第 4 章 最大出力点追従制御方式
4.3 MPPT 制御方式における速度制御システムの応答
られる潮流エネルギーWinに対する発電電力量 W の比と定義する。(2.10)式の水車入力 PTi
と(2.23)式の流速の出現確率密度関数f(v)を用いることにより、WinおよびηEは次式のように 表される。ただし、観測期間Tは1年間(8760時間)とする。
vm Ti
in T P v f vdv
W 0 (4.17)
100
in
E W
W [%] (4.18)
表4.2に示すように、MPPT制御方式は定速運転方式と比較し、増速比aはわずかに増加 するがほとんど変わらず、発電機の定格容量 SBは約 13.2%減少した。また、年間発電電力
量Wは約47.2%増加、年間設備利用率CFは約14%となり、定速運転方式の約10%を上回る。
また、MPPT制御方式のSBに対する二次側インバータ容量SBIの割合は約91%となる。
図4.4 流速の変化
図4.5 すべり
図4.6 水車出力
図4.7 一次d、q軸電流、一次電流
図4.8 二次d、q軸電流、二次電流
図4.9 二次d、q軸電圧、二次供給電圧
図4.10 一次・二次有効電力、システムの発電電力
図4.11 一次・二次皮相電力
図4.5にシミュレーション結果のすべりsを示す。sは目標値の変化に対して良好に追従 し、目標値とほぼ重なっている。図4.6にシミュレーション結果の水車出力PToを示す。PTo
は流速の変化に対して0~1.84puまで変化している。
図4.7にシミュレーション結果の一次d、q軸電流ids、iqs、一次電流Isを示す。idsは第 3 章で述べたように二次側インバータ容量を低減するために一定となるように制御している ので、流速の変化に対してほぼ一定であり、目標値とほぼ重なっている。iqs は流速の変化
に対して0.03~-1.46puまで変化している。また、このときIsは定格以内で変化している。
図4.8にシミュレーション結果の二次d、q軸電流idr、iqr、二次電流Irを示す。idrは流速 の変化に対して0~-0.05puまで変化している。iqrは流速の変化に対して0~1.57puまで変化し ている。また、このときIrは定格以内で変化している。
図 4.9にシミュレーション結果の二次d、q軸電圧 vdr、vqr、二次供給電圧 Erを示す。vdr は 流 速 の 変 化 に 対 し て 0.05~-0.37pu ま で 変 化 し て い る 。vqr は 流 速 の 変 化 に 対 し て
1.64~-1.69puまで変化している。また、このときErは定格以内で変化している。
図 4.10 にシミュレーション結果の一次・二次有効電力 P1、P2、システムの発電電力 P3
を示す。P1は発電しているほぼ全ての時間(P3>0となる時間)において負となっている。
P2は約330~1670秒の範囲では負となっており、二次側の電源つまり二次側インバータを介
して発電機出力を取り出すことができる。P3は約630~1370秒の範囲では発電機の定格容量
(1pu)を超えるが、図4.11に示すシミュレーション結果の一次・二次皮相電力S1、S2より、
S1は最大約1.00pu、S2は最大約0.91puとなっており、定格以内である。P3は最大約1.72pu となり、このときのPToに対するP3の割合であるシステム効率ηSは約94%となる。このよ うになったのは、前述したように、発電機出力は一次側からだけではなく二次側インバー タを介して二次側からも取り出せるためである。しかし、本研究の場合インバータの損失 などを無視しているため、実際のηSはこの値よりも小さくなると考えられる。