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ILO(2016)。

ドキュメント内 博士学位論文(東京外国語大学) (ページ 59-136)

22 「El Nuevo Diario」2012.11.23。

23 The Guardian:https://www.theguardian.com/world/2018/apr/21/five-people-die-as-anti-government-protests-spread-across-nicaragua, (2019年9月23日取得)。

24 The Guardian:https://www.theguardian.com/world/2018/may/16/nicaragua-latest-daniel-ortega-talks-student-leaders, (2019年9月23日取得)。

25 Vilas(1992)によると、サンディニスタ革命以前ではニカラグアの2大都市(レオンとグ ラナダ)で中心的な商業をコントロールしていた人々は特定のグループであった。

26 ジョン・R・ギリスはヨーロッパの「若者」に関する研究において、19世紀後半の中等 教育(14歳から18歳)の発展は、中産階級の青年に通学期間の延期をもたらし、子ども からおとなへの移行は高等教育制度のなかで実現されたと説明した。これに対して、アリ エスの「子ども期」においては、ラテン語のPuer(子ども)とAdolescens(若い人)が 相互に交換できる言葉として用いられ、工業化以前の社会では「おとな」に依存する「子 ども」という観念は存在したが、成人への移行期が不明確であった。

27 松久(2016:171-172)。

28 「La Prensa」2012.11.15。

29 「El Nuevo Diario」2012.11.12。

30 「Macho」(男性)が語源であり、ラテン・アメリカ社会では普遍的に見られる男性優 位主義的な価値観である。

31 大江(1996)。

32 三田(1998)は現地社会では「子どもであることは恥ずかしいことと考えられ、早熟が 好まれた」(三田1998:37)と説明した。

33 松久(2016)。

34 Baracco (2004)。

35 「La Prensa」2014.2.19。

36 Murrugarra, Larrison, and Sasin.(2011)。「La Prensa」2014.1.9。

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第3章 対象事例の概要

1 事例対象NGOの活動の現状

第2章で述べた通り、ニカラグアでは依然として厳しい貧困に直面する人が多く(貧困 層の間では事実婚による非嫡出子が多く、また父親が不在の状況での出産も多い)、子ど もの養育能力が欠如しているため、育児放棄や子どもを見捨てる親が多い。そのため現在 も多くのストリート・チルドレンが観察され、彼(女)らの大半は虐待や暴力を受けたり、

売春や犯罪に巻き込まれたり、ドラッグ依存に陥るなどの経験を持っている。国家全体に おける社会経済の発展が遅れている中、こうした子どもたちの成育における諸課題の克服 は、現状として主にNGOセクターに委託されている状態にある。

「子どもの権利条約」が国連総会で採択された後、ニカラグアでは国際社会からの外圧 を受けながら、子どもへの措置に関する法規定「Código de la Niñez y la Adolescencia」

が1998年に制定された。この規定により18歳以下の子どもに対する措置は明確に成人と 区別された(13歳までを「児童」、14歳から18歳までを「青少年」と定義された)。本 研究の対象元ストリート・チルドレンとの関係において、14歳から18歳までの子どもに 青少年刑事司法が適用されることとなった点は重要である。Aセンターではこの法規定に 勘案し、基本的に14歳から18歳までの青少年を対象として社会教育を実施している。

Aセンターは首都マナグアの旧中心地に位置し、施設外活動の際には市内バスを使わず、

徒歩で公共施設とAセンターを往来することもしばしばある(筆者が最も多く参加した施 設外活動は、マナグア市内最大の運動施設「ルイス・アルフォンソ・ベラスケス公園」で のスポーツ活動である。)。施設の敷地は150平方メートルくらいあり、四面は約3メー トルの高さのコンクリート壁によって囲い、門には 24 時間管理体制の警備員を配置させ

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ている。敷地内はでは複数のオフィスと子どもたちの活動空間がつくられており、施設専 用の車両と発電機など生活や活動に必要な備品が数多く備えている。更に市内で少し離れ たところに若年妊婦・産婦のための別館も設けられている。Aセンターにおける主な活動 は地図3の黒い線で囲ったエリア内で実施されることが多い。

地図2: マナグアの位置

地図3: Aセンターの主な活動区域

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図1:Aセンターの配置図 (☆:筆者が自由に使える「多目的活動セクター」の事務室)

駐 車 場

トイレ

倉庫

キッチン サッカー コート

バレー コート

多目的

スペース

食堂

水 場

警 備 室 面

談 室 会 議 室

務 室

事 務 室

ラウンジ

事務室 受付

事務室

事務室 事

ジム

務 室 面談室

保 健 室 休 養 室

宿泊棟 3 宿泊棟

2 宿泊棟 1

事 務 室

教 室

教 室 バスケ

ット・

コート 機械

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Aセンターでは、主に現地スタッフが365日24時間の体制で青少年たちに対して支援 活動を行っているが、施設運営(特に資金運用)は表4で分かるように欧米諸国の市民社 会団体(特にカトリック宗教団体と国際アライアンス系 NGO)からの援助が主であるた め、活動の理念や基本方針も外部から大きな影響を受ける。一般的に出資額が多いほど活 動に対する発言権も大きくなるが、Aセンターではアメリカによる資金援助が突出して多 いことと、ニカラグア国内からの資金獲得が極めて少ないことが特徴であり、Aセンター の活動の意義について検討する際に留意すべき点である。ここでは年間活動資金の規模と、

