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第8章  職員人事異動

5. INOUE A., SHEN B.L

Soft Magnetic Properties of Nanocrystalline Fe-Co-B-Si-Nb-Cu Alloys in Ribbon and Bulk Forms

Journal of Materials Research, 12(2003), 2799-2806.

磁性材料学研究部門

部門担当教授

高梨 弘毅

(2000.11~)

【部門構成員】

教授:高梨 弘毅、 助教授:三谷 誠司、 助手:小尾 俶久、 助手:嶋 敏之、 助手:薬師寺 啓、

その他(事務補佐員 1名)

【研究成果:2002 年度】

本部門では、人工ナノ構造制御によって、スピンエレクトロニクスへの応用を目指した材料の開発と物理 現象の基礎研究を行っている(総合解説として、(5))。2つの主要テーマがあり、1つは磁性ナノ粒子系にお けるスピン依存単一電子トンネル現象の研究であり、もう一つは高い磁気異方性を有するL10 FePt規則合金 のナノ構造化と磁気特性の研究である。前者の成果として、Al-O絶縁マトリックス中にCoナノ粒子が分散 したグラニュラー薄膜を用いた微小CPP (Current-Perpendicular-to-Plane)素子構造を作製し、明瞭なクー ロン階段とそれに伴うトンネル磁気抵抗効果(TMR)の振動現象を発見した(1, 2)。TMRの振動現象は理論 的には予言されていたが、実験的に明瞭に観測したのは我々のグループが世界で初めてであり、国内外の多 くの学会で招待講演を行った。後者の成果としては、単原子層交互積層によって高い規則度を有するL10 FePt 薄膜の低温合成に成功したこと(3)、高配向・高規則度のL10 FePtナノ粒子集合体を作製し 40 kOe 以上と いう大きな保磁力を実現し、ナノ構造と保磁力の関係を明らかにしたこと(4)が挙げられる。これらの成果 は、ハード磁性の基礎研究という観点からもまた材料開発という応用の観点からも高く評価されており、発 表して僅か3年足らずであるが論文の引用度は高い。

1. K. Yakushiji, S. Mitani, K. Takanashi and H. Fujimori

Tunnel magnetoresistance oscillations in current perpendicular to plane geometry of CoAlO granular films

J. Appl. Phys., 91 (2002), 7038-7040.

2. K. Yakushiji, S. Mitani, K. Takanashi and H. Fujimori

Tunnel magnetoresistance oscillations associated with Coulomb staircases in insulating granular systems

J. Phys. D, 35 (2002) 2422-2426.

3. T. Shima, T. Moriguchi, S. Mitani and K. Takanashi

Low temperature fabrication of L10 ordered FePt alloy by alternate monatomic layer deposition"

Appl. Phys. Lett., 80, (2002) 288-290.

4. T. Shima, K. Takanashi, Y. K. Takahashi and K. Hono

Preparation and magnetic properties of highly coercive FePt films Appl. Phys. Lett., 81 (2002) pp. 1050-1052.

5. 高梨弘毅

ナノへテロ金属多層膜研究の現状とスピンエレクトロニクスへの展開 日本金属学会報(まてりあ),41 (2002) 406-409.

【研究成果:2003 年度】

前年度に引き続き、主要テーマとして、スピン依存単一電子トンネル現象の研究とL10 FePt規則合

金薄膜の研究に取り組んだ。スピン依存単一電子トンネル現象の研究としては、前年度に TMR の電 圧に対する振動現象の観測に成功した。しかし、観測は低温(4.2 K)に限られており、実用的な価値 は乏しかった。この研究の最終的な目標は、室温でスピン依存単一電子トンネルに基づく TMR の電 圧制御を可能にし、磁気メモリーなどのスピンエレクトロニクス素子への応用に道を拓くことである。

