ルータ ディスカバリを使用すると、スイッチは
ICMP Router Discovery Protocol
(IRDP
)を使用し、他のネットワークへのルートを動的に学習します。 ホストは
IRDP
を使用し、ルータを特定しま す。 クライアントとして動作しているスイッチは、ルータ ディスカバリ パケットを生成します。ホストとして動作しているスイッチは、ルータ ディスカバリ パケットを受信します。 スイッチ はルーティング情報プロトコル(
RIP
)ルーティングのアップデートを受信し、この情報を使用し てルータの場所を推測することもできます。実際のところ、ルーティングデバイスによって送信 されたルーティング テーブルは、スイッチにストアされません。どのシステムがデータを送信し ているのかが記録されるだけです。IRDP
を使用する利点は、プライオリティと、パケットが受 信されなくなってからデバイスがダウンしていると見なされるまでの期間の両方をルータごとに 指定できることです。検出された各デバイスは、デフォルトルータの候補となります。現在のデフォルトルータがダウ ンしたと宣言された場合、または再送信が多すぎて
TCP
接続がタイムアウトになりつつある場 合、プライオリティが上位のルータが検出されると、最も高いプライオリティを持つ新しいルー タが選択されます。UDP ブロードキャスト パケットおよびプロトコル
ユーザ データグラム プロトコル(
UDP
)はIP
のホスト間レイヤ プロトコルで、TCP
と同様で す。UDP
はオーバーヘッドが少ない、コネクションレスのセッションを2
つのエンド システム 間に提供しますが、受信されたデータグラムの確認応答は行いません。 場合に応じてネットワー ク ホストはUDP
ブロードキャストを使用し、アドレス、コンフィギュレーション、名前に関す る情報を検索します。このようなホストが、サーバを含まないネットワークセグメント上にある 場合、通常UDP
ブロードキャストは転送されません。 この状況を改善するには、特定のクラス のブロードキャストをヘルパー アドレスに転送するように、ルータのインターフェイスを設定し ます。 インターフェイスごとに、複数のヘルパー アドレスを使用できます。IP ユニキャスト ルーティングの設定 プロキシ ARP
UDP
宛先ポートを指定し、転送されるUDP
サービスを制御できます。 複数のUDP
プロトコルを 指定することもできます。 旧式のディスクレスSun
ワークステーションおよびネットワーク セ キュリティ プロトコルSDNS
で使用されるNetwork Disk(ND)プロトコルも指定できます。
ヘルパー アドレスがインターフェイスに定義されている場合、デフォルトでは
UDP
とND
の両方 の転送がイネーブルになっています。 『Cisco IOS IP Command Reference, Volume 1 of 3: Addressing
and Services』の ip forward-protocol
インターフェイス コンフィギュレーション コマンドの説明には、
UDP
ポートを指定しない場合にデフォルトで転送されるポートがリストされています。ブロードキャスト パケットの処理
IP
インターフェイス アドレスを設定したあとで、ルーティングをイネーブルにしたり、1
つまた は複数のルーティングプロトコルを設定したり、ネットワークブロードキャストへのスイッチの 応答方法を設定したりできます。 ブロードキャストは、物理ネットワーク上のすべてのホスト宛 てのデータ パケットです。2
種類のブロードキャストがサポートされています。•
ダイレクト ブロードキャスト パケット:特定のネットワークまたは一連のネットワークに 送信されます。 ダイレクト ブロードキャスト アドレスには、ネットワークまたはサブネッ ト フィールドが含まれます。•
フラッディング ブロードキャスト パケット:すべてのネットワークに送信されます。storm-control
インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用して、トラフィック抑制レベルを設定し、レイヤ
2
インターフェイスでブロー ドキャスト、ユニキャスト、マルチキャスト トラフィックを制限することも できます。(注)
ルータはローカル ケーブルまでの範囲を制限して、ブロードキャスト ストームを防ぎます。 ブ リッジ(インテリジェントなブリッジを含む)はレイヤ
2
