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F値 1.387192
*10%水準で有意
𝑅2 調 整 済𝑅2
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こ の こ と を 検 証 す る た め に 、本 章 で は 、平 成 24(2012)年 と 平 成 26
(2014) 年 の 法 人 税 率 引 き 下 げ に 対 し て 、 企 業 が ど の よ う な 行 動 を と っ た の か を 、 発 生 処 理 額 に つ い て 調 べ た 。 そ の 結 果 、 限 界 税 率 の 高 い 法 人 は 、 低 い 法 人 に 比 べ て 、 利 益 を 税 率 の 高 い 期 か ら 低 い 期 へ と 繰 り 延 べ て い る 傾 向 が あ る こ と が わ か っ た 。こ の こ と は 、鈴 木・岡 部(1998) の 結 果 と 整 合 的 で あ る 。 限 界 税 率 を 推 定 し 、 そ の 大 き さ が 利 益 調 整 行 動 に 影 響 を 与 え る 研 究 は 重 要 で あ る に も か か わ ら ず 、 先 行 研 究 が ほ と ん ど な い の で 、 追 試 に も 意 義 が あ る と 考 え る 。
次 章 で は 、 第 4 節 で 挙 げ た 問 題 点 を で き る だ け 克 服 し 、 特 に サ ン プ ル サ イ ズ を 大 き く し て 、 よ り 明 確 な 証 拠 を 得 ら れ る よ う に し た い 。
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第 4 章 税 制 改 正 時 に お け る 企 業 の 利 益 調 整 行 動 の 実 証 分 析 ( 展 開 研 究 )
1. は じ め に
前 章 の 実 証 分 析 で は 、 限 界 税 率 が 高 い 企 業 グ ル ー プ は 限 界 税 率 が 低 い 企 業 グ ル ー プ よ り も 利 益 調 整 を 行 っ て い る 傾 向 が 確 認 さ れ た 。 こ の 結 果 は 先 行 研 究 と 整 合 的 で あ っ た 。 し か し 、 利 益 調 整 額 と 限 界 税 率 と の 線 型 関 係 は そ の 可 能 性 は 示 唆 さ れ た も の の 十 分 に 有 意 な 結 果 を 出 す こ と は で き な か っ た 。
仮 説 を 支 持 す る 結 果 が 得 ら れ な か っ た 理 由 と し て は 、標 本 数 が 92 と 小 さ か っ た こ と 、 コ ン ト ロ ー ル 変 数 を 十 分 に 吟 味 し て い な か っ た こ と が 考 え ら れ る 。 そ こ で 本 章 で は 、 こ れ ら の 点 を 改 善 し た 分 析 を 行 う 。
2. サ ン プ ル と リ サ ー チ デ ザ イ ン
(1) 調 査 対 象 期 間
前 述 の と お り 、平 成 24(2012)年 及 び 平 成 26(2014)年 に 法 人 税 率 は 引 き 下 げ ら れ た 。 平 成 24(2012) 年 3 月 31 日 以 前 に 開 始 す る 事 業 年 度 の 実 効 税 率 ( 標 準 税 率 ) は 約 39.54% 、 平 成 24(2012) 年 4 月 1 日 以 後 に 開 始 す る 事 業 年 度 か ら は 約 36.99% 、そ し て 、平 成 26(2014) 年 4 月 1 日 以 後 に 開 始 す る 事 業 年 度 か ら は 約 34.61% と な る 。事 業 年 度 が 1 年 の 会 社 の 場 合 、 決 算 日 が 平 成 25(2013) 年 3 月 30 日 以 前 で あ る 法 人 の 実 効 税 率( 標 準 税 率 )は 約 39.54% 、決 算 日 が 平 成 25(2013) 年 3 月 31 日 か ら 平 成 27(2015)年 3 月 30 日 で あ る 法 人 の 実 効 税 率( 標 準 税 率 )は 約 36.99% 、決 算 日 が 平 成 27(2015) 年 3 月 31 日 か ら 平 成 28(2016)年 3 月 30 日 で あ る 法 人 の 実 効 税 率( 標 準 税 率 )は 約 34.61% 、 そ し て 、 決 算 日 が 平 成 28(2016) 年 3 月 31 日 以 降 で あ る 法 人 の 実 効
