亀田総合病院 循環器内科
木村茂樹,川上拓也,金濱 望,立石 遼,橘 伸一,早坂和人,原 聡史,新井紘史,廣木次郎,吉岡賢二,
黒田俊介,岩塚良太,水上 暁,松村昭彦
背景:生体吸収性ポリマーを使用した第三世代の薬物溶出性ステント (DES) は慢性期にポリマーが消失することでポリ マーが惹起する炎症反応や動脈硬化進行といった DES 挿入後合併症の危険因子を解決すべく開発された。一方、第三世 代 DES の慢性期における生体反応・血管治癒過程は未だ不明な点が多い。我々は第三世代 DES 挿入後慢性期に光干渉 断層法 (OCT) を用いてステント内を観察し同ステントの慢性期における生体反応・血管治癒過程の解明を試みた。
方法と結果:2016 年 1 月から 2016 年 6 月までに挿入した第三世代 DES のうち挿入後 9-12 か月以内にフォローアップ CAG を行い、その際に OCT によるステント内観察が可能であった 30 症例を対象とした (BP-SES:11 例、BP-EES:19 例 )。
ステント再狭窄症例は除外した。ステント内を edge から 5㎜以内の遠位部、近位部、さらにその間の中位部の 3 部位に 分け OCT 上の incomplete stent apposition (ISA), multiple interstrut hollow (MIH), peri-strut low-intensity area (PLIA), thrombus の有無を評価した。Follow up 期間は 329(292-336) 日であった。合計 90 部位のうち ISA は 19 部位、MIH は 30 部位、PLIA は 10 部位に認め thrombus は認めなかった。ISA は CTO 病変及び BP-EES 症例に多く (31.6% vs. 8.5%,
O8-5. 留置後 9 年目の Paclitaxel-eluting stent(TAXUS Express2) を OCT と血管内視鏡で観察 した 1 例
北晨会 恵み野病院 循環器内科
○下岡良典,牧口展子,黒嶋健起,平山康高,成田浩二
症例は高血圧と脂質代謝異常症の既往を持つ 70 歳代男性。2008 年に急性心筋梗塞を発症し、前下行枝 #6 に TAXUS EXPRESS2 3.5 × 24mm が留置された。2011 年からアスピリン単剤で管理されていた。2017 年始から時折胸部不快感を 認め、2017 年 6 月に再評価目的で冠動脈造影検査を施行した。ステント内再狭窄は認めず、またステント内に血栓を示 唆する造影所見も認めなかった。OCT を観察すると Stent distal に Uncovered stent struts および overlay tissue を伴 う mal-apposed struts を認め、一部に血栓を示唆する所見を認めた。Stent proximal は不均一ではあるが Homogenous な新生内膜を認めた。血管内視鏡では Stent distal 側に全周にわたる血栓を認め、内膜被覆されていない Stent struts も 認めた。Proximal 側では Grade 2-3 の内膜被服を認めた。ステント留置後 9 年目の TAXUS ステントを OCT および血 管内視鏡で観察し得た症例を経験した。文献的および今後の管理などへの考察を含めて報告する。
O8-6. Synergy ステント留置後,早期のアスピリン中止によりステント内に多量の血栓を血管内 視鏡で観察した一例.
筑波大学附属病院 循環器内科1,水戸医療センター2
○酒井俊介1,小泉智三2,丸田俊介2,平谷太吾1,星 智也1,佐藤 明1,青沼和隆1
症例は 67 歳男性で,労作時胸痛を主訴に受診し 2016 年 11 月 29 日に冠動脈造影検査 (CAG) が施行された.右冠動脈 (RCA)#1 90%,左冠動脈前下行枝 (LAD)#7 75%, #8 75%,左冠動脈回旋枝 (LCX)#13 90% 狭窄を認めた.順次治療の方 針とし,同日経皮的冠動脈形成術 (PCI) を RCA#1 に行い Ultimaster 3.0 mm × 28 mm を留置しバイアスピリンとプラ スグレルの内服を開始した.同年 12 月 6 日に LAD#7-8 に Synergy 3.0 mm × 28 mm, Synergy 2.25 mm × 20 mm を留 置した.2017 年 2 月 14 日 LCX#13 に PCI を行い,Xience Alpine 2.5 mm × 18 mm を留置した.その際に前回 LAD に留置した Synergy stent を血管内視鏡検査で観察し新生内膜被覆度 grade 0 〜 3 までのまばらな内皮化と多量の赤色 血栓を認めた.内服薬を確認するとバイアスピリンが 12 月下旬に中断されており内皮化不良の部位に血栓が形成された ものと考えられた.
第 3 世代薬剤溶出性ステントはポリマーが生体に吸収されることで早期の内皮化が期待されており,OCT の観察では 3 か月程度で良好な被覆化が報告されている.本症例は,ステント留置後 2 か月で血管内視鏡で観察し,まばらな内皮化 と多量の赤色血栓が観察された.
O9-1. 急性心筋梗塞に対するプラチナクロムエベロリムス溶出性ステント留置後亜急性期の血栓 性の検討
関西労災病院 循環器内科1,大阪医療センター 臨床研究センター2
○ 石原隆行1,飯田 修1,増田正晴1,岡本 慎1,南都清範1,辻村卓也1,奥野翔太1,松田祥宏1, 上松正朗2,真野敏昭1
背景:コバルトクロムエベロリムス溶出性ステント(CoCr-EES)はプラチナクロムエベロリムス溶出性ステント(PtCr-EES)と同等の臨床成績を呈している。しかし、急性心筋梗塞(AMI)に対する留置後の血管内の血栓に関する検討は まだない。
方法:AMI に留置した 47 ステント(男性 90%、平均 64 ± 13 歳)を対象に留置 13 ± 2 日後に血管内視鏡観察を施行し た。血栓と黄色プラークの重症度を CoCr-EES(26 ステント)と PtCr-EES(21 ステント)で比較検討した。
結果:平均観察期間は 2 群間で同等であった(13 ± 2 versus 13 ± 2 日 , P=0.17)。血栓の重症度は 2 群間で同等であっ た(P=0.49)。黄色プラークの重症度も 2 群間で同等であった(P=0.88)。
結語:AMI に対する留置後亜急性期の血管内の血栓の重症度は CoCr-EES と PtCr-EES で同等であった。AMI に対する 治療において PtCr-EES の血栓性は CoCr-EES と同等に低いと考えられた。
O9-2. 第 3 世代薬剤溶出性ステント留置後の血管内視鏡所見について(第二世代薬剤溶出性ステ ントとの比較検討)
広島市立広島市民病院循環器内科
○ 臺 和興,川瀬共治,中間泰晴,末成和義,西岡健司,酒井孝裕,大塚雅也,嶋谷祐二,正岡佳子,
塩出宣雄
【目的】第三世代薬剤溶出性ステント留置後の血管内視鏡所見について検討した。
【方法】薬剤溶出性ステント留置後 6 カ月〜 1 年に血管内視鏡検査を施行した症例を対象とした。第三世代薬剤溶出性ス テントを留置した 16 例と第二世代薬剤溶出性ステントを留置した 52 例を比較検討した。新生内膜被覆度、プラークの 黄色度、血栓の有無について検討をした。
【結果】最大内膜被覆度は両群間に有意差を認めなかったが、最小内膜被覆度は第三世代薬剤溶出性ステントで有意に高 値であった。プラークの黄色度、血栓の頻度には有意差を認めなかった。
【結語】第二世代薬剤溶出性ステントと比較して、第三世代薬剤溶出性ステント留置後の新生内膜被覆は良好である可能 性が示唆された。