航空機用薄肉歯車の振動 肉歯車の振動:モード1
薄肉歯車の振動解析
有限要素法による構造振動解析が必要である。
肉歯車の振動:モード3 肉歯車の振動:モード2
肉歯車の振動:モード5 肉歯車の振動:モード4
厚肉歯車振動と薄肉歯車振動の区別
厚肉歯車の振動加速度の キャンベル線図
(
Campbell diagram
)薄肉歯車の動ひずみの キャンベル線図
(Campbell diagram)
厚肉歯車の振動
=
歯のかみあい衝撃による 歯の曲げ振動
薄肉歯車の振動
=
歯のかみあい衝撃による 歯車の構造振動
2.歯車の騒音
歯車の騒音は歯のかみあい衝撃によるものである。かみ あい衝撃を無くせば、歯車の騒音もなくなる。
F
Z2F
Z3F
Z4F
Z5F
Z歯車騒音のキャンベル線図(Campbell diagram)
𝑭 𝒛 =
歯のかみあい周波数3.効 率
効率は入力回転数、負荷トルク、グリース温度、減速比等により変化する。
効率
η
とは減速機内部の機械摩擦(ギヤやオイルシールなど)や潤滑剤の撹拌運 動などによる機械エネルギーの損失をいう。%
100
入力軸回転数 入力軸トルク
出力軸回転数 出力軸トルク
効率の理論計算:
効率の測定結果:
理論上、効率の計算はまだ難しい問題であり、測定により判明するのは殆どである。
効率%
減速機の効率測定装置
出力側 入力側
モータ トルク
変換機
トルク 変換機
ゴム 継手
2
13
4 8 7
10
9
ゴム パウダブレーキ 継手
歯車1 歯車2 ギャボックス
(1)歯車の入力軸と出力軸は同心ではない場合
効率測定
出力側 入力側
モータ トルク
変換機 トルク
変換機
2
19 8
10
パウダブレーキ 継手
1 歯車2 ギャボックス
3 3
継手 継手
7
減速機の効率測定装置
(2)減速比の入力軸と出力軸は同心である場合
効率測定装置
トルク変換機 50kgfm パウダブレーキ
継手 継手
モータ
1650 トルク変換機
TPS-A-50Nm
SFC-060SA2 -16B-30BH
SFC-060SA2 -16B-30BH
4.大減速比歯車装置のヒステリシス曲線
ヒステリシス曲線:入力軸を固定し、出力軸にトルクを定格までゆっくりかけ、その後 除荷した時の負荷と出力軸のねじれ角の関係をヒステリシス曲線と呼ぶ。
ロストモーション: 定格トルク×±
3%
負荷時のねじれ角。バネ定数:ヒステリシスカーブ上で、定格トルク×
50%
の点と、定格トルクの点の2
点 を結んだ直線の傾き。バックラッシ:ヒステリシス曲線のトルク「ゼロ」におけるねじれ角を指す。
バックラッシ
5.大減速比歯車装置のヒステリシス曲線測定
入力軸固定用フランジ
入 力 側
大速比歯車装置
(試験対象)
トルク変換機
(負荷トルクを測定)
大速比減速機
(増速機として使用、トルク を増幅させる役割)
6.歯車装置の無負荷ランニングトルク
無負荷ランニングトルクとは、減速機を無負荷の状態で回転させ るために必要な入力軸側でのトルクを意味する。
入力回転数
r/min
入力トルク
N
・cm
増速起動トルク
増速起動トルクとは、減速機を無負荷の状態で出力側から起動させる為に必 要なトルクを意味する。
増速起動トルク以上のトルクが出力軸に作用した状態で、入力軸側をフリーに すると入力軸が増速回転する。使用時、注意すべきである。
サイクロイド減速機の増速起動トルク
枠番 増速起動トルク
Nm Kgf
・m
D15 34 3.5
D25 60 6
D30 72 7
D35 88 9
D45 167 17
出典:住友重機械工業(株) 製品カタログ
7.主軸受モーメント剛性と許容モーメント
モーメント剛性:
外部よりかかるモーメントによって生ずる 出力側フランジの傾き剛さを表す。
許容モーメント:
許容されている最大モーメントをいう。
(荷重点間スパン)
表1 モーメント剛性、許容モーメントとスラスト荷重
枠番
モーメント 剛性
許容
モーメント
許容スラスト 荷重