全体の中でアメリカからの資金が占める割合を示すにとどめる。

表4: 2015年の施設運営予算(単位:米ドル)

直接寄付 他の国の支援(イ ギリス・スイス・

オランダ)

ア メ リ カ 政府機関

国際支援団体 施 設 本 部

(アメリカ)

合計

63,680 13,178 268,641 418,354 498,127 1,261,981

Aセンターの公開情報を基に筆者作成。

Aセンターの組織体制は団体の代表1名、プログラム総括1名、人事担当1名、広報担 当2名、経理担当2名(従属部署である設備管理担当2名と食堂担当1名)、受付・清掃 2名、教育総括1名とその他職員計34名(別館と兼任)、別館総括1名、路上セクター3 名、心理療法セクター4名、多目的活動セクター2名、家族セクター2名、自立支援セクタ ー2名、法的支援セクター2名、社会支援セクター3名、保健センター1名で構成されてい る。基本的に毎日元ストリート・チルドレンと接しているのは「Educadores」と呼ばれる

「教育セクター」の職員たちであるが、こうした職員たちは教育というより生活全体にお ける運営・管理の業務に従事しており、プログラム内の様々な専門セクターによって設計

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された諸活動の補助役である。「教育セクター」の職員たちは 3 交代制で勤務しており、

平日の午前と午後はそれぞれ7名、夜は4名の体制で24時間元ストリート・チルドレン たちと一緒に生活している。専門セクターの職員と「教育セクター」の職員問わず、彼(女)

らの多くは前職もNGO職員である。

図2: Aセンターの組織図

参与観察を基に筆者作成。

現在では同施設の宿泊キャパシティーは最大110名まで収容することができ、全寮制の 形で社会復帰支援プログラムを実施している。図1で示した宿泊棟1は全レベルの女子寮、

宿泊棟2はレベル1の男子寮、宿泊棟3はレベル2・3の男子寮となっている。同施設で は昼間の活動のみ参加する子ども(全体の1割程度)を合わせると、常時100名から120 名程度の子ども(年齢不明な子どもや若年妊産婦とその子どもも含む)を受け入れおり、

年間の総合計では400名以上の子どもに対して社会教育を行っており、元ストリート・チ

プログラム長

教育総括 別館総括

路上 セクター 心理療法

セクター

多目的活動 セクター 家族

セクター

自立支援 セクター 法的支援

セクター

社会支援 セクター 保健

セクター Aセンター

代表

プログラム 人事担当 総括

広報担当 経理担当

設備管理

食堂担当 受付・清掃

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ルドレンの社会化支援の分野においてはニカラグアで代表的なNGO団体である。同施設 では毎週のように2・3名の元ストリート・チルドレンがドロップアウトし、また同じくら いの人数のニューカマー(Aセンターからのドロップアウトとリターンを複数回繰り返す 子どもも含む)が現れ、その都度NGO職員の間で情報が共有され、収容メンバーのリス トも定期的に更新されている。

Aセンターにおける具体的なの活動スケジュールについて、日によって異なるが、下記 の表5と表6と表7は2年間の参与観察の中で最も実施された活動内容であり、朝食後か ら夕食前までの週間スケジュール例である。Aセンターでは平時の起床(6:00)から朝食

(7:00)までの時間と夕食(17:00)から就寝(20:00)までの時間は基本的に自由時 間である。「教育セクター」の職員はこの自由時間にシャワーや身支度などを済ませるよ うに促しているが、毎日のように指示通りにやらない(できない)子どもがいる。また、

この時間帯にものがなくなったり、元ストリート・チルドレン同士のトラブルが発生した り、職員の目を盗んで規則違反(例えば喫煙)のことをやったりする子どももいるため、

施設内では最も賑やかな時間帯である。

表5: レベル1(非ドラッグ依存者)の日課・スケジュール例

時間

8:00

-9:00

保健につい

ての活動

自己評価・

理解について

の活動

リーダーシッ

プに関する啓

発活動

暴力に関す

る啓発

映画・音楽

鑑賞

専門セクターがスポーツや手工

芸など施設内で出来る活動を金

曜日に予定作成し、「教育セク

ター」の職員に引継ぎする。

9:00

-11:00

セルフケア グループ療法 グループ療法 くつろぎ くつろぎ

ドキュメント内 博士学位論文(東京外国語大学) (ページ 59-136)

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