第 3 章 スプライシング制御因子の同定法の構築とその応用
第 2 節 In vitro binding 反応と RNA-Electrophoretic mobility shift assay
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第 2 節 In vitro binding 反応と RNA-Electrophoretic mobility shift
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濃度が4%となるように50% glycerolを加えて比重をつけたサンプルを電気泳動 した。
2-2 Native-ポリアクリルアミドゲル電気泳動 (Native-PAGE)
0.375M Tris-HCl (pH8.8) 8.2 mL、30%アクリルアミド溶液1.7 mL、10% APS
100μL、TEMED 10μLを混和し、ゲル作製用のガラス板に流し込んだ。
ウェル作製コームを差し、ゲルを完全に重合させた。1×Tris/Glysine buffer を満 たした電気泳動槽 (ATTO)にゲルを固定し、調製した各電気泳動用サンプル をアプライして100Vの定電圧で60分間電気泳動した。
2-3 蛍光検出
電気泳動後、泳動槽からゲル板を取り出し、蛍光標識したRNAプローブの検 出を行った。6-FAMの励起波長は492 nm、蛍光波長は510 nmである。ImageQuant LAS4000を使用し、lightはBlue light(460 nm EPI)、FilterはY515フィルター を使用した。
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第 2 項 実験結果
1. RNAプローブの設計
IRエクソン11領域に結合するスプライシング制御因子を同定するため、RNA
-EMSA を行った。EMSA は蛋白質と核酸が相互作用し、複合体を形成するこ とで、電気泳動時に核酸の移動度が低下する現象を利用した解析法である。
36塩基から構成されるIRエクソン11全領域と前後イントロンの一部断片を 含む48塩基からなるRNAプローブを設計した。図3-7に、設計したRNAプロ ーブの塩基配列を示す。従来のEMSA法ではRNAプローブの標識にラジオアイ ソトープ(RI)ラベルである32Pを使用し、オートラジオグラフィーで検出する。
しかしながら、RIは半減期が短いことや取扱いに注意を払う必要がある。そこ で本実験では扱いやすい非RIラベル化法の一つである蛍光標識(6-fluorescein
amidate; 6-FAM)を採用した90)。5’末端側に標識を施し、その蛍光を検出するこ
とでRNAプローブの動態を追跡することができる。RNAプローブの合成は受 託会社に依頼し、以降の実験に使用した。本実験で行うRNAプローブ名は “IR e11 RNA”とした。
図3-7 RNA-EMSAに使用するRNAプローブ 「IRe11 RNA」の設計
- 69 - 2. In vitro binding反応と複合体の分離
In vitroスプライシングの実験で一般的に使用されているHNEを蛋白質源とし
て、IR e11 RNAと蛋白質の複合体形成を行った。
図 3-8a は予想される蛍光検出結果の模式図であり、図 3-8b は実際に行った RNA-EMSAの実験結果である。Lane 1はHNEのみ、Lane 2にはIR e11 RNAの みをアプライし、コントロールとして使用した。Lane 3はIR e11 RNAとHNE
をin vitroで反応させて複合体形成を行った反応溶液をアプライした。その結果、
予想された通り、Lane 1ではIR e11 RNA由来の蛍光バンドは観察されず、Lane
2ではIR e11 RNA由来の一本の蛍光バンドが観察された。一方、IR e11 RNAと
HNEを反応させたサンプルをアプライしたLane 3には4つの移動度が低下した 蛍光バンドが観察された。この結果より、IR e11 RNAと蛋白質が4つの複合体 を形成していると考えられた。この複合体をa, b, c, dとし、前節で条件検討を行 った蛋白質同定法を用いて、複合体の構成蛋白質を同定した。
図3-8 HNEとIR e11 RNAとの複合体形成
a b
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