疾患 薬剤 用量 コメント*
感受性結核菌
導入期 リファンピシン 体重に基づく 2 ヵ月間の導入期後、TB のタイプに応じて、維持 期(リファンピシン +イソニアジド)(以下参照)
結核菌が完全に感受性であることがわかっている場 合は、エタンブトールを省いてもよい
IRISを予防するため、予防的ステロイド療法を検 討してもよい
+イソニアジド +ピラジナミド +エタンブトール
代替治療 リファブチン 体重に基づく 2 ヵ月間の導入期後、TB のタイプに応じて、維持 期(リファブチン + イソニアジド)(以下参照)
結核菌が完全に感受性であることがわかっている場 合は、エタンブトールを省いてもよい
+イソニアジド +ピラジナミド +エタンブトール
維持期 TBのタイプに応じて
リファンピシン/リファブチン +イソニアジド
総治療期間
1. 薬剤感受性肺 TB:6 ヵ月
2. 肺 TB かつ TB 治療 8 週目に培養陽性:9 ヵ月 3. 中枢神経障害を伴う肺外 TB または播種性 TB:
9 〜 12 ヵ月
4. 骨/関節障害を伴う肺外 TB:9 ヵ月 5. 他の部位の肺外 TB:6 〜 9 ヵ月
* HIV陽性者に対しては、間欠的レジメン(週2、3回)は禁忌。投与漏れは治療の失敗、再発または薬剤耐性の獲得に至る可能性がある
HIV陽性者におけるTBの治療
HIV陽性者における ARV 薬の適切な選択を含む TB の標準治療について は、下表およびTB/HIV共感染時のARTを参照
HIVの臨床マネジメントに関するEACSオンラインコースのオンライン ビデオレクチャーTBとHIVの共感染パート1およびTBとHIVの共感染 パート2を参照のこと
5.2
多剤耐性TB(MDR-TB)/超多剤耐性TB(XDR-TB)の診断 以下の場合は MDR-TB/XDR-TB を疑う。
• TB 治療歴
• MDR/XDR-TB 発症例との接触
• MDR-TB 流行地域での出生、旅行または仕事
• アドヒアランス不良の既往
• 標準TB療法で 2 ヵ月後に臨床改善なしおよび/または喀痰塗抹陽性、
3 ヵ月目の培養陽性
• ホームレス/ホステルでの宿泊および一部の国における最近/現在の収監
• MDR-TB/XDR-TBの有病率が極めて高い地域
MDR-TB:イソニアジドおよびリファンピシンに対する耐性
XDR-TB:イソニアジド、リファンピシン、キノロン系に耐性がありかつ
注射剤であるカナマイシン、capreomycin またはアミカシンのうち 1 剤以 上に対する耐性
迅速な発見
Gene Xpert または類似の技術は、リファンピシン耐性を迅速に発見できる
という利点がある。薬剤感受性検査は治療を最適化する上で重要である。
一部の国/地域ではいずれも利用できず、経験的なアプローチを用いなけ ればならない
耐性TBの治療[8]
INH 耐性 TB
• RIF ま た は RFB + Z + Eを2ヵ 月 間 お よ びRIFま た はRFB + Eを 10ヵ月間
強化期間にFQを追加し、維持期間にEをFQに置換することを推奨する 専門家もいる
MDR/XDR-TB レジメンの治療は、治療期間を通じて DOT として行うこと
• リファンピシン耐性またはMDR-TB合併者に対しては、強化期間中、
ピラジナミドおよび中心的な第二選択TB薬4剤を含め、効果的なTB 薬を5剤以上含むレジメンを推奨する。この際、グループAから1剤、
グループBから1剤、グループCから2剤以上を選択する
• 最低限の効果的なTB薬のレジメンが上記のように構成できない場合 は、グループD2から1剤とD3の薬剤を追加し、計5剤としてもよい
• リファンピシン耐性またはMDR-TB合併者に対しては、高用量イソニ アジドおよび/またはエタンブトールでレジメンをさらに強化すること を推奨する
• 最近のRCT(Nix-TB試験)の予備的結果から、pretomanid 200 mg/日、
bedaquiline 200 mg を3週間負荷投与後、週3回およびリネゾリド 1,200 mg/日の3剤併用療法を6ヵ月(4ヵ月目に培養陽性の場合はさ らに3ヵ月)行うことで、上記に推奨した5剤レジメンと同等以上の効 果が得られることが示唆される。本試験の対象症例は大部分が肺TBで あった
