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*: significant different from before measurement value (P<0.05).

A. Stiffness (Nm/mm)

B. Hysteresis (%)

STR+TR STR CON

n.s.

Before Wk 1 Wk 2 Wk 4 Wk 6

0 10 20 30 40 5 10 15 20 25

* * *

Fig. 4-5

The changes of muscle thickness (A, B) and fascicle length (C, D) throughout flexibility training period.

(A) muscle thickness (MT) of tibialis anterior (TA).

(B) MT of plantar flexors (PFs).

(C) fascicle length (FL) of gastrocnemius medialis (MG) at uprgiht position.

(D) FL (MG) at supine position.

*: significant different from before measurement value (P<0.05).

C. FL (MG)-Upright, mm D. FL (MG)-Supine, mm

25 30 35 40

60 65 70 75 80

50 55 60 65 70

50 55 60 65 70

n.s.

* * *

* * *

*

Before Wk 1 Wk 2 Wk 4 Wk 6

A. MT (TA), mm B. MT (PFs),mm

*

Before Wk 1 Wk 2 Wk 4 Wk 6

STR+TR STR CON

Fig. 4-6 The schematic model of the fascicle length (FL) change throughout flexibility training period.

FL increased significantly 4 and 6 weeks after the onset of stretching and training (Fig. 4-5 C and D).

Increase of FL indicates the possibility of increase in tendon slack.

Before

After

Distal Proximal

Fig. 4-7 The typical example of stiffness during exertion ramp plantar flexion torque with maximal effort.

Solid line represents the stiffness of before flexibility training measurement, doted line represents the stiffness of after 6 weeks measurement.

The stiffness of 50-100% MVC area did not change before and after stretching, while the stiffness of up to 40% MVC area decreased after 6 weeks stretching.

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

0 5 10 15 20 25

Before Wk 6 PF MVC (%)

Tendon elongation (mm) ascending

descending

【第5章:総括論議】

 本研究では,柔軟性を能動的および受動的な足関節背屈ROMとで評価した.その上で,柔軟性に影響を及ぼす因 子とその可塑性について,急性効果と長期的な可塑性との検討を行った.関節をまたぐ組織の伸長性が柔軟性には 大きな影響を及ぼす(Alter 1996).この報告に基づいて,関節角度変化に対するMTU長変化を,超音波法を用いて 筋伸長と腱伸長とに分けて算出した.その上で,足関節の柔軟性に影響を及ぼす因子と,それらがストレッチング によってもたらされる可塑性を明らかにすることを目的とした.その主な知見は,1.能動的および受動的な足関 節の柔軟性に影響を及ぼす因子(第2章),2.柔軟性に影響を及ぼす因子の急性効果および長期的な可塑性(第3章,

第4章)であった.各研究の主な知見を以下に示す.

1.能動的および受動的な足関節の柔軟性に影響を及ぼす因子

 能動的,受動的に関わらず足関節背屈ROMにはアキレス腱の伸長性が影響し,能動的な足関節背屈ROMには足 関節背屈筋群の筋力も影響した.男性のみ(30名)で行った足関節背屈ROMに影響する因子を検討したところ,上 記と同様の結果であった.一方,女性のみ(23名)では受動的な足関節背屈ROMに関しては上記と同様の結果であ ったが,能動的な足関節背屈ROMに対して,背屈筋群の筋力は影響を及ぼさなかった.

2.柔軟性に影響を及ぼす因子の急性効果および長期的な可塑性

 ストレッチングの急性効果について,ストレッチング後にみられる受動的な足関節背屈ROMの増加には,MTU 伸長の中でも,筋伸長ではなく腱伸長が影響を及ぼすことが示された.また,受動的な足関節背屈ROMの増加と等 尺性足関節最大底屈トルクの低下に有意な相関関係がみられた.ストレッチングの時間と等尺性足関節最大底屈ト ルクとの関係については,ストレッチングの時間が長いほど等尺性足関節底屈トルクは低下した.また,等尺性足 関節最大底屈トルクが低下しない程度のストレッチング時間であっても,等尺性足関節底屈トルクの立ち上がり速 度は低下した.ストレッチング後に腱伸長にみられた結果とは異なり,ストレッチングの時間に関わらず筋伸長は 変化しなかった.

 ストレッチングの長期的な可塑性については,底屈筋群およびアキレス腱へのストレッチングを6週間継続する ことで,一定の受動トルクに対する足関節背屈ROMは増加した.しかし,ストレッチングのみでは能動的な足関節 背屈ROMは有意に増加しなかった.また,能動的な足関節背屈ROM,受動的な足関節背屈ROMともに,事前測定 での足関節背屈ROMが小さい方が,ストレッチングの急性効果と長期的な可塑性が大きかった.

 これらの知見に基づき,本章では,能動的および受動的な足関節の柔軟性に影響を及ぼす因子とそれらに対する 急性効果および長期的な可塑性,ならびに,測定方法の限界と今後の展望の3点から論じる.