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税 率 ( 標 準 税 率 ) は 約 32.11% と な る44。 多 く の 地 方 自 治 体 が 標 準 税 率 よ り も 高 い 地 方 税 率 を 課 し て い る 。 し た が っ て 、 実 際 に は ほ と ん ど の 法 人 が こ れ ら の 税 率 よ り も 高 い 税 率 が 課 せ ら れ て い る 。
ま た 、 こ れ も 前 述 の と お り 、 平 成 24(2012) 年 4 月 1 日 以 後 に 開 始 す る 事 業 年 度 か ら 、 繰 越 欠 損 金 を 課 税 所 得 と 相 殺 す る こ と に 上 限 が 設 け ら れ て お り 、繰 越 欠 損 金 の 相 殺 額 は そ の 期 の 課 税 所 得 の 80% に 制 限 さ れ た45。同 時 に 、繰 越 欠 損 金 の 繰 越 期 間 は 7 年 で あ っ た が 、9 年( 平 成 20年 4月 1 日 以 後 に 終 了 し た 事 業 年 度 に お い て 生 じ た 繰 越 欠 損 金 に つ い て 適 用 さ れ る ) に 延 長 さ れ た46。 繰 越 欠 損 金 は 限 界 税 率 に 影 響 を 与 え る の で 、 こ の 改 正 も 考 慮 す る 必 要 が あ る 。
法 人 税 率 が 引 き 下 げ ら れ た 場 合 、 通 常 は 、 税 率 が 引 き 下 げ ら れ る 前 の 期 の 所 得 を 減 少 さ せ 、 引 き 下 げ ら れ た 後 の 期 の 所 得 を 増 加 さ せ る こ と に よ り 、 税 負 担 を 減 少 さ せ る こ と が で き る 。 詳 細 は 第 3 章 で 議 論 し た と お り で あ る 。
本 章 で は 、 前 章 に 引 き 続 き 、 平 成 24(2012) 年 及 び 平 成 26(2014) 年 の 税 率 引 き 下 げ に つ い て 、 企 業 が 利 益 調 整 行 動 を と っ て い る か 否 か を 検 証 す る 。
(2) サ ン プ ル の 選 択
サ ン プ ル の 抽 出 は 以 下 の 条 件 を 満 た す 会 社 を 選 ん で い る 。 デ ー タ ベ ー ス と し て 株 式 会 社 プ ロ ネ ク サ ス 社 の eol 企 業 情 報 デ ー タ ベ ー ス ( 日 本 国 内 企 業 DB) を 使 用 し た 。
① 分 析 の 対 象 と す る の は 、 決 算 日 が 平 成 24(2012) 年 3 月 31 日 か ら 平 成 25(2013)年 3 月 30 日 ま で の 会 社 、及 び 平 成 26(2014)
4 4 検 証 時 期 以 後 も 税 率 が 引 き 下 げ ら れ て い る の で 、利 益 を 繰 り 延 べ 続 け る 誘 因 が 働 き 、裁 量 的 発 生 処 理 額 の 反 転 減 少 は 、他 の 税 率 引 き 下 げ 時 期 に 比 べ て 、抑 制 さ れ る と 考 え ら れ る 。
4 5 そ の 後 、繰 越 欠 損 金 の 控 除 制 限 割 合 は 、前 述 の と お り 、平 成 27( 201 5)年 4 月 1 日 以 後 開 始 事 業 年 度 に つ い て は 65 % 、 平 成 28 ( 2016 ) 年 4 月 1 日 以 後 開 始 事 業 年 度 に つ い て は 60% と な り 、平 成 29( 2017)年 4 月 1 日 以 後 開 始 事 業 年 度 に つ い て は 55 % 、平 成 30( 2018)
年 4 月 1 日 以 後 開 始 事 業 年 度 か ら は 50 % と な る 。
