み入れ日:20 年 月 日 最後の患者の最終来院日:20 年 月 日

開発のフェーズ:第Ⅲ相

目的:

主要な目的は、非弁膜症性心房細動(NVAF)患者を対象に、リバーロキサバンと用量調節ワルファ リンとの安全性の比較検討である。他の目的は、外国臨床データの日本人患者への外挿可能性を評 価するため、日本人患者におけるリバーロキサバンの有効性と安全性を国外第Ⅲ相試験成績と比較 検討することである。

本試験の探索的な目的は、以下のとおりである。

 リバーロキサバンの薬物動態及び薬力学的効果の評価

 一部の被験者における、ベースライン(Day 1)及び 24 週目におけるプロテオミクス及 びリスクマーカー(D-dimer など)の評価

 リバーロキサバンの薬物動態、薬力学的効果又は安全性や忍容性に影響し得る遺伝的素 因の検討(適切な遺伝子のファーマコゲノミクス分析を利用する)

薬物動態、薬力学的効果、バイオマーカー及び外国臨床データの日本人患者への外挿可能性の評価 は別途報告する。

試験方法:

本治験は、前向き、多施設共同、無作為化、ダブルダミー法による二重盲検、実薬対照、並行群間 比較試験である。本治験は、スクリーニング期間、二重盲検治療期間、フォローアップ期間からな る。

スクリーニング期間は、文書同意取得日から割り付け来院日前までの期間であり、プロトロンビン 時間国際標準比(PT-INR)が 70 歳以上で 2.6 以下、70 歳未満で 3.0 以下になった時点をもって割 り付け来院日とし、割り付け当日の夕食後に治験薬の服薬を開始することとした。

二重盲検治療期間中、被験者は割り付け後、第 2 週及び第 4 週に来院し、その後は 4 週ごとに来院 した。治験期間は 31 ヵ月であるが、治験薬投与期間は組み入れ時期によって被験者ごとに異なっ た。被験者の治験期間は最長で 31 ヵ月を予定したが、これは被験者の組み入れ速度、安全性の主要 評価項目に関する出血事象の発現数と、治験薬の投与開始から発現までの期間により延長する可能 性があった。

治験薬投与終了(あるいは中止)来院日には、被験者は必要に応じて非盲検のワルファリンあるい はその他適切な治療へ移行することとした。治験薬投与終了(中止)30(±7)日後のフォローアッ プ来院時に、経過観察を行った。治験薬投与を途中で中止した被験者については、フォローアップ 来院以降、可能な限り本治験全体の終了まで 12 週間ごとにコンタクトをとり、有効性評価項目に関 するイベント及び生存確認を行うこととした。

リバーロキサバン群には、リバーロキサバン 15mg〔スクリーニング時のクレアチニンクリアランス

(CLCR)計算値が 30~49mL/min である中等度腎障害患者の場合は 10mg〕及びワルファリンプラセボ 錠を 1 日 1 回、夕食後に経口投与した。

ワルファリン群には、ワルファリン錠及びリバーロキサバンプラセボ錠を 1 日 1 回、夕食後に経口 投与した。ワルファリンの投与量は PT-INR 値(目標 PT-INR 値:70 歳以上 1.6~2.6、70 歳未満 2.0

~3.0)により調節した。

脳卒中又は非中枢神経系塞栓症のリスクを有する NVAF 患者は、自動音声応答システム(IVRS)を 用いてリバーロキサバン群かワルファリン群かに 1:1 の割合で無作為に割り付けられた。

その際、“国”、“VKA による前治療の有無”、“脳卒中、一過性脳虚血発作(TIA)又は非中枢神経 系塞栓症の既往の有無”を層別因子として層別無作為化を行った。

被験者の適格性は、脳卒中、一過性脳虚血発作(TIA)又は非中枢神経系塞栓症の既往があるもの、

あるいは危険因子(年齢≧75 歳、高血圧、心不全及び/又は左室駆出率が≦35%、あるいは糖尿 病)を 2 つ以上有するものが適格とされた。予め治験実施計画書で定義されているように、脳卒 中、TIA あるいは非中枢神経系塞栓症以外の危険因子の数が 2 つの被験者の登録が全対象集団の 10%に達した以降は、登録に必要な危険因子数は最低 3 つとした。すべて選択基準に適合し、除外 基準に合致しなかった被験者は下記の 2 つの治療群の何れか 1 つに無作為に割り付けられた。

リバーロキサバン 20mg[スクリーニング時に中等度の腎不全〔クレアチニンクリアランス

(CLCR):30~49mL/min〕のある被験者では 15mg]及び見かけ上のプロトロンビン時間国際標準比

(PT-INR)値が目標 2.5(範囲:2.0~3.0)になるように用量調節されたワルファリンプラセボ

(外見上、ワルファリンと同一)を 1 日 1 回経口投与 又は、

目標 PT-INR 値 2.5(範囲:2.0~3.0)になるように用量調節されたワルファリン及びリバーロキ サバンプラセボ(外見上、リバーロキサバンと同一)を 1 日 1 回経口投与