1.能動的および受動的な足関節の柔軟性に影響を及ぼす因子

 足関節背屈ROMを柔軟性の指標として評価した.受動的な柔軟性には性差がみられ,腱伸長が影響を及ぼしてい ることが明らかになった.能動的な足関節背屈ROMの説明変数を男女別に検討したところ,男性では腱伸長と等尺 性足関節最大背屈トルクが選択された.一方,女性では腱伸長のみが選択された.受動的な足関節背屈ROMは男性 と比較すると女性の方が有意に大きいにも関わらず,能動的な足関節背屈ROMには性差がみられなかった.足関節 背屈ROMに影響する因子として,伸長される組織の量があげられる.平均値では,男性は女性よりも下腿長が長く,

下腿の周径囲も有意に大きかった(Table 2-1).また,男性の方が女性よりも底屈筋群の筋厚が高値を示すことが報 告されている(川上ら 2003).これらのことは,足関節を受動的に背屈する際に,男性は女性よりも伸長される組 織の量が多いことを意味する.女性では,能動的,受動的に関わらず足関節の背屈ROMの説明変数として腱伸長が 選択された.一方,男性では能動的および受動的な足関節背屈ROMの説明変数には腱伸長が選択されたものの,能 動的な足関節背屈ROMには等尺性で発揮した足関節最大背屈トルクも選択された.これらのことは,女性のように 伸長される組織が少ない場合は,腱伸長のみで足関節の背屈ROMを賄うことができることを示す.しかし,男性の ように伸長される組織がある一定以上の量である場合は,組織の量に依存して腱が伸長されにくくなるため,腱伸 長のみでは賄うことができずに,足関節を背屈方向に動かす筋力も必要となると考えられる(Fig. 5-1).つまり,

男性は等尺性最大背屈トルクで下腿後面の組織の伸長性の低さを補うことにより,女性と同等の能動的な足関節背 屈ROMを達成していることを示すものといえる.

 先行研究において,能動的な足関節のROMについて,背屈方向のROMは男性の方が大きいものの,底屈方向の ROMは女性の方が大きいことが報告されている(Nigg et al. 1992).また,足関節まわりのROMと筋力に関して,

底屈方向では女性の方が底屈筋群の筋力は低いものの,ROMは大きい(Grimston et al. 1993).このように動かす方 向により,そのROMが男女で異なるということは他の関節にはみられない(Rieman et al. 2001).本研究の結果は,

構造的に股関節や肩関節と比較してROMが小さい足関節で,特に足関節背屈ROMの場合は主働筋の筋力がROMに 強く影響することを支持するものであり,他の関節と比較して,関節の構成因子が及ぼす影響が異なることを示唆 する.

2.柔軟性に影響を及ぼす因子の急性効果および長期的な可塑性

1)ROMおよびスティフネス

(1)急性効果

 本研究で採用した静的ストレッチングの急性効果として,ストレッチングの時間には関係なく足関節の背屈ROM が増加した(第3章).また,足関節背屈ROMの増加には筋伸長ではなく,腱伸長が影響することが明らかになった.

しかし,腱伸長については第3章での10秒間という,短い時間のストレッチングを反復する試行では変化しなかっ た.短い時間のストレッチングでは,ROMの向上に貢献するのはMTUの力学的特性の変化ではなく,伸長刺激に 対する痛覚受容器の耐性の向上であると報告されている(Gajdosik et al. 2005, 2007; Magnusson et al. 1996a, b).実際 にこれらの先行研究では,ストレッチング後に受動的に関節を動かした際に,ROMの向上にともない,受動トルク も増加している.本実験では,このような伸長刺激に対する痛覚受容器の耐性の向上の影響を排除するために,ス トレッチングの前後で最終的に与える受動トルクをストレッチングの前後で統一した.MTUのスティフネスの変化 はストレッチングの時間に依存するという報告から(Ryan et al. 2008),10秒間のストレッチングはMTUおよび腱の スティフネスを変化させるためには短かったが,60秒間や20分間のストレッチングであれば,MTUや腱の力学的特 性に変化が生じることが示された.この結果は,筋のスティフネスを変化させるためには,反復回数に関わらず,

最低でも30秒間は必要であるという報告(Magnusson et al. 2000b)を支持する.

 60秒間の静的ストレッチングを5回反復することにより,腱のスティフネスとヒステリシスは有意に低下した.

この結果は,10分間の静的ストレッチング後にアキレス腱のスティフネスとヒステリシスが低下したという報告

(Kubo et al. 2001b)と同様の結果であった.これらは,腱のスティフネスの低下により,組織の伸長性が向上し,

結果的に足関節背屈ROMが増加したことを示すものである.受動的な足関節背屈ROMでは,受動的な足関節背屈 中の受動トルクがストレッチングの前後で不変であれば,組織の伸長性が向上することで,足関節背屈ROMも増加 することが考えられる.そして,ストレッチングの前後で筋伸長が有意に変わらなかったことから,この貢献は筋 伸長よりも腱伸長により賄われたものであると考えられる.また,第3章で用いたストレッチングでは,いずれも 筋伸長は変化しなかった.そのため,筋伸長に対する急性効果は,今回用いたストレッチングでは生じなかった.

先行研究の中には,第3章の第1節で実施した実験と同じプロトコルで,ストレッチングの急性効果として筋伸長が 増加したという報告もある(Morse et al. 2008).しかし,本研究がストレッチング前後の受動的な足関節背屈を底 屈30度から開始したのに対して,この報告では底屈10度から開始していた.このように,足関節角度変化を元に下 腿のMTU長変化を推定する方法において,受動的な足関節背屈を開始する足関節角度が異なることは,MTU長変 化の値に大きな影響を及ぼす.また,本研究がストレッチング前後の受動的な足関節背屈において,最終的に与え る受動トルクを統一したのに対して,Morse et al. (2008)は,被検者が耐えうる限りの受動トルクが生じるまで行

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