薬剤の選択
薬剤感受性の結果判明後、各経験的レジメンを再評価し、必要があれば変 更する
グループA:
フルオロキノロン系 • レボフロキサシン(LFX)
• モキシフロキサシン(MFX)
• ガチフロキサシン(G) グループB:
注射剤 • アミカシン(Am)
• capreomycin(Cm)
• カナマイシン(Km)
• ストレプトマイシン(S):感受性が証明され ており、上記の薬剤が利用できない場合にの み使用
グループC:
その他の中心的な第二選 択薬
• エチオナミド(ETO)またはprotionamide
(PTO)
• サイクロセリン(CS)またはterizidone
(TRD)
• リネゾリド(LZD)
• クロファジミン(CFZ) グループD1:
追加剤 • ピラジナミド(Z)
• エタンブトール(E)
• 高用量イソニアジド(高用量INH) グループD2: • bedaquiline(BED)
• デラマニド(DLM)
グループD3: • パラアミノサリチル酸(PAS)
• イミペネム/シラスタチン(IPM/CLN)
• メロペネム(MPM)
• アモキシシリン/クラブラン酸(Amx/CLV)
• thioacetazone(THZ)
MDR/XDR治療期間
5 剤以上を用いる強化期を 8 ヵ月間実施した後、反応に応じて、3 剤によ る治療を 12 ヵ月間実施する
例:Z、MFX、Km、OFX、PTO お よ び CS を 8 ヵ 月 間 投 与 後、MFX、 PTO および CS を 12 ヵ月間投与
第二選択薬による治療歴がないまたはフルオロキノロン系及び第二選択注 射剤に対する耐性がないまたはその可能性が低いリファンピシン耐性また
はMDR-TB合併者に対しては、従来のレジメンの代わりに、MDR-TBレ
ジメンを9〜12ヵ月に短縮してもよい ARTとMDR/XDRレジメンの薬物相互作用
RFBを使用していない場合は、通常の用量を使用する。ただし、可能性の ある薬物相互作用に関するデータがほとんどないため、慎重に投与する。
TB/HIV 共感染時のARTを参照
潜在性TB
適応:TST > 5 mm または IGRA 陽性または喀痰塗抹陽性結核との濃厚な 接触
いくつかの国家ガイドラインでは、民族、CD4数およびARTの使用を潜 在性結核治療の適応として定義している
レジメン* コメント
イソニアジド(INH)5 mg / kg /日(最 大300 mg)po
+ピリドキシン(Vit B6)25 mg /日po
6〜9ヵ月
TBの有病率が高い国では9ヵ月 を検討
リファンピシン600 mg /日po またはリファブチンpo
(用量は実施中のcARTによる)
4ヵ月。ARV薬との相互作用を確 認。ARV薬と非ARV薬の薬物相 互作用参照
リファンピシン 600 mg / 日 po またはリファブチン po
(用量は実施中の cART による)
+イソニアジド(INH)5 mg / kg / 日(最 大 300 mg)po
+ピリドキシン(Vit B6)25 mg / 日 po
3ヵ月。ARV薬との相互作用を確 認。ARV薬と非ARV薬の薬物相 互作用参照
リファンピシン 600 mg 2 回 / 週 po +イソニアジド(INH)900 mg 2 回 / 週 po+
ピリドキシン(Vit B6)300 mg 1 回 / 週 po
3ヵ月。ARV薬との相互作用を確 認。ARV薬と非ARV薬の薬物相 互作用参照
rifapentine 900 mg 1回 / 週 po +イソニアジド 900 mg 1回 / 週 po
3ヵ月。ARV 薬との相互作用を確 認。
ARV 薬と非 ARV 薬の薬物相互作 用参照。rifapentineはヨーロッパ ではまだ利用されていない
* MDR/XDR-TBの潜在性感染のリスクが高い場合は、他の予防レジメンを検 討してもよい
緑色は各セクションで参照している特定の参考文献を示す。
黒色は各セクションで参照している一般的な参考文献を示す。