4 6 平 成 24( 2012 ) 年 3 月 31 日 以 前 開 始 事 業 年 度 は 7 年 、 平 成 24( 2 012) 年 4 月 1 日 以 後 開 始 事 業 年 度 は 9 年 、 平 成 30( 2 018) 年 4 月 1 日 以 後 開 始 事 業 年 度 に つ い て は 10 年 と な っ て い る 。
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年 3 月 31 日 か ら 平 成 27(2015)年 3 月 30 日 ま で の 会 社 で 、上 場 企 業 の う ち 、 一 般 事 業 会 社 ( 銀 行 、 証 券 、 保 険 、 及 び そ の 他 金 融 業 を 除 く ) で あ る 。
② 単 体 決 算 の み の 企 業 を 対 象 と し 、 連 結 決 算 を 行 っ て い る 企 業 を 除 外 す る 。
③ 平 成 14(2002)年 か ら 平 成 27(2015)年 ま で 、必 要 な デ ー タ を 取 得 す る こ と が で き 、 す べ て の 期 が 単 体 決 算 で あ り 、 決 算 期 の 変 更 が な い 企 業 を 選 択 す る 。
④ 利 益 調 整 に 関 連 す る 数 値 を 訂 正 し て い る 企 業 を 除 外 し た サ ン プ ル 158 社 を 得 た 。
前 章 で は 、3 月 末 決 算 の 法 人 に 限 定 し た が 、 サ ン プ ル サ イ ズ を 大 き く す る た め 、 す べ て の 決 算 月 の 法 人 を 対 象 と し た 。
(3) 仮 説
前 章 と 同 様 の 仮 説 に つ い て サ ン プ ル サ イ ズ を 大 き く し て 検 証 す る 。 具 体 的 に は 以 下 の と お り で あ る 。
限 界 税 率 を 次 項(4)A.の 方 法 で 推 定 し 、 最 高 税 率 に な る も の 、0% に な る も の 、 及 び そ の 間 に な る も の の 3 つ の グ ル ー プ に 分 け た 。 税 率 引 き 下 げ 前 の 事 業 年 度 に お い て は 、 限 界 税 率 が 高 い ほ ど 、 異 常 発 生 額 は 小 さ く な る は ず で あ る 。 し た が っ て 、 帰 無 仮 説 は 次 の と お り に な る 。 H : 限 界 税 率 が 相 対 的 に 高 い 企 業 グ ル ー プ の 異 常 発 生 処 理 額 の 平 均 値 と 限 界 税 率 が 相 対 的 に 低 い 企 業 グ ル ー プ の 異 常 発 生 処 理 額 の 平 均 値 は 等 し い 。
さ ら に 、 限 界 税 率 が 高 け れ ば 高 い ほ ど 、 異 常 発 生 処 理 額 が 小 さ く な る の で あ れ ば 、 限 界 税 率 が 0% を 超 え 最 高 税 率 よ り も 低 い 企 業 に つ い て は 、 異 常 発 生 処 理 額 を 被 説 明 変 数 と し 、 限 界 税 率 を 説 明 変 数 と し た 線 型 の 関 係 が 存 在 す る 可 能 性 が あ る 。
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(4) 変 数 の 選 択 A. 限 界 税 率
限 界 税 率 の 推 定 方 法 は 第 2 章 で 述 べ た 方 法 を 使 用 し た 。 こ の 方 法 で 計 算 す る と 、 無 限 に 将 来 の 税 率 を 推 定 し な け れ ば な ら な い の で 、3 期 先 ま で の 値 で 近 似 し た 。 割 引 率 に 使 用 す る 利 子 率 は 7% と し た 。 次 に 、 繰 越 欠 損 金 の 推 定 に つ い て 、 繰 延 税 金 資 産 の 原 因 別 内 訳 の 注 記 か ら 、 繰 延 税 金 資 産 の う ち 繰 越 欠 損 金 が 原 因 と な っ た 金 額 を 決 算 日 の 時 点 で 知 る こ と が で き る 最 も 先 の 期 の 実 効 税 率 で 割 り 戻 し た 金 額 を 繰 越 欠 損 金 と し た47。 そ し て 、 推 定 さ れ た 繰 越 欠 損 金 を 決 算 短 信 の 業 績 予 想 に お け る 次 期 の 当 期 純 利 益 の 80% で 割 り 、小 数 点 以 下 を 切 り 上 げ た も の を 繰 越 欠 損 金 が 使 い 切 ら れ る 年 数 の 推 定 値 と し た48。 こ の 年 数 が 9 年 を 超 え る 場 合 、 繰 越 欠 損 金 に よ り 課 税 が 将 来 に 繰 り 延 べ ら れ る 部 分 の 限 界 税 率 を 0% と し た 。
