続けて11.2.0.2へのアップグレード手順について記載します。
1. Grid Infrastructure
のアップグレード作業を開始する前に、以下を実施してください。
全てのノード上でCluster Ready Services (CRS) プロセスが稼働している状態であるかの確認
(参考)
確認にはGrid Infrastructureの所有ユーザーで以下のコマンドを実行してください。crsctl
check clusterコマンドはクラスタに対応しているので、クラスタを構成しているいずれかのノ
ードから -allオプションをつけてコマンドを実行することで、全ノードのCRSプロセス稼働 状況が確認できます。以下は3ノードRAC環境における実行例です。
RACデータベースの停止が必要であるかの確認
Grid Infrastructureのアップグレード時に、Oracle Clusterwareに加えてOracle ASMも同時にア ップグレードされます。そのためアップグレード中はASMを使用していない状態でなければい けません。RACデータベースがASMを使用している構成においては、アップグレード実行前に RACデータベースを停止しておいてください。
(参考)
確認にはGrid InfrastructureあるいはRACの所有ユーザーでクラスタを構成しているいずれか
のノードからsrvctl status databaseコマンドを実行してください。実行例は以下です。
$ srvctl status database -d orcl
インスタンス
orcl_1はノード
stvm42で実行中です。
インスタンス
orcl_2はノード
stvm43で実行中です。
インスタンス
orcl_3はノード
stvm44で実行中です。
$ <GRID_INFRASTRUCTURE_HOME>/bin/crsctl check cluster -all
**************************************************************
node1:
CRS-4537: Cluster Ready Services
がオンラインです
CRS-4529: Cluster Synchronization Services
がオンラインです
CRS-4533:
イベント・マネージャがオンラインです
**************************************************************
node2:
CRS-4537: Cluster Ready Services
がオンラインです
CRS-4529: Cluster Synchronization Services
がオンラインです
CRS-4533:
イベント・マネージャがオンラインです
**************************************************************
node3:
CRS-4537: Cluster Ready Services
がオンラインです
CRS-4529: Cluster Synchronization Services
がオンラインです
CRS-4533:
イベント・マネージャがオンラインです
**************************************************************
上記の実行例のように実行中(稼働中)と表示された場合は、以下のコマンドを実行しRACデータベー スの停止を行ってください。
以下のように表示されれば、RACデータベースは停止されています。
11.2.0.2 Grid Infrastructureのインストール・ディレクトリの作成
11.2.0.2 Grid Infrastructureのホーム・ディレクトリを作成します。Grid Infrastructureは
out-of-placeでのアップグレードが必須ですので、ソフトウェアのインストールには最低要件と
して5.5GBの容量が必要です。以下はディレクトリの作成例です。
既存の環境変数の解除
Grid Infrastructureの所有ユーザー(ここではgridユーザー)に対して設定しているOracle関連 の環境変数(ORACLE_HOME、ORACLE_BASE、ORACLE_SIDなど)があれば解除しておき ます。CRS_HOMEやORA_CRS_HOMEといった環境変数は使用しないでください。
2. OUI
の起動
gridユーザーで11.2.0.2のインストーラを起動します。以下のコマンドを実行してください。
3. Software Update
のダウンロード
11.2.0.2 よりインストール中に最新のパッチ等の更新をダウンロードするソフトウェア更新のダウンロードの
オプションが提供されています。ダウンロードはインターネット接続(My Oracle Support (MOS) 経由)で実施 されます。インストール中に更新をダウンロードし、適用する際にはオプションを選択します。ここでは「ソフト ウェア更新のスキップ」を選択して「次へ」をクリックします。
# mkdir /u01/app/11.2.0/grid_11202
# chmod 775 /u01/app/11.2.0/grid_11202
# chown grid:oinstall /u01/app/11.2.0/grid_11202
$ srvctl status database -d orcl
インスタンス
orcl_1はノード
stvm42で実行されていません。
インスタンス
orcl_2はノード
stvm43で実行されていません。
インスタンス
orcl_3はノード
stvm44で実行されていません。
$ srvctl stop database -d orcl
$ <GRID_INSTALL_IMAGE>/Disk1/runInstaller
4.
インストール・オプションの選択
「Oracle Grid InfrastructureまたはOracle自動ストレージ管理のアップグレード」を選択して、「次へ」を クリックします。
5.
製品言語の選択
製品を実行する言語として「日本語」と「英語」を選択して、「次へ」をクリックします。
6. Grid Infrastructure
ノードの選択
アップグレードを実行するノードとして全てのノードが選択されています。確認後、「次へ」をクリックします。
7.
権限付きオペレーティング・システム・グループ
ASMに対するOS認証に使用するOSグループをそれぞれ指定します。ここでは「ASMデータベース管理 者 (OSDBA) グループ」に「asmdba」、オプションである「ASM インスタンス管理オペレータ (OSOPER) グループ」に「asmoper」、「ASM インスタンス管理者 (OSASM) グループ」に「asmadmin」を指定します。
設定後、「次へ」をクリックします。
***********************************************************************************************************
(補足)
11.2.0.2においてオプションとしてASM用のOSOPERを設定する場合、OSグループは、
クラスタを構成する全てのノード上で存在する必要があります。ただし、Oracle Grid
Infrastructureの所有ユーザーがOSグループのメンバーとして設定されている必要はあり
ません。
***********************************************************************************************************
8.
