る電化村
需要代替分
(総供給量一定)
節約外貨(節約輸入量)
IV.
オフグリッドにより供給されている電化村 需要代替分(総供給量一定)
節約代替生産コスト(ディーゼル エンジンなど)
したがって厳密には、本電力系統プロジェクトの便益計算に当たっては上記表の
II.から IV.までの需要についても
分析に含める必要があるのだが、以下の理由で示すように便益分析の結果への寄与度が小さいとみなせるため、計算を簡単にするため、詳細な分析には含めていない:
II.
:6.7
節の需要想定では、既電化世帯については年3%の割合で一人当たり電力使用量が増加する仮定で予測 を実施しているが、2010年から2030
年までの総需要増分は全需要増分の3%に過ぎない。
III.
:最適系統計画では、基本的に国内需要想定の増分に対応する送変電設備の供給計画を見積もっているため、輸出削減効果は殆ど見込んでいない。
IV.:ラオス国電力統計 2007
によると、2007年度の国内の年間電力消費量は国全体で1,311 GWh、EDL
グリッド供 給による消費量は1,298 GWh
である。したがって差し引き13GWh
がオフグリッド電化相当とみなせるが、これが仮 にグリッド電化されたとしてもわずか1%未満に過ぎない。I
II III IV
需要増加分
需要代替分
■:I.
未電化分、■:II.既電化分、■: III. 輸入電化分、■:IV.オフグリッド電化分 需要イメージ0 2,000 4,000 6,000 8,000 10,000 12,000 14,000 16,000
2009 2012 2015 2018 2021 2024 2027 2030
GW h / 年
第
10
章 電力系統プロジェクトの評価10-20
05,000 10,000 15,000 20,000
2009 2014 2019 2024 2029 2034 2039
国内需要 [GWh]
図10.6-3
2010年から2040年のラオス国需要予測(全体)
(3)
最終便益以上の検討から、本電力系統プロジェクトは、(1)の経済価値(WTP)に(2)のエネルギー消 費量(需要増加分)を掛け合わせたものを最終便益とした。需要家への供給電力量と事業便 益の流れを章末の図
10.6c-1
に示す。10.6.3
経済費用表
10.4-4
「送変電設備建設の年度毎の投資計画」に示す本事業に係る資本支出費用は、市場価格による財務価格であり、これを経済価格に変換する。但し、外貨建てにより積算された 事業費用部分は、充分に競争的な国際市場における「国境価格」で表示されており、これら はその財やサービスの供給に用いられる資源の実価値(経済価格)を表している。一方、事 業費用のうち現地貨(もしくは内貨)部分は、通常政府の規制や、補助政策などによりその 市場価格が歪められており、資源の実価値を表していないため、経済価格に変換する必要が ある。経済価格への変換に当っては、現地貨部分の財やサービスに対する標準変換係数
(Standard Conversion Factor(SCF))を用いる。本評価では前出の
ADB
調査7
にならってこれ を0.9
と仮定した。従って、本事業の経済価格による費用算定にあたっては以下の式を適用 し、費用の流れは便益と同様に図10.6c-1
に示す。本事業の経済費用 = 外貨部分(FC) × 1.0 + 内貨部分(LC) × 0.9
なお、表
10.4-4
「送変電設備建設の年度毎の投資計画」では現在建設中の案件の事業費は含まれていなかったため、本分析にて該当費用を加えることとした。EDL より提供された各 建設中案件の総事業費を他の計画中の案件と同様の仮定(施工期間
3
カ年。外貨/内貨割合7 Preparing the Greater Mekong Subregion Northern Power Transmission Project, Asian Development Bank TA No.
4816-LAO, Oct. 2008
:需要増加分
第
10
章 電力系統プロジェクトの評価10-21
を
8
対2
とする)の下に年度ごとの支出費用を算出し、それを表10.4-4
「送変電設備建設の 年度毎の投資計画」の各年度に加えることとした。対象となる案件とその支出計画を表10.6-3
に示す。表
10.6-3 建設中案件の事業支出計画
[単位: 1,000 USD]
送電設備 変電設備
年度
FC LC FC LC
2010 19,468 9,081 7,636 1,527 2011 9,240 5,683 1,802 360 Total 28,708 14,764 9,438 1,887
(建設中送変電案件リスト)
Nam Lik 1/2- Hin Heup/ Ban Don
Nam Ngum 5 – Vangvieng/ Phonsavan
Pakxan – Pakbo
Xeset 1 – Saravan
Pakxong – Ban Jianxai
(出典:
EDL
聞き取りにより調査団作成)10.6.4
分析ならびに評価結果以上から、算定された便益、および費用の流れより求められる
EIRR
は20.4 %であった(表
10.6c-1
参照)。この数値は、判断指標であるラオス国の資本機会費用(OCC)の12%より高
い数値であるので、本事業の経済的妥当性は確保されると評価する。
10.6.5
感度分析上述の経済的に妥当である、という結果は現時点で考えられる最も適切と思われる条件下(以 下、ベースケース)で計算した結果だった。しかしながら昨今の原油高に端を発する資材代 の高騰など、将来には予想のつかない事象が起こりえる。経済性評価の結果もその影響を受 けて大きく変わる可能性もある。本節ではそうした将来の不確実性に対する今回の分析結果 の堅牢さを確認するため、4つの将来シナリオを想定し、それぞれの条件下で同様の分析を 行った。さらに究極のケースとして経済的妥当性が無くなる境界条件(以下、境界閾値)も 併せて算出することで本系統計画の経済的妥当性が有効な範囲を視覚化し、不確実性の幅を 定量化した。以下に各シナリオについて述べる。
1)
設備投資額高騰シナリオ建設コストが為替や資材代の変動などにより
15%上昇するケースを設定した。至近年
のEDL
送電線プロジェクトでも類似の事象があったため、本結果への影響を検証する こととした。2)
便益減少シナリオ将来の電力料金の低減や料金未収などさまざまな理由により、便益が
10%減少する事
象を想定し、検証することとした。第