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定格一定制御方式

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第 5 章 定格一定制御方式

5.2 定格一定制御方式

5.2.1 発電機入力(水車出力)一定制御方式

図 5.1 に発電機入力(水車出力)PTo一定制御方式における水車出力と動作点の関係を示 す。図 5.1に示すように、この制御方式は一次電流Isまたは二次供給電圧Erが定格(1pu)

となる流速v(定格流速vn)まではMPPT制御で運転を行い、vn以上の流速ではPTo一定と なる動作点に制御する方式である。PTo一定制御を行うには、vnにおいて最大水車出力を示 す回転速度に対して低回転速度側に制御する方式と高回転速度側に制御する方式が考えら

図5.1 発電機入力(水車出力)一定制御方式における動作点

れる。しかし、高回転速度側に制御を行うと、発電機の二次巻線の誘導起電力が増加する ため、二次側インバータ容量が大きくなると考えられる。そのため、本検討では低回転速 度側PTo一定制御方式について検討する。

図5.1に示すように、vn以上の流速において低回転速度側にPTo一定となる動作点に制御 を行うと、水車回転角速度ωTが減少、つまり(3.3)式に示すすべりsが増加するため、(3.26) 式に示す一次q軸電流iqsの大きさが増加し、Isが定格を超えるおそれがある。したがって、

年間最大流速vm以下の流速で Isが定格を超える場合はその流速で発電を停止し、その流速 をPTo一定制御方式の発電最大流速vmaxと定義する。

5.2.2 一次有効電力一定制御方式

図5.2に一次有効電力P1一定制御方式における動作点を示す。図5.2に示すように、この 制御方式はPTo一定制御方式と同様に、定格流速vnまでの流速ではMPPT制御で運転を行い、

vn以上の流速ではP1一定となる動作点に制御する方式である。

一次有効電力P1は一次d、q軸電圧vds、vqs、電流ids、iqsより、(5.1)式となる。

ds ds qs

qsi v i

v

P1   (5.1)

P1一定制御を行う際のP1は流速vが定格流速vnとなった時点のP1一定とする。(5.1)式中の

図5.2一次有効電力一定制御方式における動作点

一次d、q軸電圧vds、vqsは(3.10)式に示したようにvds 0、vqs= 3Esであり、P1一定制御 を行う際の一次q軸電流iqsは次式のように表される。

s

qs E

i P 3

1 (5.2)

また、一次q軸電流iqsは(3.15)式より、次式のように表される。

qs s

qs I I

i  3 cos 3 (5.3)

ただし、

3 cos qs

s qs

I i

I   である。よって、(5.2)式は(5.3)式を用いることにより次式のよ うに表される。

s

qs E

I P 3

1 (5.4)

(5.4)式より、一次電流Isは次式のように表される。

2 2 2 1

2

3 s ds

ds qs

s I

E I P

I

I  

 

 

 (5.5)

したがって、(3.15)式および(3.21)式で示したようにids、つまり

3

ds ds

Ii は一定に制御される

ため、(5.5)式よりP1一定制御はIs一定制御といえる。

本方式も、vnにおいて最大水車出力を示す回転速度に対して低回転速度側に制御する方式 と高回転速度側に制御する方式が考えられる。しかし、前述したように、高回転速度側に 制御を行うと、二次側インバータ容量が大きくなると考えられる。そのため、本検討では 低回転速度側P1一定制御方式について検討を行う。

図 5.2 に示すように、P1を一定とする水車出力 PTo、つまり動作点は水車回転角速度 ωT

に比例する。このようになったのは、(5.2)式より、P1を一定とするiqsは一定となる。そし て、(3.26)式より iqsを一定とする場合、idsを一定に制御しているためPTo (1s)は一定であ る。ここで、(3.3)式より(1s)は次式のように表される。

T s

s a

 

 ) 1

( (5.6)

ただし、a:増速比、ωs:同期角速度である。(5.6)式より、PTo (1s)は次式のように表さ れる。

 

 

  T

To s

To P

a s P

) 1

( :一定 (5.7)

したがって、(5.7)式より、P1を一定とする水車出力PToは水車回転角速度ωTに比例する。

vn以上の流速において低回転速度側にP1一定となる動作点に制御を行うと、PTo(発電機 入力PGi)が減少するためにシステムの発電電力 P3は減少し、P3 0となるおそれがある。

潮流発電システムが発電するためにはP3>0とする必要がある。したがって、vm以下の流速 でP3 0となる場合はその流速で発電を停止し、その流速を P1一定制御方式の vmaxと定義 する。

5.2.3 二次供給電圧一定制御方式

図5.3に二次供給電圧Er一定制御方式における動作点を示す。図5.3に示すように、この 制御方式はこれまでの定格一定制御方式と同様に、定格流速vnまでの流速ではMPPT制御 で運転を行い、vn以上の流速では Erを一定とする動作点に制御する方式である。また、Er

を一定とする動作点はωTに対してほぼ直線となる。これは、Erが一定となる場合、発電機 の二次巻線の誘導起電力もほぼ一定になるためであると考えられる。

vn以上の流速においてEr一定制御を行うと、すべり sはほぼ一定となる一方で水車出力 PToが増加するため (3.26)式に示すiqsの大きさが増加し、Isが定格を超えるおそれがある。

図5.3 二次供給電圧一定制御方式における動作点

したがって、vm以下の流速で Isが定格を超える場合はその流速で発電を停止し、その流速 をEr一定制御方式のvmaxと定義する。

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