Chapter 4 投資家の皆様へ 今夏のトルコ通貨危機で 1998 年夏のロシア危機を思い出しました。当時、私はドイツで証券トレーディング業務に携わっていまし た。ルーブル急落から生じたヘッジファンド危機を受けた「 Flight to Quality 」で債券先物買いが殺到し、保有債券を先物でヘッジ していたドイツ国債のトレーディングブックが大きな評価損を抱えるなど、苦い経験をしました。あれから 20 年経ち、その間さらに 大きな金融危機も経験して、今や遠い昔の話になりつつあります。そのリーマンショック以降、主要先進国の金融緩和が奏功し、 足元米国経済は堅調に推移する中、 FRB による段階的な利上げ継続が見込まれています。一方、日銀は長期金利の変動幅を 弾力化するなど政策調整に動きましたが、そのまま超低金利は維持するとみられ、我々を取り巻く金融・不動産市場に大きな変 化は見られません。 「脚下照顧」は茶道などの心得として教えられていますが、真理を他に向かってでなく、まず自分自身のうちに求めよ、自分の足 元をよく見よ、という戒めの言葉でもあります。超低金利が継続する状況下、物流不動産を投資対象とするプレーヤーは年々増 え続け、開発にも続々新規参入しそのペースも落ちる気配もなくむしろ加速しており、物流 REIT の数も増えました。こんなときに こそ、自ら見つめ直し、物流不動産に投資する J-REIT としての価値を冷静に見極め、また長期的な目線で「物件を継続的に取得 し成長する体制づくり」を目指し、将来の環境変化と次なる飛躍の機会に備えた対応策を実行することが大切なのではないか、と 考えました。 今回、我々は運用・調達の両サイドを見直し、新たな取組みにも挑戦しました。運用サイドでは、物件取得に係る「独自の取組み 」の深化を通じて、相対取引の推進と取得機会の自律的創出に努めました。我々の特長である「OBR」は現在小休止しています が、その応用形である「 OBR のノウハウを活用した案件(事業パートナーとの協同取組み)」を着実に進めています。また、船橋 物流センターを売却し、戦略的な物件売却 / 入替によるポートフォリオ管理の強化を行いました。この売却を通じて得られた売却 資金/売却益を活用した借入金返済及びリファイナンスによる負債コストの低減を実行するとともに、前期に引き続き2度目となる 自己投資口の取得を行います。これらの取組みを通じて、引き続き「 1 口当たり分配金と 1 口当たり NAV の安定成長」に拘りつつ、 投資主価値の向上を目指すポートフォリオ運営を目指していきます。 これまでと変わらぬご支援ご高配のほど、何卒宜しくお願い申し上げます。 三井物産ロジスティクス・パートナーズ株式会社 代表取締役社長 棚橋 慶太 投資家の皆様へ 「脚下照顧(きゃっかしょうこ)」 投資家の皆様へ:Chapter 4 ドキュメント内 目次 1 Executive Summary 3 2 Chapter 1 今後の成長戦略 4 3 Chapter 2 実績及び予想 21 4 Chapter 3 物流不動産マーケット概観 28 5 Chapter 4 投資家の皆様へ 38 2 (ページ 37-40)