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Japan,Australia, Canada,Denmark,

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Hong Kong,

England and Wales, European Union, United States

協力国

「MRI」と入力

JCQHCの 医療安全情報 No. 10

「MRI検査室への磁性体

(金属製品など)の持ち込み」

(領域別による検索)

「Patient identifi cation」を選択

JCQHCの医療安全情報 No. 25

「診察時の患者取り違え」

図12 世界のアラートを検索できるアプリ(Global Patient Safety Alerts)の画面     及び医療安全情報(英語版)

(トップ画面)

(キーワードによるアラート検索①、

 例:MRI)

(国名によるアラート検索)

(組織名によるアラート検索)

(医療安全情報 No. 10 「MRI検査室への  磁性体(金属製品など)の持ち込み」の  作成国、組織、URLなど)

(医療安全情報 No. 10 「MRI検査室への  磁性体(金属製品など)の持ち込み」英語版、

 1ページ目)

5  The  International  Society  for  Quality  in  Health  Care(ISQua) 30th  International  Conference 出席報告

平成25年10月14〜16日に、英国エジンバラで開催された、ISQua第30回国際会議に 出 席 し ま し た。 医 療 事 故 情 報 収 集 等 事 業 に つ い て は、 1 0 月 1 5 日 に「Health Information  Technology」のセッションで、15分の講演を行いました。セッション終了後には、英国スコットラ ンド、シンガポール、ハンガリー、ブラジルの各国からの参加者から、同様な報告制度を実施するこ とに高い関心を持っておられ、熱心なご質問を受けました。

図13 国際会議プログラム 図14 本事業について発表したセッション

特に、英国スコットランドの医療安全関の組織である Healthcare Improvement Scotland(http://

www.healthcareimprovementscotland.org/welcome̲to̲healthcare̲improvem.aspx) の 参 加 者 か ら は、国際会議終了後、本事業の講演スライドについて、スライドの提供と NHS Scotland の教育関連 ホームページへの掲載依頼がありました。そこで現在では同ホームページからスライドを閲覧するこ とが出来ます。

スライド(抜粋)

その他、産科医療補償制度はポスター発表や、本財団や運営する事業に関連して、講演2件、ポスター 1件の発表を行いました。

また、2016年の同会議は、本財団が中心となって東京で開催することが決定していることか ら、それに向けて我が国の医療の質・安全の改善の取り組みをアピールするために、ブースを出展し、

本財団の運営する病院機能評価事業、認定病院患者安全推進事業、医療事故情報収集等事業、薬局 ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業、産科医療補償制度、EBM医療情報事業(Minds)につい て紹介しました。

SQuaとは

○ ISQua(The International Society for Quality in Health Care)は、医療の質の向上に関わ る国際団体で1985年に設立され、現在の本部はダブリン(アイルランド)。

○ ISQuaは、約70カ国の組織会員、個人会員とアイルランド政府から資金を得て運営され ている。本財団は組織会員として登録するとともに、個人会員として、本財団役員が参加して いる。

○ ISQuaは、主に以下の事業を行っている。

・病院等の第三者評価に関する国際認証 ( IAP: International Accreditation Programme)

・学会誌 “International Journal for Quality in Health Care” の出版

・医療の質向上に関する教育・啓発事業 (ISQua Education)

・国際学術会議 “International Conference” の開催

○ ISQuaでは上記の国際学術会議を毎年開催しており、本年10月に英国エジンバラで開催 された第30回国際学術会議では、次のテーマについて講演や演題発表等が行われた。本財団 からも4名が5件の発表を行った。

①ガバナンス、リーダーシップ、医療政策

②患者安全

③地域の健康改善

④患者・家族の参加、協働

⑤認定と外部評価

⑥安全と質に関する教育

⑦途上国における質と安全の改善

⑧ヘルスインフォメーション・テクノロジー

⑨パフォーマンスとアウトカム

○今後の開催地(予定)

・2014年:ブラジル(リオデジャネイロ)

・2015年:カタール

・2016年:東京

本事業に関連し、地域〜全国レベルの有害事象報告の仕組みや収集した情報の活用に関する演題は 多くありませんでしたが、そのうち主なものを次に紹介します。

Would mandatory reporting and statutory privilege have made a difference?

