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MUU, MUU MUU, NMUU, NMUU NMUU,

NBUU, NBUU NBUUなどの母音がUのものが琉

球各地,特に,奄美と宮古に集中している。これらは,

本土のMOO, NMOOなどに音韻的に対応するものと 考えられ,擬声語の場合にも,それぞれの地域の音韻上 の特色を反映していることが注目される。ただし,沖縄 本島では,大部分がMOO, NMOOなどの(〜)00類

であり,奄美の(〜)UU類と対立した分布を示してい る。これは,牛が伝来した時期の相違によるものかもし れない(質問番号218では,それぞれの土地における牛の 飼育の有無について質問することになっているが,その 結果によると,奄美ではすべての地点で「飼育」とあるの に対し,沖縄本島ではこの点に関する報告が少なく,報 告のある地点では飼育数が少ないという地点が多かっ た)が,先に述べたように〔m。:〕など開音〔っ:〕のものが 開合の区別の認められる新潟と宮崎に集中的に見られる

ところがら,沖縄本島などの(〜)00類は,これらの 開音の系統を引くという推測も可能である。ただし九州 の開合の区別は,一般に〔α〕と〔u二〕との対立であると言 われているから,宮崎の〔。:〕の性格については,なお検 討を要する。宮古および入重山には(〜)00類と(〜)

UU類との両方があり,そのほか琉球のみに分布する語

形としては,MAA, MAA MAAが奄美と入重山に

見られる。母音がUのものは本土にもMUU(3760.33),

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      210・211 BUU BUU(5566.95)のほか, UU,鳶U, UU UU,

鳶U亡U,UUU,UUN, UUN, UIの語形が各地に分 布し,特に石川・富山両県にはUU,鳶U, UU UUが 集中する。

 なお,本図と206図「うし」との関係については,206図 の解説で触れた。

211・ もぐら(土竜・鼠屡鼠)

 この図を見る揚合,おおまかに言ってつぎの2つの観 点が考えられる。ひとつは語頭に注目して,モグラ,モ グラモチ,ムクロ等のような,語頭にMを持つ類である か,オゴロ,オゴロモチ等のような語頭に母音が立つ類 であるかという観点である。もうひとつの観点は,モグ ラ,ムクロに対するモグラモチ,ムクロモチ,オゴロ,..

ウグロに対するオゴロモチ,ウグロモチのように,語末 にMOCIを持つかどうかという観点である。このよ5 な観点からこの図を見ると,MOCIを持たない類と,

MOCIを持つ類との分布はあまりはっきした対立を示 さない。とくに,国の中央部では複雑に入り組んでいて,

あまりはっきりとした分布は見せていない。これに対し て,語頭がMか母音かという別は明らかな対立を見せて いる。したがってこの図では,語頭のMの有無に重点を おき,MOCIの有無は=二次的なものと考えそれぞれの

色を一与えた。

 なお,各類を通じての語形内部の音声的な特徴を,符

号の形で示した。例えば,第1音節がMUあるいはU

となるものには三角形の符号を与え,あるいは,第2音 節の子音にはおもにGとK:との2つが見られるが,K

となるものには,シッポ付きの符号を与え,さらに,第 3音節がRAとなるものには,ぬき符号を与え, ROと なるものはべた符号で示した,などであろ。なお,語末の MOCIにはさまざまな音声変種が認められたが,ここで はすべてMOCIで示した。

 茶で示したもののうち,MOGURAからMORAU

までは,語頭がMで,語末にMOCIを持たない類であ

る。MOK:URAMEからMOKURONEZUMIまで と,HOGURIPEからCUCIMOGURIまでも,上の

基準に準ずるものとしてこの類に含めた。これらの類 は,大きく分けて3地域に分布を持つ。大まかに言えば,

関東を中心としたMOGURAなど,九州西半に分布す

るMOGURA, MOKURAなど,中国東半,近畿北辺,

 211

北陸,新潟にほぼ連続した分布を見せるMOKURO,

MONGORO, MUKUROなどである。

 標準語の「もぐら」は,これらのうちの関東のモグラの 分布を背景として生まれたものであろう。九州西半のモ グラは,分布の広さ,密度から考えて,標準語の「もぐ ら」が最近になって侵入し広がったものとは考えにく い。かなり古くからこの地域にあったものであろう。し たがって,両地域のモグラはかなり古いものの残存であ り,かつては両方のモグラの分布は連続していたと考え られる。

