CLEO 実験で用いられた qq 抑制のための 9 変数 (CleoCones)
7.4 K 中間子候補に対する K/π 粒子識別
7.4.1 D ∗ + 崩壊の K 中間子を用いた粒子識別性能の見積り
K/π
識別は本研究で重要な点であるため、モンテカルロシミュレーションに頼らず、コントロー ルサンプルを用いて実データにおけるK/π
識別能力の見積もりを行った。コントロールサンプルに は、B中間子崩壊事象およびe + e − → q¯ q
事象に含まれるD ∗ + → D 0 π + sof t → K − π + π + sof t
事象を 用いた。この事象は、粒子識別を行わずに低バックグラウンドで再構成することができ、またπ sof t +
の電荷の符号によりK
中間子とπ
中間子を特定できるため、粒子識別性能の見積りに適している。D ∗ + → D 0 π + sof t → K − π + π sof t +
崩壊の実データとモンテカルロシミュレーションを用いて再構成効率を 求め、K/π
中間子のPID
カットの値を実データに合わせて最適化した。D ∗ + → D 0 π sof t + → K − π + π sof t +
を再構成する際の選別条件をそれぞれ表7.6
に示す。表
7.6: D ∗ + → D 0 π + sof t → K − π + π sof t +
の選別条件粒子 選別条件
dr(IP
からトラックまでのビーム軸に垂直方向の距離)<1.0cm
K − | dz | (
ビーム軸方向の距離) <4cm p t (横運動量) >0.2GeV/c
dr <1.0cm
π + | dz | <4cm
p t >0.2GeV/c
重心系の運動量p <1.0GeV/c
π sof t + dr <2.0cm
| dz | <5cm p t <0.3GeV/c
D 0 1.845GeV/c 2 <M(K − π + )<1.885GeV/c 2 mass vertex constraint fit
を使用D ∗ + Q
値(D ∗ +
の質量と、D 0
とπ +
の質量和の差)<0.025 vertex constraint fit
を使用更に再構成の後、
χ 2
が最も大きいイベントを最終的なD ∗ +
の候補とするBest Candidate Selection
をした。7.4.2 粒子識別に用いる検出器の検討
Phase II
の実データにおけるD ∗ + → D 0 π sof t + → K − π + π sof t +
崩壊を用いて、K/πID
のカット をかけていないときを基準として、K/πID>0.001
のK
中間子を選んだときのK
中間子efficiency
及び、π
中間子をK
中間子と誤識別してしまうfake rate
を、粒子識別に用いる検出器を変えて検討 した。その結果、表7.7
および表7.8
に示すように、CDCとSVD
を用いたPID
ではefficiency、fake
rate
ともに悪く、ARICHとTOP
を用いたPID
ではfake rate
は良いもののefficiency
が悪いことが わかった。対して、全検出器を用いたときのefficiency
が98%
と高く、かつπ
中間子の背景事象も8
割程度削減できることがわかった。以降のPID
カットでは全検出器を用いたPID
カットの値を用 いる。表
7.7: K/π ID>0.001
のK
中間子を選んだときのK
中間子のefficiency
PID cut
なし100%
全検出器を用いた
PID cut
あり98%
CDC
とSVD
を用いたPID cut
あり68%
ARICH
とTOP
を用いたPID cut
あり83%
表
7.8: K/π ID>0.001
のK
中間子を選んだときのπ
中間子のfake rate
PID cut
なし100%
全検出器を用いた
PID cut
あり21%
CDC
とSVD
を用いたPID cut
あり55%
ARICH
とTOP
を用いたPID cut
あり15%
7.4.3 粒子識別パラメータのカット値の決定
D ∗ +
の質量とD 0
の質量の差(図 7.15)
を式7.21
でフィットし、式7.22
で面積を計算しD ∗ +
の 数を求める。D∗ +
の数の誤差は式7.23
で計算する。ここでパラメータはa, b, c, d, e, f
で表し、その 誤差はa err
で表した。D*+M-D0M[GeV/c^2]
0.14 0.142 0.144 0.146 0.148 0.15 0.152 0.154
Entries
0 10000 20000 30000 40000 50000
図
7.15: D ∗ +
の質量とD 0
の質量の差∆M = a
√ 2πc exp( − (x − b) 2
2c 2 ) + da
√ 2πf c exp( − (x − e) 2
2(f c) 2 ) (7.21)
N = a + da
ビン幅
(7.22)
∆N = a err (1 + d)
ビン幅
(7.23)
上記のフィットによりバックグラウンドを差し引いた信号数から
K/π
識別効率ϵ(
式7.24)
求め る。N0
をPID
カット前の信号数、N1
をPID
カット後の信号数とする。ϵ = N 1
N 0
(7.24)
ドキュメント内
ARICH 検出器のアライメント
(ページ 78-81)