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費用だけではなく将来の所得に基づく返済額

(注)1豪ドル=91.5円として計算

Data: Commonwealth of Australia,

2013 HECS-HELP Commonwealth supported places information for 2014

バンド 専攻分野 学生貢献分(万円)

バンド1

人文科学,教養・学芸(Arts), 行 動科学,心理学、社会学,外国語,

映像・芸術学,教育学,看護学

0 – 55.3

バンド2

コンピュータ,人間環境学(built environment),保健科学,工学,

測量学,農学、数学,統計学,理 学

0 – 78.8

バンド3 法律,歯学,医学,獣医学,会計

学,商学,経営管理,経済学

0 – 92.2

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所得連動型返還制度の拡充

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平成24年度より日本学生支援機構第1種奨学金に導入 申請時の家計支持者年収300万円以下

返済免除制度

各国とも導入されているのが,一定の条件を満たした時にローンの返済を減免 する制度

イギリスでは

30

年間返済した後の残額は帳消しにされるほか,ローンを給付奨 学金に変更し実質的に減免になる制度や教師や看護職になる場合にも給付奨 学金が支給される。

オーストラリアでも,数学と科学が国家優先バンドとなり,

HECS

の金額が低く設 定されている。さらにこれらに関連した職に就いた場合,返済額が減額される などの優遇措置がある。幼児教育と看護職も同様の手当がなされている

(2014

年度より変更)。

中国でも,教員や特定地域で特定の職業に就いた場合には授業料免除等の 制度がある。

アメリカでも,所得基礎型ローンなどでは,

10

年間公的職業に就いた場合,

ローンの残額の返済は免除される。その他の場合には

20

年で帳消しになる。

中国でも,教員や特定地域で特定の職業に就いた場合には授業料免除などの 制度がある。

こうした仕組みのない我が国ときわめて対照的である。

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教育再生実行会議第8次提言

幼児教育の段階的無償化及び子ども・子育て支援新制度に基づく幼児教育等の質 の向上 約1兆円

3歳から5歳児の幼児教育を無償化

子ども・子育て支援新制度に基づく、幼児教育・保育・子育て支援の更なる「質 の向上」(職 員の配置や処遇の改善等)

高等学校教育段階における教育費負担軽減 約 0.5 兆円

授業料以外の負担の一層の軽減(高校生等奨学給付金の拡充)

授業料負担の一層の軽減(高等学校等就学支援金の拡充) 等

高等教育段階における教育費負担軽減 約 0.7 兆円

大学生等における奨学金の充実(有利子奨学の完全無利子化、より柔軟な所得連動返還 型奨学金制度の導入等)

大学生、専門学校生等の授業料等負担の軽減

フリースクールを含めあらゆる子供の教育機会を確保するための支援

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参考文献

伊藤りさ 「我が国の家計における教育費負担」国立国会図書館調査及び立法考査局 編 『少子化・高齢化とその対策 総合調査報告書』 90-102頁 2004年。

小林雅之 2014年「高等教育の「グランドデザイン」 ー教育費負担の観点から」 『大学 マネジメント』 10, 4, 24-28頁。

小林雅之 2014年「奨学金制度の課題と在り方」 『個人金融』 9, 1, 23−30頁。

小林雅之 2014年「大学授業料と奨学金の現状と課題」 『ねざす』 53, 31−37頁。

小林雅之 2014年「進学の格差の拡大と学生支援のあり方」 『生活協同組合研究』

456, 29-36頁。

小林雅之 2014年「大学授業料と奨学金の現状と戦略」 『大学時報』 353, 30-35頁。

小林雅之 2013年「大学の教育費負担 —誰が教育を支えるのか」広田照幸他編『大学 とコスト』岩波書店。

小林雅之 2013年「教育費『誰が負担』議論を」日本経済新聞 2013年9月30日。

小林雅之 2013年「国際的に見た教育費負担」『IDE 現代の高等教育』 No. 555 特集 高等教育と費用負担 13-18頁。

小林雅之 2012年「家計負担と奨学金・授業料」日本高等教育学会編 『高等教育研 究』 第15集, 115-134頁。

小林雅之 2010年「学費・奨学金政策への提言」 『大学マネジメント』 18-23頁。

小林雅之 2010年「学費と奨学金」 『IDE −現代の高等教育』 520, 18-23頁。

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