 中国東半,近畿北部,北陸に分布する茶の類の内容は

MOK:URO, MUKUROが中心となっている。 MO−

K:UROは山陰,隠岐,.北陸にかなり分布が見られるほ か,岡山南部,近畿北部にも点々と見られ,佐渡の北端

を北限としている。MUKUROは,岡山東部から近畿

北部にかけての地域と,佐渡に分布する。なお,榿で示

したMOCIを持つ類の中にも, MOKURO, MUK−

UROという形を持つものがあり,茶のMOKURO,

MUKUROの分布と入り混って分布する点に注目する

必要がある。これら,モクロ,ムクロの分布領域は,東

日本と九州に広く分布するモグラ,モグラモチの内側に あることから,モグラよりは新しい広がりのものである と言5ことができよう。ただし,福島,千葉にあるムグ ロ,モグロについてはなお疑問が残る。福島のものは新 潟のものと連続するのか,千葉のものは海路西からもた

らされたものか,あるいは,モグラに圧倒された結果の 残存か,決めがたいところである。

 凡例で,MOMORAからMORAまでは語形の上

に類似が認められる。第2音節にMが現われる点,あ るいはそれから派生して,Mが消えて,単なる鼻母音 となっている点である。これらの特徴を持つものは,茶 で示したものの中には少なく,東北地方に数地点と,長 野・山梨に数地点見られるだけであるが,むしろ榿で示

したものの中に,MOMORAMOCI, MONMORA−

MOCIとして東北地方に広い分布を示している。また,

緑,あるいは草で示したものの中にも, OMORA,

OMORAMOCIなどが見られ,岐阜・長野南部に分布

が見られる。

 澄で示したものは,語頭がMで,語末にMOCIを

持つ類を中心としている。 さらに, MOKKURAM−

USSIからMOGURAOZIまでは,上に準ずるもの

と考えて榿を与えた。榿の類は北陸から東北地方にかけ 34

て広い領域を占めるほか,千葉から愛知にかけての海岸 部,近畿北部,山口,鹿児島西半などに多少まとまっ た分布が見られる。その他の地方にも点々と見られる。

その主なる語形はMOGURAMOCIである。近畿北 部から北陸にかけては,MOKURAMOCI, MOKU−

ROMOCI, MUKUROMOCIなどが分布する。上

でもふれたよ5に,これら榿で示した類の語形は,

MOCI部分を除けば,茶の類の語形と同じものが少な くなく,分布も錯綜している点が注目される。

 緑で示したものは,語頭が母音で語末にMOCIを持 たない類である。これに対して,語末にMOCIを持つ類 を草で示した。これら2類の分布は,さきの茶,榿の分布 よりさらに入り交り,互の関係が密なので,分布の説明そ の他を合わせて行なうことにする。これらの類は,岐阜・

長野南部・静岡西部から,近畿北部と中国東半とを除く山 口・九州東半までの地域に連続した分布領域を持つ。茶 と澄で示した語頭にMを持つ類の分布を分断する形で 広がっていることから,母音で始まる類の方ボ語頭にM.

を持つ類よりは歴史的には新しい広がりであると言えよ う。これらの弓ち,おもなものの分布を凡例の順にみる と,まず,OGURA(MOCI)は,岐阜・愛知と九州東 半とに比較的多く分布している。この類の中では古いも

のであろう。OGORO(MOCI), ONGORO(MOCI)

は近畿を中心に四国全土に広く分布することから,これ らの諸語形のうち最新の語形のように考えられる。UG−

URO(MOCI)は分布が分かれる。まず,三重に見られ る10数地点,次に広島を中心とする広い分布,さらに,

徳島,高知の数地点である。上のオゴロの外側にあり,

オゴロより少し古い時代に広がったものと言えよう。

IGURA(MOCI), INGORO(MOCI)等,語頭の母音 が,1ないしYU, Eのものを一類として共通する符号 を.与えた。緑,草類の分布の東端である静岡西部,愛知,

三重にひとつの広がりを持ち,一方,本州西端の山口,

島根西部にひとつの広がりを持つ。この分布からは,上 のオグラとならんで,これらの語頭に母音を持つ類の中 では,最も古いもののひとつであると言うことができ る。ただし,オグラなどの語頭の0あるいはUが,1 へ変わり,イグラが生じることは,それぞれの地域で独

自におこりうる。この可能性も全く否定することはでき

ない。

 紺で示したものにはいろいろなものが含まれるが,全 国的な解釈にかかわるものは見られない。青森に見られ

るジネには「種類がちがう」という注のあるものも見ら れる。琉球,三宅を除く伊豆七島,瀬戸内海などには無 回答が多い。これらの地域には「もぐら」は棲息していな いのであろうか。