有効性の評価項目〔脳卒中、一過性脳虚血発作(TIA)、非中枢神経系塞栓症、心筋梗塞、死亡〕及 び安全性の評価項目(「重大な出血事象」、「重大ではないが臨床的に問題となる出血事象」)

は、評価項目判定委員会(CEC)が盲検下で判定した。

診断と選択基準:

塞栓症の危険因子を有する NVAF 患者

選択基準

(1) 20 歳以上の日本人被験者。

(2) 男性及び女性。女性被験者については、妊娠の可能性が否定できる、閉経後(最終月経から 2 年を経過したもの)のもの。妊娠可能な女性の場合は、組み入れ前及び治験期間を通じて 適切な避妊(経口避妊薬内服、子宮内避妊器具装着、ダブルバリアー法など)を行ってお り、スクリーニング時に血清β-ヒト絨毛性ゴナドトロピン(β-HCG)を用いた妊娠検査が 陰性であるもの。

(3) 割り付け前 30 日以内の心電図検査(12 誘導心電図でなくても可)において、心房細動の波 形が確認された NVSF 患者。ただし、心電図による心房細動波形確認の 1 年前から前日まで に心房細動の罹患が確認されていること(心電図結果がなくとも、カルテ、退院サマリーへ の記載で可)。また、新しく心房細動と診断された場合は、24 時間以上の間隔で 2 回以上 の心電図で心房細動の波形が確認されていること。(注:本治験における「NVSF」とは、循 環動態に影響を及ぼす程度の僧帽弁狭窄症の合併のない心房細動と規定する。)

(4) 脳梗塞、TIA、非中枢神経系塞栓症のいずれかの既往を有するもの。

あるいは、以下の危険因子を 2 つ以上有するもの - 心不全の徴候若しくは左室駆出率 35%以下

- 高血圧

- 75 歳以上

- 糖尿病

(注)

 脳梗塞(虚血性脳卒中)、TIA、非中枢神経系塞栓症の定義は、治験実施計画書 に定める。

 偶発的に発見された非症候性の脳梗塞は選択基準を満たさない。

 高血圧とはスクリーニング来院前 6 ヵ月以内に降圧薬による治療を受けている か、140mmHg を超える収縮期血圧あるいは 90mmHg を超える拡張期血圧が持続して いるものをいう。

 糖尿病とはスクリーニング来院前 6 ヵ月以内に糖尿病用薬による治療を受けてい るか、1 型糖尿病、2 型糖尿病と診断された既往があるものをいう。

 脳梗塞、TIA、非中枢神経系塞栓症の既往がなく、その他の危険因子が 2 つのみ の被験者数は全被験者数の 10%以下に限定する。

(5) 文書により同意した被験者。

(6) ファーマコゲノミクス検査に参加する場合は、別途使用する遺伝子検査のための同意説明文 書を用いた同意が得られていること。

除外基準

(1) 血行動態に影響を及ぼす程度の僧帽弁狭窄症を有するもの。

(2) 人工心臓弁を装着しているもの。

(3) 除細動が予定されているもの(電気的あるいは薬理学的除細動を問わない)。

(4) 可逆性の疾患(例:甲状腺機能亢進症、肺塞栓、最近の手術、心筋梗塞など)による一過性 心房細動であるもの。

(5) 心房粘液腫あるいは左心室血栓を合併しているもの。

(6) 活動性心内膜炎を有するもの。

(7) 活動性内出血を有するもの。

(8) 出血性リスク増加の可能性が懸念される、下記疾患(状態)を有するもの。

 割り付け前 30 日以内の大手術及び外傷の既往

 割り付け前 6 ヵ月以内に起こった明らかな消化管出血の既往

 頭蓋内出血、眼内出血、髄腔内出血、非外傷性関節内出血の既往

 慢性出血性疾患(先天性又は後天性の出血性疾患)

 既知の頭蓋内腫瘍、動静脈奇形、動脈瘤

 出血のコントロールができないおそれのある、大手術を含む侵襲的な手技の予定

 血小板減少症を有するもの(血小板数が 90,000/μL 未満のもの)

 コントロール不良の高血圧(収縮期血圧≧180mmHg あるいは拡張期血圧≧100mmHg)の持 続

(9) 割り付け前 3 ヵ月以内に、重度な後遺障害を伴う脳梗塞〔Modified Rankin Scale:4~5 点、あるいは割り付け前 14 日以内に脳梗塞(重症度を問わない)を生じたもの。

(10) 割り付け前 3 日以内に TIA を生じたもの。

(11) 心房細動以外の抗凝固薬が適応となる疾患(例:静脈血栓塞栓症)を有するもの。

(12) 割り付け前 5 日以内に経口又は静脈内投与による抗血小板療法が行われたもの、あるいは治 験薬投与期間中に併用が必要なもの(100mg/日以下のアスピリンは除く。冠動脈ステント挿 入後の被験者に関してはチエノピリジン系抗血小板薬、シロスタゾールの併用を可とす る)、若しくは、割り付け前 10 日以内に線維素溶解剤が投与されたもの並びに治験薬投与 期間中の併用が予定されるもの。

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