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Gamov の透過因子

ドキュメント内 Abstract I Griffiths (ページ 151-154)

4.9 ポテンシャル障壁とトンネル効果

4.9.1 Gamov の透過因子

長方形のポテンシャル障壁のとき、エネルギーがE < V0のときの透過率Tは、式(4.516)で した。この式で、

l0a=

√2m(V0−E)

~ a1 (4.522)

の場合を考えてみましょう。(ちゃんと無次元量になってますか?)つまり、~が小さいと思え るようなマクロな場合ですね。このとき、

sinh2(2l0a)' e4l0a

4 (4.523)

ですので、

T ' 16E(V0−E) V02 e4l0a

= exp [

−4l0a+ log16E(V0−E) V02

]

' e4l0a (4.524)

となります。

前節では、壁の厚さd= 2aですから、

T 'e2l0d (4.525)

ですね。

一般に長方形じゃない場合でも、ポテンシャルを長方形を並べたものだと近似すると、

T ' exp [

2∑

i

l0i∆x ]

' exp [

2

~

b

a

√2m(V(x)−E)dx ]

(4.526) という近似式を得ることができます。これをGamovの透過因子と呼びます。

Chapter 5

量子力学の理論体系

これまで、いろいろな問題を解いてみて、量子力学の仕組みが少しずつわかってきましたよね。

ここでは、その一般論を学びましょう。すこし 、議論が抽象的ですが、そのうち慣れます。

5.1 ヒルベルト 空間

量子力学を構成するのは、「波動関数」と「演算子」の2つです。波動関数はスカラー倍や足し 算が定義されているので、ベクト ルだと思うことができます。また、演算子について、xˆやpˆ、 またこれらの足し算や掛け算でつくったQ(x, p)も線形演算子であるってことは見ましたね。こ れら、演算子は波動関数にかかります。つまり、

量子力学の世界 =線形代数 (5.1) です。

関数がベクト ルっていうイメージわいてますか?ベクト ルはベクト ル空間に住んでますけ ど、関数もそうです。関数を元とする空間ってのがあります。その空間なんですが、物理をやっ てるので関数全部でつくった空間ってわけにはいかないんですね。そうです。波動関数となる ためには、規格化できなければなりません。

|Ψ|2dx= 1 (5.2)

ですね。ってなわけで、関数のうち、「2乗可積分」っていう条件を満たすやつらだけでできた 空間ってのを考えます。

b

a

|f(x)|2dx <∞ (5.3)

を満たすf(x)の集合です。これを「ヒルベルト 空間」といいます。積分範囲をaからbまでに しましたが、物理の問題のほとんどの場合で−∞からですよね。

これからは、関数もベクト ルっぽく書きましょう。つまり、

|fi (5.4)

こんな風に。これを縦ベクト ルの気分で使いましょう。ベクト ル空間っていっても、関数の場 合はその次元(基底の数)は無限です。(フーリエ級数展開を思い出そう!)それでも、線形代 数で習った定理は結構成り立ちます。

ベクト ル空間ができたら、つぎは内積を定義してみたくなりますよね。自然な定義は hf|gi ≡

b

a

f(x)g(x)dx (5.5)

です。hf|っていうのは、横ベクト ル(みたいなもん )です。この定義から

hg|fi=hf|gi (5.6)

っていうのがわかります。

つぎに、ベクト ルの正規直交系ってのはその名のごとく、

hfm|fni=δmn (5.7)

なるベクト ル(つまり関数)の組{fn}です。これらが、完全系をなしているときは、例のごと く、すべての関数はこれらの線形結合で書き表すことができます。

f(x) =

n=1

cnfn(x) (5.8)

ですね。ベクト ルの表式では

|fi=

n=1

cn|fni (5.9)

です。このとき、

hfn|fi = hfn| (

m=1

cm|fmi )

=

m=1

cmδnm

= cn (5.10)

ですね。式(5.9)と式(5.10)を組み合わせると、

|fi=∑

n

|fnihfn|fi (5.11)

となります。フーリエの積分公式っていうのはこんな感じですよね。

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