 以上,分布のあらましと,分布から考えられるそれぞ れの歴史的な関係を,大まかに述べてきたが,なお,問 題として残るのが,近畿を中心とした,茶・澄類と緑・

草類との分布の解釈である。図全体から見れば,母音で 始まる類の分布は連続していて,語頭にMを持つ類の分 布の内側にあり,M類よりは新しいとい5ことが言える が,近畿を中心とした分布だけを見ると,なお,どちら とも決めがたいところがある。しかし,京都・大阪など が,緑類の領域内であることから,一応緑が新しいとい

う立場をとっておく。

 中央語の文献による「もぐら」に関する語史の研究 には,前田富祓「モグラの語史」上・中(「日本文学ノー

ト」4号,昭和44年2月,同5号,昭和45年3月)があ る。これによると,「……すでに10世紀には,ムグロモ チ,ウゴロモチのふたつが対立していた」(上2ページ)

とい5。これらを地図上でみると,ムグロモチは近畿北 部に4地点,ウゴロモチは奈良南部に1地点それぞれみ られるだけである。すなわち,文献でたどれる最古の ものが,近畿周辺にしか見られないということになる。

上でいらムグロモチは「牟久井持」と記されたものであ る。これをムクロモチと清音で読むと分布領域は広がる が,なお,かなり狭い範囲内の地域であることには変わ

りない。このほか,前田の論文には,時代を追っていく つかの語形が挙げられているが,問題とされている語形 のほとんどが,この図では,近畿周辺に分布するものに 限られる。とくに,この図で最も古いと考えられるモグ ラ,あるいはモグラモチは,近世になって,それもかな

り遅く,ようやく現われるとい5ことは注目していい。

文献に現われる諸表現が,日本語全体の流れの中でごく 限られた一部しか示さないのではないかという疑問が生 ずるが,これ以上のことについては,前田氏などのさら に詳しい調査を待つほかない。ただし,これまで見たか ぎり,すくなくとも,この図においては,文献による語 史の研究と言語地理学による語史の研究とが,うまくか み合っていないと言わざるを得ない。

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212.ふくろう(果)

211・212

 「ふくろう」と「みみずく」とは同じふくろう科の鳥なが ら,形態には多少の違いがあるものらしい。この項目の 質問にも,「みみずくなどと区別する」という注意がされ ている(『日本言語地図解説一方法一』参照)。しかしなが ら,一般の人々にとって,夜行性のこの鳥の形態の多少 の差異は,さほどの関心事ではないらしい。いま鳴いて いる鳥が何であるかは仏法僧の例からいっても,わかり にくいこと当然であり,この鳥の名が,その物を見ての 命名か,鳴き声の主としての命名かはっきりしない点が ある。この項目は「ふくろう」の名を求め「みみずく」の名 を排除したつもりであるが,「みみずく」「ふくろう」の語 形上の違いについて触れた回答は,わずかしか見られな かった。したがって,この図の作成にあたっては,この 点にはあまり考慮を払わず,回答されたものを区別せず に扱った。したがって,動物学上の「みみずく」を指す語 形が混在している可能性もないわけではない。また一 方,「みみずく」「ふくろう」以外にも,この種の鳥をあら わす表現を,意外に詳しく区別している地方があるのか もしれない。それらの点についても図上には反映されて いない。そのへんの事情の詳細については『日本言語地 図資料』として記録してあるので参照されたい。

 作図にあたっては,語形の変種が非常に多いことから,

音声的変種を大幅にまとめて示した。詳細については

『日本言語地図資料』に記録してあるから,参照された い。見出し語形を示すのに,括弧を多用した。このあと それぞれのところでその内容を示しておこう。

 フクロ・フクロオ類およびそれに類するものを,赤 の符号で示した。東北中部から新潟・長野・北陸・近 畿・中国東部にかけて連続した分布を示すほか,北海道 にも広い分布が見られる。その他の地方にはあまり多く は見られないが,関東には他の類の語と混在して分布す

る。HUKUROOは標準語として登録されているが,

近畿にはほとんど見られない。関東にも,他との併用で 分布するだけで,専用地域は少ない。むしろ福島・長野

などに専用地域がある。ただし,HUKUROを含めて

フクロオ類を考えれば,分布の形から見て近畿を中心に 広がった最も新しい広がりと見ることができよう。HU−

K:UROとHUKUROOとの区別は,コオヒとコオヒ

イの差に準ずるのかもしれない。このヨUKUROは,

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