インストール場所の指定
「Oracleベース」と「ソフトウェアの場所」を指定します。Grid Infrastructureのアップグレードでは
out-of-placeアップグレードを実施しますので、ソフトウェアのインストール場所として既存のホーム・ディレクト
リとは別の場所を指定する必要があります。事前に全てのノードにおいて作成したディレクトリを指定します。
入力後、「次へ」をクリックします。
9.
前提条件チェックの実行
アップグレード実行前に、前提条件のチェックが実行されます。
全てのチェック項目に成功すると、自動的にサマリー画面に遷移します。失敗した項目がある場合には、ア ップグレードを開始する前に適宜修正を行ってください。
***********************************************************************************************************
(補足)
11.2.0.1から11.2.0.2のアップグレードにおいて、Oracle Grid Infrastructureのアップグレード は、out-of-placeでのアップグレードのみサポートされます。in-placeでのアップグレードはサポ ートされませんのでご注意ください。また、既知の問題により共有のGrid Infrastructureホーム から非共有のGrid Infrastructureホームへのアップグレードや、非共有から共有のGrid Infrastructureホームへのアップグレードは実施できません。
***********************************************************************************************************
*
10.
サマリー
サマリーを確認して、「インストール」をクリックします。
11.
設定
設定作業が開始されます。
作業が進むと、構成スクリプト (「rootupgrade.sh」) の実行が指示されます。必要に応じて Patch 9706490 やPatch 9974223を適用後(「5. Patch 9706490 の適用」「6. Patch 9974223の適用」を参考)、
スクリプトをrootユーザーで全てのノードに対して実行してください。実行後、「OK」をクリックします。
構成スクリプトの実行中にASMのアップグレードも行われます。
12.
終了
「閉じる」をクリックしてOracle Grid Infrastructureのアップグレードは完了です。
13.
アップグレード後の作業
アップグレードが完了したら、ORACLE_HOMEやPATH環境変数を新しいGrid Infrastructureのホーム へ設定します。また、/etc/oratabファイルを確認し、Oracle ASMのホームとして新しいホームが設定されて いることも確認してください。確認は全てのノードで行います。
***********************************************************************************************************
(補足)
rootupgrade.sh実行前に、以下2つのPatchの適用について確認してください。適用手順
に関しては後述します。
• Patch 9706490
11.2.0.1から11.2.0.2へのローリング・アップグレード実行する場合に適用します。
rootupgrade.sh実行前に適用してください。
• Patch 9974223
11.2.0.2の新規インストール、あるいは11.2.0.2へのアップグレードを実行する場合
に適用します。rootupgrade.sh実行前か実行後に適用してください。
***********************************************************************************************************
4.2 Oracle RAC 11.2.0.2 のインストール
1.
続いて
RACのアップグレードを実施します。作業を開始する前に、以下を確認してください。
既存のOracleホームのバックアップの取得
- in-placeアップグレードでは既存Oracleホームへ11.2.0.2のOracle RACをインストールするた め、アップグレードを実行する前に既存のホームのバックアップを取得しておいてください。
Oracleインベントリから既存のOracleホームの削除
- いずれかのノード上でoracle ユーザーにて以下コマンドを実行し、Oracleホームを削除します。
既存の環境変数の解除
- Grid Infrastructureのアップグレードと同様にOracle RACの所有ユーザー(ここではoracleユ ーザー)に対して設定しているOracle関連の環境変数(ORACLE_HOME、ORACLE_BASE、
ORACLE_SIDなど)があれば解除しておきます。
2. OUI
の起動
oracleユーザーでインストーラを起動します。以下のコマンドを実行してください。
3. セキュリティ・アップデートの構成
セキュリティの問題について、電子メールで通知を受け取る設定を任意で行うことができます。ここでは設定 は行いませんので、「セキュリティ・アップグレードをMy Oracle Support経由で受け取ります。」のチェックを 外して、「次へ」をクリックします。
***********************************************************************************************************
(補足)
Oracle RACをアップグレードする方法としてout-of-placeおよびin-placeアップグレー ドが提供されていますが、推奨とされる方法はout-of-placeアップグレードです。ここでは、
参考としてin-placeアップグレードの手順を記載します。推奨とされているout-of-placeで のアップグレード手順は3.3を参照してください。
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$ <DATABASE_HOME>/oui/bin/runInstaller -detachHome ORACLE_HOME=<DATABASE_HOME>
$ <DATABASE_INSTALL_IMAGE>/Disk1/runInstaller
今回のようにチェックを外した場合は、次のメッセージが表示されます。確認後、「はい」をクリックします。
4. Software Update
のダウンロード
インストール中に更新をダウンロードし、適用する際にはオプションを選択します。ここでは「ソフトウェア更 新のスキップ」を選択して、「次へ」をクリックします。
5. インストール・オプションの選択
「データベース・ソフトウェアのみインストール」を選択して、「次へ」をクリックします。
6. Grid
インストール・オプション
実行するデータベース・インストールのタイプとして、「Oracle Real Application Clustersデータベースの インストール」を選択します。インストールを行う全てのノードにチェック(☑)をして、「次へ」をクリックします。
7.
製品言語の選択
製品を実行する言語として「日本語」と「英語」を選択して、「次へ」をクリックします。