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LED 光源の試作

ドキュメント内 Microsoft Word _卒業論文_浅野孝介.docx (ページ 34-40)

5.1. 赤外線パワー LED の電流 - 電圧特性

我々の目指す糖度推定機器は可搬型であるため、持ち運びのできないハロゲン光源で はなく、バッテリー駆動可能なLEDを用いる。また、外光の強度よりも強い高輝度LED である必要がある。本研究では、これらの要求を満たす近赤外高輝度LEDを用いた。用 いた素子は、中心波長 940nmのLED(OptoSupply製, OSI5XNE3E1E)及び850nmの

LED(OptoSupply製, OSI3XNE3E1E)である。二つの素子は共に最大絶対定格電力が2W,

最大絶対定格電流が 1A である。 LED の素子は LED 用の放熱基板(OptoSupply 製, OSMCPCB8060B)に 実 装 し た 。 放 熱 基 板 と LED 素 子 の 間 に は 、 放 熱 用 グ リ ス

(SHENZHEN HALNZIYE ELECTRONIC COMPANY製, HY-910)を塗った。LEDの外

観を以下に示す。

図5.1-1:集光レンズを装着した近赤外高輝度LED

LEDの基本構造は、P型半導体とN型半導体が接合された PN接合である。LEDに 順方向の電圧をかけると、再結合が起こり、発生したエネルギーが光として放出される。

LED には定格電力および定格電圧、電流があり、定格以上の電流が流れると損壊してし まう。よって、LEDを安定的に使用するためには、制限抵抗を回路に入れ、LEDに流れ る電流値を制限する必要がある。この制限抵抗の値を求めるために、LEDの電流‐電圧 特性を測定する必要がある。今回実験に用いるパワーLED の定格電力は 2W,定格電流 は1Aなのでこれらの定格を超えないように電流、電圧値を求め、そこから制限抵抗値を 算出する。

LED の電流-電圧特性は以下の測定系を用いて測定した。固定抵抗の値を変えながら,

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固定抵抗およびLEDに印加される電圧をテスターで測定し、固定抵抗の抵抗値と電圧か らLEDを流れる電流を求めた。

図5.1-2:LED発光回路

中心波長940nm, 850nmのLEDの電流‐電圧特性は以下のようになった。これより、

両方のLEDについて、最大定格電流を流すために必要な抵抗値は約3.3Ωと求められた。

図5.1-3:中心波長940nmのLEDの電流-電圧特性

(2つの素子で測定)

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図5.1-4:中心波長850nmのLEDの電流-電圧特性

(3つの素子で測定)

5.2. 赤外線パワー LED とハロゲン光源の強度比較

次に、赤外線パワーLEDと、現在室内でのスペクトル測定に用いているハロゲン光源 の強度を比較し、LEDが十分な光強度を有しているかどうか調べた。

スペクトルの測定は以下の図のような測定系を用いて行った。

図 5.2-1:光源のスペクトルの測定系

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ハロゲン光源は第 3章で拡散反射スペクトルを測定したときのものと同じもの(Ocean

Optics製,HL-2000型)を用いた。ハロゲン光源及びLEDの光をファイバに入射させ、そ

の光を透過率 0.01%の反射型NDフィルタ(S75-15-0.01)に通した。NDフィルタは、光 強度を一定量減衰させるフィルタである。今回は表面の光学薄膜で光を反射させる方式 の反射型NDフィルタを用いた。NDフィルタはキュベットホルダーの中に挿入して使用 した。NDフィルタを透過して減衰された光は分光器に入力させた。また、ハロゲン光源 は直接ファイバを接続して光を入射させた。一方LEDは、集光用のレンズを入れて光を 平行光にし、その光をコリメータでファイバに入射させた。測定の結果得られた各光源 のスペクトルを図に示す。

図5.2-1:ハロゲン光源と赤外線パワーLEDの強度比較

(ハロゲン光源の出力は7W, LEDは電流約900mAで駆動)

図からわかるように、中心波長850nmのLEDの強度はハロゲン光源よりも大きく、

逆に 940nmのLEDの強度はハロゲン光源よりも小さかった。よって外光下での測定で

は、940nmのLEDは、複数の素子のLEDを直列に接続するなどして高強度化する必要 がある。

第4章4.2で、インタラクタンス法により連続でスペクトルを測定して得られた糖度の ばらつきは、平均値に対して±5%程度であった。これを±2~3%程度に抑えるには、約

2~2.5 倍の光源強度か、それに相当するフレーム積算処理が必要である。いま、LED の

強度をハロゲン光源の強度の2~2.5倍程度にするには、多灯のLEDを用いればよい。ま た、LEDをパルス駆動させる場合、発光時間が極めて短いのでCWの時の倍以上の電流 を流すことが可能である。よってLED照明により、許容されるばらつきの範囲内で糖度 を推定することは十分可能だと考えられる。

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5.3. ヒートシンクの効果と LED の強度の安定性

LEDを発光させたとき、光に変換されなかったエネルギーは熱となって素子内に蓄積 される。この熱によって発光に寄与しない再結合が多く起こり、光強度が低下する。ま た、温度上昇によって半導体の禁制帯幅が変化するので、中心波長が変化してしまう。

電力の大きいパワーLED の場合は特に熱による影響が大きい。よって LED を安定的に 発光させるためには、ヒートシンクなどを用いて放熱しなければならない。今回はLED にヒートシンクを取り付けて発光させ,LEDの強度が安定するかどうか調べた。ヒート シンクはアルミ製のものを用いた。測定系は 5.2 の測定系と同じである.中心波長

940nm,850nmの二種類のLEDについて,スペクトルの時間変化を測定した。ヒートシ

ンクを実装していないLEDは4分間、実装しているLEDは10分間、スペクトルを30 秒おきに測定した。

図 2.3-1:実装した赤外線パワーLED(ヒートシンクに固定後)

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図 5.3-2: LEDの強度の時間変化(ヒートシンクなしの場合)

図5.3-3:LEDの強度の時間変化(ヒートシンクありの場合)

940nm,850nmの両方とも,ヒートシンクを取り付けていない場合は光強度が時間とと

もに減衰した。また、中心波長も時間が経過するにつれて長波長側にシフトした。

一方、LED をヒートシンクに取り付けた場合は,強度がほぼ一定に保たれた。また、

中心波長のシフトもほとんど起こらなかった。この結果から,ヒートシンクによって適 切に放熱が行われ,LEDの強度が安定したと推測される。

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