Clifford Hughes; ISQua

○ かつて米国議会において、医療事故における死亡事例が問題視され、懲罰によって医療安全を 達成しようとする考え方があった。しかし、「結果が重大である」「ルールを逸脱した」「リス クの大きすぎる行為を実施した」ことを持って懲罰を与えて医療安全を達成しようとしても成 功しない。そこで現在では、

・失敗に対してオープンな姿勢で臨むこと

・学習こそが強調されるべきであること などの考え方が採られている。

○  NSW(New South Wales 州)では、毎年の入院が150万人、600万人/日であり、この ほかに180万人の非入院救急患者がおり、さらに多くの患者が地域で治療されている。平均 在院日数(Average Length of Stay:ALOS)は3.2日。

○ 毎年、14万件のインシデントと1万5000件の苦情が報告されている。これらのうち 600件は “Serious” と分類(SAC1; Severity Assessment Code1)されている。SAC1 の事例 の中には、450件の患者の死亡事例がある。

○  The Collaborating Hospitals' Audit of Surgical Mortality (CHASM) は、NSW 州の協力医療機関、

医師の間で行っている手術の実施を問わず入院中の死亡のピア・レビューシステムである。そ の成果として、

・Program report:専門診療領域別、診療地域別の外科死亡事例の統計をフィードバックする。

・ Individual Surgeon's Report:外科医個人別のデータを、専門医、参加している全ての外科医の データと比較可能な形で本人にフィードバックする。

・ Case Book:誤嚥性肺炎、静脈血栓症の予防などのテーマに関する報告書 を外科医に還元している。

(Individual Surgeon's Report)

(Case Book)

○ 麻酔の領域では、1960年代から同様なレポートを公表してきた。そして、得られた教訓と しては、次の通り。

・死亡事例のレビューの仕組みを創設するためにはリーダーシップが重要。

・正しく構成された仕組みの中で行うピア・レビューは有効な方法。

・内部や外部と有効なコミュニケーションを図ることは死亡事例のピア・レビューに有用。

・死亡事例のレビューは意思決定者に知恵を与える。

・死亡事例のレビューは、教育的であるべきであって、懲罰的であるべきではない。

・ 死亡事例のレビューの結果は、公開され、医療者、医療政策遂行者、一般市民、利害関係者 の間で共有されるべき。

○ 得られたデータは、「コミュニケーションエラーによる術前診断の確認遅れや確認不足」など 13の Performance indicator の評価にも使用されている。

○ その結果、深部静脈血栓症予防の実践や、待期手術が予定通り実施される、といった改善が進 んでいる。また、後方視的にみてリスクの高すぎる患者に対する手術の実施など、手術適応の 決定に問題があった事例が多いことがわかってきた。

○従って、次のことが有用である。

・医療者と協力してインシデントレポートを分析すること。

・ 重大なインシデントのレポートを分析するにあたり、RCA(Root Cause Analysis)などの 体系化された方法論を用い、どの場所、分野でどのような変化を起こすか決定する。

・仕組みを提供し、社会に還元する。

として、病状悪化の把握不足、敗血症の患者の診断と管理、医薬品に関する事項、急性腹症の 患者の認識と管理、転倒後の管理、急性冠症候群の診断と治療などが見出された。

○ これらの事項に基づいて、強力なレベルの推奨事項を作成するように地域のスタッフを教育し ている。

○ 医療において我々は、安全の推進は、単に報告してもらう以上に困難で扱いにくい課題である ことを、痛みを伴いながらゆっくりと学んできた。課題やリスクを報告してもらうことこそが 出発点である。したがって、NSWの全てのスタッフには、実際に発生したインシデントや有 害となる可能性があったインシデントを、州規模のインシデント報告・管理制度において報告 することが求められている。

Building a national approach to learning from adverse events through reporting and review.

