第 4 章 Speckle Area Nulling 法の実証実験
4.3 Gradual Area Reduction (GAR)法
セルとし、Lyot-stopでの開口を310ピクセル、望遠鏡瞳での開口径を360ピクセルとした。
λ/Dは3.3ピクセル、ターゲット領域は0.90~4.2[λ/D]の範囲でシミュレーションを行った。
初期の波面誤差として、位相誤差は約λ/13[rms]、振幅誤差は3%とした。初期のコントラス トは、1.1×10-4で15回の制御で2.6×10-6と0.024倍低減した。これは、図4-7よりコントラ ストの低減が実験値と一致する。
図 4-7: 波長 705nm のレーザーでの SAN 法での制御後の画像 (a)初期のスペックル画像
(b)15回制御後の画像 (c)制御回数vsスペックルのコントラストのグラフ
の暗いスペックルは下がりにくくなってしまう。そこで、外側のピクセルを放棄していき、
内側の領域のスペックルに対して制御を行う。SAN法で十分にコントラストを下げてから、
GAR法をすることで、ターゲット領域は狭まるが、コントラストは改善する。波長671nm のレーザーを用いて、実証実験を行った。初期のコントラストは6.4×10-6だった。SAN法は
7回目で6.4×10-7となり、コントラストがほぼ下がりきっているため、8回目の制御からSAN
法にGAR法を追加して制御を行った。GAR法で制御領域を変更する方法は、図4-8に示し た。7回目の制御では、光軸中心から2~16ピクセルの半月状の領域(area1)で制御を行い、
8回目では、3~15ピクセル(area2)、9回目では4~14ピクセル(area3)、10回目では5~
13ピクセル(area4)、11回目では6~12ピクセル(area5)、11回目では7~11ピクセル(area6)
の範囲をターゲット領域とした。12回目以降は、area6をターゲット領域とした。このとき、
評価領域は全ての場合で、area6の半月状領域の強度平均をコロナグラフ無しのときの PSF 強度の最大値とのコントラストとして表示する。
図4-8: SAN法にGAR法を追加するときのターゲット領域
図.4-9より、初期のコントラストが6.4×10-6から、7回の制御で6.4×10-7まで低減した。
GAR法を追加した8回目のコントラストで比較すると、SAN法のみでは6.6×10-7のコント
0 5 10 15
0
-5
-10
-15 5 10 15
area1 area2 area3 area4 area5 area6
[ピクセル] [ピクセル]
Speckle image
ラスト、GAR法を追加すると2.3×10-7までと0.35倍改善する。17回目のコントラストでは、
SAN法のみでは3.6×10-7、SAN法とGAR法の組み合わせでは1.5×10-7までコントラストは 低減した。
また、GAR 法を評価領域から近い場所から領域を縮小する場合と遠い場所から縮小する 場合を比較した(図4-10)。グラフより、評価領域からより遠い場所からGAR 法で領域縮 小をしていく必要があるが、area1 と area2 から縮小していく場合では、結果に違いは見ら れないので、4ピクセル以上離れた場所からGAR法で領域を縮小しなければならない。
図4-9: 波長671nmのレーザーでのSAN 法とGAR法併用した結果. (a)-(f)SAN法のみで制
御したスペックル画像 (g) -(l)SAN法とGAR 法の併用で制御したスペックル画像. (m)制御 回数 vs スペックルのコントラストのグラフ. 縦軸はスペックル画像のコントラスト、横軸 は制御回数とした。
SAN
(b) (c) (d) (f)
(g) (h) (i) (j) (k) (l)
(e) (a)
iterative
No. 8 9 10 11 12 17
-8 -7 -6 -5 -4
0 5 10 15
Log (relative intensity)
iterative number
671nm_SAN
671nm_SAN+GAR (m)
10-8 10-4
図4-10: GAR法の適用領域の大きさによるコントラストの違い. 縦軸はスペックル画像の コントラスト、横軸は制御回数とした。
最後に、671nmのレーザーでスペックルを低減した後、可変形鏡の制御電圧を印加した ままで、レーザー光源の切り替えを行った。単色光源で制御した制御解が様々な波長で使 うことができれば、実際の観測にも使える可能性が高まる。まず、671nmのレーザーで制 御を行う。図4-11より、初期のコントラスト5.3×10-6から3.6×10-7まで0.056倍に低減 し、GAR法の追加によって、1.5×10-7まで低減した。レーザー光源を635nmに切り替える と、初期のコントラストが1.3×10-5でSAN法のみで4.5×10-6と0.35倍に、GAR法の追加
で3.0×10-6と0.24倍に低減した。さらに、705nmに切り替えると、初期のコントラスト
1.2×10-5からSAN法のみで1.6×10-6と0.13倍に、GAR法の追加で1.8×10-6と0.14倍に低減 した。ここで、SAN法は光軸中心から2~16ピクセルの半月状のターゲット領域に適用 し、GAR法では光軸中心から7~11ピクセルの半月状のターゲット領域に適用した。さら に、評価領域は、光軸中心から7~11ピクセルの半月状の領域とした。
レーザー光源の切り替えでは、波長によって消光比が異なる。それぞれの光源によっ て、異なるスペックルパターンが発生したため、各波長単色で制御したような結果(図 4-5~7)を得られなかった。初期のスペックルパターンが波長によって、変化が少ない光源を 選択し、再度検証する必要がある。
-7 -6 -5 -4
0 5 10 15 20
Log (relative intensity)
Itarative number
GAR from area1 to area6 GAR from area2 to area6 GAR from area3 to area6 GAR from area4 to area6 GAR from area5 to area6
図4-11: SAN法とGAR法の追加によるスペックルの低減
(波長671nmの単色光で制御し、635nmと705nmのレーザー
光源へ切り替えだけ行い、それぞれの波長での最終コントラスト を比較した。). (a)635nm、671nm、705nmでのSAN法とGAR法 の追加によって得られた最終像面の画像. (b) (a)の画像に対応する コントラストのグラフ. 縦軸をコントラスト、横軸を波長とした。