第 7 章 今後の課題
2.1. ICP ブリース工法マンホールライニングシステム
(1) 概要
本技術は管路の更生と同時に、しかも管路更生と共通したライニング材および施工機器を使用し てマンホールも更生することを目的にした非開削マンホール更生技術である。
老朽化した既設マンホールの形状に合わせて加工したライナー材に不飽和ポリエステル樹脂を含 浸する。これをライニング材と呼び、それを既設マンホール内に挿入し、空気圧により膨らませた後、
温水シャワーリングにより硬化させる。硬化後、管口及びインバート部の切断、ステップの取付けを 行って完成する。既設マンホールの中に新たに誕生する更生マンホールと、同様に ICP ブリース工法 で形成した本管、取付管、桝を組み合わせれば、継ぎ目のない完全一体化が実現する。
(2) 特徴
① 1号マンホール(深さ5m)の施工が,標準タイプで 1 日(8 時間)以内,補強タイプで 2 日(8 時間/日×2 日=16 時間)以内で完了する。
② 0〜5 号マンホールに対して施工が可能である。
③ インバートの肩までの下水が流れていても、施工が可能である。
④ マンホール用更生材の耐薬品は,JSWAS K-16「下水道内挿用強化プラスチック複合管」
の規格に適合している。
⑤ マンホール更生品に取り付けられた足掛け金物は,引抜き強度 4,900N/箇所,載荷重 2,450N/
箇所に耐えられる。
⑥ 補強タイプで裏込め材として使用する注入樹脂は,JIS A5317(下水道用マンホール側塊)
の規格に定める圧縮強度に比べ約 3 倍(75MPa)の強度を有している。
⑦ 補強タイプ施工品の軸方向耐圧強さは,JSWAS K-10(下水道用レジンコンクリート製マ ンホール)の規格に適合する。
(3) 使用材料の物性
物 性 値(N/mm2)
使用材料の構成図
項 目 物 性 値 短期曲げ強度 40 短期曲げ弾性率 2450 長期曲げ弾性率 1250 ICPライニング材
樹脂吸着剤
(ポリエステルフェルト)
+ 熱硬化性樹脂
(不飽和ポリエステル)
ICPステップ 取付ベース リブ構造 プラスチックフィルム
(ポリエチレン 防食被
(4) 適用範囲
① 管 径:マンホール内径φ600mm〜φ2100mm
② 管 種:0 号〜5 号マンホール、特殊マンホール、桝
③ 管形状:円形、矩形、小判形
(5) 施工工程(フロー図)
準 備
工
前 処 理
工
I C P ラ イ ニ ン グ 材 セ ッ ト
インライナー反転挿入 温水シャワーリング硬化・養生 インバート切断 ステップ設置
仕 上
げ
施工工程
①準備工
a)施工現場に安全柵等を設置し、作業スペースを確保する。
b)施工車両・機材を搬入・配置する。
c)マンホール内の酸素濃度及び硫化水素等の有害ガス濃度、可燃性ガス濃度を測定し、必要に 応じて換気設備を設置する。
②前処理工
a)高圧洗浄により、マンホール壁面の汚れを落とす。
b)壁面が腐食している場合、高圧洗浄とケレンにより腐食したコンクリートを除去する。この 際、除去したコンクリートが本管内に流出しないように流れ止めを設置する。
c)足掛け金物を、サンダー等でマンホール壁面に沿って切断する。
補強タイプを施工する場合で浸入水がある場合は、V カット等して仮止水をしておく。
③ICP ライニング材セット
a)前記トップノズルに取付けられたインライナー上面にライニング材をバンドで固定する。
b)インライナー、ライニング材、管口補強材がセットされたトップノズルをつり上げライニン グ材をマンホール内へ挿入し、トップノズルをステージにセット。
④インライナー反転挿入
a)トップノズルの内側に注水し、インライナーを ICP ライニング材内に反転挿入。
b)インライナーエンド部にシャワーホースを取付け、端部をトップノズルの蓋に接続し、続け
てインライナーを反転挿入する。
c)トップノズルに蓋を固定した後、所定の圧力までエアー加圧する。
d)昇圧後、直ちに圧力を開放し蓋をはずしてインライナーの反転状況を目視で確認。
⑤温水シャワーリング 硬化・養生
a)温水シャワーリングを行い、ICP ライニング材を硬化。硬化終了後、冷却水をシャワーリング し、ICP ライニング材を冷却。
⑥インバート切断
a)トップノズルを取り外し、インライナーのエンド部にクレーンのフックを取り付け、クレーン を巻き上げながらインライナーを引き剥がす。
b)管口及びインバート部のライニング材を切断する。
反転状況
硬化状況
⑦ステップ設置
a)ライニング材に取り付けてあるボルトをはずし、ICP ステップを各々の位置にボルトで固定 する。
⑧仕上げ
a)ICP ライニング材の切断部を樹脂パテなどで仕上げ、完了となる。
(6) その他
④ 補強タイプについて
補強タイプとは, 腐食や損傷の著しいマンホールにひとまわり小さなライニングを施し、マ ンホールとライニング材の隙間に樹脂を裏込注入し、JSWAS K-10(下水道用レジンコンクリー ト製マンホール)と同等の強度を有するマンホールを形成するものである。
設置状況
補強タイプ ICP ステップ