N. Feilden, M. Aggleton, J. Long, l. Hamilton; UK

○  Healthcare Improvement Scotland は Public Services Reform (Scotland) Act  2010に基づ く組織であり、スコットランドの医療の質の向上を目的としている。2012年には、NHS  Ayrshire & Arran(スコットランドの Ayrshire & Arran 地域のNHSの病院群 *)において、重 大なインシデント、有害事象、事例を活用した学習などの仕組みを調査した。調査報告書は、

スコットランドの14あるNHSの事務局に提供され、現在ではそれぞれの地域で有害事象が 有効に活用される確実な仕組みを構築するために活用されている。

※スコットランド政府のNHS

NHS Ayrshire and Arran, NHS Borders, NHS Dumfries and Galloway, NHS Fife, NHS Forth Valley, NHS Grampian, NHS  Greater Glasgow and Clyde, NHS Highland, NHS Lanarkshire, NHS Lothian, NHS Orkney, NHS Shetland, NHS Tayside,  NHS Western Isles

※NHS Ayrshire & Arran に属する病院

Ailsa Hospital, Arran War Memorial Hospital, Ayrshire Central Hospital, Biggart Hospital, East Ayrshire Hospital,  Girvan Community Hospital, Kirklandside Hospital, Lady Margaret Hospital, University Hospital Ayr, University  Hospital Crosshouse

○ NHS Ayrshire & Arran の調査報告書で示した6つの推奨項目は次の通り。地域のNHS  board について、これらの項目を測定した。

・利害関係者との協働

・スタッフの教育

・役割と責任の明確化

・情報管理

・リスクに応じた透明化された意思決定

・時宜を得たマネジメント、学習、情報周知と実践

○ 訪問前分析(Pre-visit analysis)は、次の事項について実施した。

・有害事象のマネジメントの方針と手続き

・ガバナンスと報告制度の調整

・NHS Ayrshire & Arran の調査報告書を受けた、現在及び将来計画の評価

・  直近18ヶ月間に発生した重大な有害事象の規則のリスト及び具体的な有害事象の詳細な 分析結果

○ 訪問調査(Review visit)は、スコットランド全土から専門家を招集し、医療機関を訪問した。

訪問時は、マネジメントの立場の幹部から医療現場で働いているスタッフまで接触し、有害事 象の活用状況を調査した。

○ その結果、スコットランド全土のNHSの医療機関において、有害事象のマネジメントのため の方針や手続きは存在しているが、方法論はそれぞれ異なっており、協働して学習する体系的 な方法は NHS Scotland には存在していなかった。

○先述した6つの推奨項目に関する教訓は次の通り。

・  事例から有用なフィードバックを受けている事例では、有害事象のマネジメントに医療現場 のスタッフが関与していることが多い。

・  組織横断的に有害事象のレビューの能力を有する訓練されたスタッフを保有しておくことに より能力が維持され、最新の訓練を受けたスタッフの確保につながる。

・  有害事象のマネジメントに強い責任感をもつ幹部を見出すことにより、その人が改善のため の行動の全体像や実施主体を提示することが出来る。

・  有害事象から導かれる推奨事項や行動を、明確な仕組みに基づく恒常的な報告・モニター制度 により把握することで、組織横断的に時宜を得た学習成果の実践、共有、適用に活用できる。

Patient Safety Tools (双方向性のワークショップ)

Facilitators: Allen Kachalia; US, David Bates; ISQua, Eyal Zimmlichman; US, Malcolm Daniel; SC

ワークショップにおける、ファシリテーターの講演内容は次の通り。

(1) Improving Patient Safety: Essential Processess and Skills

   Allen Kachalia; US, David Bates; ISQua, Eyal Zimmlichman; US, Malcolm Daniel; SC

○ 医療安全が重要なのは、先進国でも有害事象の発生率は10%に上ることから、健康被害の主 要な原因ではなくても、不必要なコストの発生原因となっている。

○ 主要な健康被害の原因は次のとおり。

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