デバイスであるため、ブロードキャス トはすべてのネットワーク セグメントに転送され、ブロードキャスト ストームを伝播します。ブロードキャスト ストーム問題を解決する最善の方法は、ネットワーク上で単一のブロードキャ スト アドレス方式を使用することです。 最新の
IP
実装機能ではほとんどの場合、アドレスをブ ロードキャストアドレスとして使用するように設定できます。スイッチをはじめ、多数の実装機 能では、ブロードキャスト メッセージを転送するためのアドレス方式が複数サポートされていま す。IP ブロードキャストのフラッディング
IP
ブロードキャストをインターネットワーク全体に、制御可能な方法でフラッディングできるよ うにするには、ブリッジングSTP
で作成されたデータベースを使用します。 この機能を使用する と、ループを回避することもできます。 この機能を使用できるようにするには、フラッディング が行われるインターフェイスごとにブリッジングを設定する必要があります。 ブリッジングが設 定されていないインターフェイス上でも、ブロードキャストを受信できます。 ただし、ブリッジIP ユニキャスト ルーティングの設定
ブロードキャスト パケットの処理
ングが設定されていないインターフェイスでは、受信したブロードキャストが転送されません。
また、異なるインターフェイスで受信されたブロードキャストを送信する場合、このインターフェ イスは使用されません。
IP
ヘルパー アドレスのメカニズムを使用して単一のネットワーク アドレスに転送されるパケット を、フラッディングできます。 各ネットワーク セグメントには、パケットのコピーが1
つだけ送 信されます。フラッディングを行う場合、パケットは次の条件を満たす必要があります (これらの条件は、IP ヘルパー アドレスを使用してパケットを転送するときの条件と同じです)。
•
パケットはMAC
レベルのブロードキャストでなければなりません。•
パケットはIP
レベルのブロードキャストでなければなりません。•
パケットはTrivial File Transfer Protocol(TFTP)、ドメイン ネーム システム(DNS)、Time、
NetBIOS
、ND
、またはBOOTP
パケット、またはip forward-protocol udp
グローバル コン フィギュレーション コマンドで指定されたUDP
でなければなりません。•
パケットの存続可能時間(TTL)値は2
以上でなければなりません。フラッディングされた
UDP
データグラムには、出力インターフェイスでip broadcast-address
イ ンターフェイスコンフィギュレーションコマンドによって指定された宛先アドレスが表示されま す。宛先アドレスを、任意のアドレスに設定できます。このため、データグラムがネットワーク 内に伝播されるにつれ、宛先アドレスが変更されることもあります。 送信元アドレスは変更され ません。TTL
値が減ります。フラッディングされた
UDPデータグラムがインターフェイスから送信されると(場合によっては
宛先アドレスが変更される)、データグラムは通常のIP
出力ルーチンに渡されます。このため、出力インターフェイスにアクセス リストがある場合、データグラムはその影響を受けます。
スイッチでは、パケットの大部分がハードウェアで転送され、スイッチの
CPU
を経由しません。CPU
に送信されるパケットの場合は、ターボフラッディングを使用し、スパニングツリーベース のUDP
フラッディングを約4
~5
倍高速化します。 この機能は、ARP
カプセル化用に設定され たイーサネット インターフェイスでサポートされています。IP ルーティングの設定方法
スイッチ上で、
IP
ルーティングはデフォルトでディセーブルとなっているため、ルーティングを 行う前に、IPルーティングをイネーブルにする必要があります。IP
ルーティングに関する設定情 報については、『Cisco IOS IP Configuration Guide
』を参照してください。以下の手順では、次に示すレイヤ
3
インターフェイスの1
つを指定する必要があります。•
ルーテッド ポート:no switchportインターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使 用し、レイヤ3
ポートとして設定された物理ポートです。•
スイッチ仮想インターフェイス(SVI):interface vlan vlan_idグローバル コンフィギュレー ション コマンドによって作成されたVLAN
インターフェイス。デフォルトではレイヤ3
イ ンターフェイスです。IP ユニキャスト ルーティングの設定 IP ルーティングの設定方法