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機関誌「日本農業の動き」の編集担当が人選し、改めて原稿を依頼し、翻訳し掲載した ものだ。同時に、3人が国内で報道した分を入手し、内容を要約して収録、特徴を分析 した。
■ジェームス・キャンベル(James Campbell)
(Irish Farmers Journal)、アイルランド、男性 50
歳代、白人、初来日「似て非なる国、ニッポンの農業」= 地球儀の反対側の国の農業を取材して書こうと 考えていたのは、農業と食のあらゆる相違点だった。「期待」は裏切られ、日本大会を 終えて最も驚いたのは、遠く離れた二つの国が農業に関し以下に多くの共通の悩みを抱 えているかだった。土地を手放したがらない小規模農業経営と遅れる農地改革、農村の 高齢化、後継者問題と
WTO
農業交渉による外圧。これらはアイルランドに限らず欧州 の多くの国が抱えている最大の難関で、日本もまた問題を抱えていることが分かった。「
Japan scarcity of young farmers
」と題した記事を1
月12
日付でほぼ新聞1
面分を使っ て掲載している57
。3
分の2
が水田農業、残りが畜産や国際シンポジウムでの議論を取 り上げた。トップ写真は山形県高畠町の中山間地にある山間の水田の脇に立つ農業経 営。若い農業経営が少ないことを、高齢農家を登場させることで表現した。記事のリー ド文では農政ジャーナリストの会に寄稿したのと全く同じ論調で日本とアイルランド 農業の予想外の「共通性」を強調した。来日前とは大きく日本農業に対する見方が変わ った。農村が高齢化し、大半の働き手が60
歳を超えている現実を紹介。農村部で農地 価格が高く、若い人の農業参入を妨げ、流動化が進まないこと、その中でも賃貸などに よる農業経営の規模拡大が行われていることを指摘している。日本の水田農業がむずか しい局面にあることを強調しながら、同時に農村の直売所が伸びて地域の活性化に役立 っていることを指摘している。アイルランドでも同様の直売所があるものの、日本での 規模ははるかに大きいと分析している。消費者にとっても魅力があり、生産者と消費者 の距離を埋める効果があると指摘した。また、訪問したスーパーで、商品のバーコード をスキャンすると、生産者の写真が出てくるシステムを紹介した。人記者の本音」(日本農業の動き
163
号=農政ジャーナリストの会編),農林統計協会84
図 3 キャンベル記者の報道記事
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■エドィナ・ファーリー(Edwina Farley)
(ABCRural、オーストラリアの公共放送農村ラジオ部門)、女性
20
歳代、白人、初来日「私たちの使命」=大会に参加する前、
800
%の関税に守られる日本のコメはおかしい と考えていた。しかし、日本は自給率が低く、中山間地が多い。豪州産のコメを日本訳 す輸出するべきなのかもう一度考えてみなくてはいけない。日本人にとってコメは魂そ のものだ。農業を政治のせいにするのは容易だが、現実はその重要性を温室の中で話し ているわけにはいかない。どんな国にも食料は必要で、すなわち農業も必要なのに政治 の世界ではわずかな影響力しか持っていないように思える。「日本からの観察」と題したファーリー氏の記事は、
ABCRural
のサイトに収録され た58
。同氏の本職はラジオ番組の記者で、記事はブログに近い。1150
語中、農業に関連 しているのは460
語程度。残りは日本の都会の風景や食生活などに触れている。キャン ベル氏と同様に、来日前とは大きく見方が変わったとことを強調しているのが特徴だ。水田農家の平均年齢が
65
歳で、若者が都市に流出している現実を紹介。米の消費も過 去50
年間で半分に減少した。国土の7
割は農耕に適さず、豪州がもし同じような条件 であったら、農家は関税の引き下げをどのように感じるのだろうかと指摘している。ま た、日本農業の規模は小さいが、抱えている問題の多くが豪州と共通するとも分析して いる。ファーリー氏は、大会を通じてもっとも印象に残った日本の農業の矛盾を挙げて いる。多くの農家や関係者がコメの大切さや伝統を語る一方で、農村から若い人が消え て都市に流出してしまう現実があることだ。86
ドキュメント内
農業における行政情報の公開,情報共有,報道に関する研究
(ページ 83-87)