そのためには、これまでのようなグラニュラー薄膜ではなく、サイズの均一な磁性ナノ粒子の規則配 列を作製することが必要である。そこで、MgO等の単結晶トンネル障壁層上にFe等の磁性ナノドッ トをエピタクシャル成長させることにより、ナノドット集合体の自己形成過程に関する研究を開始し た(1)。関連して、MgOトンネル障壁を用いた接合素子におけるTMRの研究も行った(2)。また、

九州大学との共同研究であるが、グラニュラー薄膜の TMR が圧力によって増大することを見出し高 次トンネル過程の理論により説明した(3)。L10 FePt規則合金薄膜については、組成をPtリッチに することによって低温規則化が促進されるという興味深い現象を見出した(4)。組成を調整するだけ という簡便な方法により、高規則度を有する薄膜が低温で得られることは実用的価値も高いと期待さ れ、特許も出願した。また、秋田大学との共同研究であるが、ナノ構造とハード磁性の関係について、

磁気力顕微鏡観察による磁区構造の観点からも知見を深めた(5)。 1. F. Ernult, S. Mitani, Y. Nagano and K. Takanashi

Preparation of nanometer-scale iron dots on insulating layer Science and Technology of Advanced Materials, 4 (2003) 383-389.

2. S. Mitani, T. Moriyama and K. Takanashi

Fe/MgO/FeCo(100) epitaxial magnetic tunnel junctions prepared by using in-situ plasma oxidation

J. Appl. Phys., 93 (2003) 8041-8043.

3. S. Kaji, G. Oomi, S. Mitani, S. Takahashi, K. Takanashi and S. Maekawa Pressure enhanced tunnel magnetoresistance in Co-Al-O granular films Phys. Rev. B, 68 (2003) 054429 (5 pages).

4. T. Seki, T. Shima, K. Takanashi, Y. Takahashi and E. Matsubara and K. Hono L10 ordering of off-stoichiometric FePt (001) thin films at reduced temperature Appl. Phys. Lett., 82 (2003) 2461-2463.

5. G. Q. Li, H. Takahoshi, H. Ito, H. Saito, S. Ishio, T. Shima and K. Takanashi Morphology and domain pattern of L10 ordered FePt films

J. Appl. Phys., 94 (2003) 5672-5677.

結晶材料化学研究部門

部門担当教授

宇田 聡

(2003.4~)

【部門構成員】

教授:宇田 聡、 助教授(兼):宍戸 統悦、 助手:恒川 信

【研究成果:2002 年度】

現研究室は存在しないので割愛

【研究成果:2003 年度】

これまで、融液成長において界面不安定性の問題を解決し、最適過冷却度の選択を行い、4インチ径 の大型ランガサイト(La3Ga5SiO14)単結晶の育成に成功している。

(1) しかしながら多結晶化に起因する育成歩留まり低下の問題が解決されていなかった。そこでラン ガサイト組成近傍の融液に対しその結晶化過程を精査したところ、ランガサイトが非コングルエン ト物質であることを明らかにし(1)、このことが多結晶化の原因になることを突き止めた。次に、

この問題を結晶成長に必要な過冷却度を得るための融液冷却速度を適正化することにより歩留まり の改善を行った。

(2) ランガサイト結晶のSAWデバイス基板としての実績の増加に伴い(5)、ランガサイトの材料定数の より正確な値を求める要求が、強くなってきている。我々もこれに応じて超音波共振法にレーザー干 渉を組み合わせる新しい材料定数の測定方法を開発し、定数の更新を試みている(2)。また、ランガ サイト型結晶について、その音響的損失を知るため、温度に対するQ値の変化を正確に求めた(4)。

(3) また、ランガサイト単結晶の応用分野として従来の弾性表面波フィルタ基板用途以外に、高温安 定特性を活かした無給電タイプの無線温度センサー を開発試作した(3)。また、自動車エンジンの 内燃圧センサー用圧電材料用として最適なランガサイトバルク単結晶を開発し(5)、室温から800˚C に至る高温まで圧電定数、誘電率データを取得している。これらのランガサイトを使用した燃焼圧 センサーに関しては、自動車メーカーでサンプル評価が行われている。

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