具 体 的 な 推 定 方 法 は 図 4-1、及 び 、図 4-2 に 示 す と お り で あ る 。こ れ は 第 2 章 で 述 べ た 限 界 顕 在 税 率 の 算 定 式 か ら 実 際 の デ ー タ で 推 定 す る と き の フ ロ ー チ ャ ー ト で あ る 。str に は 法 定 実 効 税 率 で は な く 、事 業 税 の 損 金 算 入 時 期 の ズ レ を 考 慮 し た (2-14) 式 の 3 次 近 似 式 を 用 い て い る 。 図 4-2 の 当 期 純 利 益 (NI) が 0 以 上 か 否 か に よ り 場 合 分 け を し て い る が 、本 来 で あ れ ば 、こ こ に は 当 期 の 課 税 所 得 を 用 い る べ き で あ る 。 し か し 、 課 税 所 得 は 公 表 さ れ て い な い た め 、 当 期 純 利 益 で 代 用 し て い る 。 こ の 方 法 に よ る と 、 正 確 に は 限 界 顕 在 税 率 を 財 務 諸 表 か ら 推 定 す る こ と は で き な い 。
4 7 繰 越 欠 損 金 を 原 因 と す る 繰 延 税 金 資 産 の 金 額 は 、各 企 業 が 繰 越 欠 損 金 を 何 年 後 に ど の 程 度 課 税 所 得 と 相 殺 す る か を 計 画 し て 、相 殺 さ れ る 予 定 年 度 の 実 効 税 率 を 相 殺 さ れ る 繰 越 欠 損 金 に 乗 じ た も の の 合 計 金 額 と し て 計 算 さ れ て い る 。 そ し て 、 こ の 計 算 過 程 は 公 表 さ れ て い な い 。 し た が っ て 、 将 来 の 法 人 税 率 が 複 数 存 在 す る 場 合 に は 、 繰 越 欠 損 金 を 正 確 に 推 定 す る こ と は で き な い 。
4 8 繰 越 欠 損 金 の 解 消 予 想 年 を 推 定 す る に は 、次 期 以 降 の 毎 年 の 課 税 所 得 の 推 定 値 が 必 要 で あ る 。Graham(1996b)に よ る と 、限 界 税 率 の 推 定 方 法 に つ い て 、シ ミ ュ レ ー シ ョ ン 法 が 優 れ て い る と さ れ る が 、 こ の 研 究 に は 経 営 者 の 業 績 予 想 は 比 較 さ れ て い な い 。 そ し て 、 事 後 的 な 限 界 顕 在 税 率 で は な く 、税 率 変 更 時 点 で の 企 業 経 営 者 の 行 動 を 明 ら か に す る と い う 趣 旨 か ら 考 え る と 、 期 待 限 界 税 率 を も と に 意 思 決 定 を 行 っ て い る は ず で あ る の で 、 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン 法 よ り も 、 経 営 者 が 公 表 し た 利 益 予 想 の 方 が 理 に 適 っ て い る と 思 わ れ る 。
66 No
NOL=0
Yes
Yes
No s>9
𝑀𝑒𝑥𝑇𝑅 = 𝑠𝑡𝑟𝑡
𝑀𝑒𝑥𝑇𝑅 = 0
𝑀𝑒𝑥𝑇𝑅 = 𝑠𝑡𝑟𝑠 (1 + 𝑟)𝑠
図 4-1 決 算 日 が 平 成 24(2012) 年 3 月 31 日 か ら 平 成 25(2013) 年 3
月 30日 ま で の 法 人 の 限 界 顕 在 税 率 の 推 定 フ ロ ー チ ャ ー ト
NOL:当 期 末 繰 越 欠 損 金 ,s:繰 越 欠 損 金 推 定 解 消 年 度 ,MexTR:限 界 顕 在 税 率 ,str:法 定 実 効 税 率 を 表 し 、 添 え 字 は 事 業 年 度 を 表 す ,r:利 子 率