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物理量( 観測可能量・オブザーバブル)

ドキュメント内 Abstract I Griffiths (ページ 154-159)

ですね。式(5.9)と式(5.10)を組み合わせると、

|fi=∑

n

|fnihfn|fi (5.11)

となります。フーリエの積分公式っていうのはこんな感じですよね。

ここで、二つの関数g1(x),g2(x)の和にたいして上のルールを適用してみます。

hg1+g2|Q(gˆ 1+g2)i = hg1|Qgˆ 1i+hg1|Qgˆ 2i+hg2|Qgˆ 1i+hg2|Qgˆ 2i (5.18)

hQ(gˆ 1+g2)|g1+g2i = hQgˆ 1|g1i+hQgˆ 1|g2i+hQgˆ 2|g1i+hQgˆ 2|g2i

= hg1|Qgˆ 1i+hQgˆ 1|g2i+hQgˆ 2|g1i+hg2|Qgˆ 2i (5.19) この2つは等しいので、

hg1|Qgˆ 2i+hg2|Qgˆ 1i=hQgˆ 1|g2i+hQgˆ 2|g1i (5.20) があらゆる関数g1,g2について成り立ちます。こんどは、g1+ig2 に対して、式(5.16)のルー ルを適用してみます。

hg1+ig2|Q(gˆ 1+ig2)i = hg1|Qgˆ 1i+ihg1|Qgˆ 2i −ihg2|Qgˆ 1i+hg2|Qgˆ 2i (5.21)

hQ(gˆ 1+ig2)|g1+ig2i = hQgˆ 1|g1i+ihQgˆ 1|g2i −ihQgˆ 2|g1i+hQgˆ 2|g2i

= hg1|Qgˆ 1i+ihQgˆ 1|g2i −ihQgˆ 2|g1i+hg2|Qgˆ 2i (5.22) この2つが等しいので、

hg1|Qgˆ 2i − hg2|Qgˆ 1i=hQgˆ 1|g2i − hQgˆ 2|g1i (5.23)

があらゆる関数の組g1,g2について成り立ちます。式(5.20)と(5.23)により、結局、

hg1|Qgˆ 2i=hQgˆ 1|g2i (5.24)

があらゆる関数の組について成り立つということです。

ちゃんとエルミート になってるでしょうか?たとえば 、位置演算子xˆは明らかにエルミー ト ですよね。

hf|xgˆ i =

fxgdx

=

(xf)gdx

= hˆxf|gi (5.25)

たしかに。では、運動量はどうでしょう?

hf|pgˆ i =

f~

i d dxgdx

= [

f~ ig

]

−∞

∫ ~ i

( d dxf

) gdx

=

∫ (~ i

d dxf

) gdx

= hpfˆ |gi (5.26)

たしかに。虚数単位のiが絶妙ですな。無限遠方で関数がゼロになることを使いました。

もうちょっと、エルミート 演算子になれておきましょう。まず、エルミート 共役っていうの を定義しましょう。それは、ある演算子Oˆがあったとき、

hf|Oˆgi=hOˆf|gi (5.27) があらゆる関数f,gについて成り立つとき、OˆOˆのエルミート 共役といいます。エルミー ト 演算子とは

Qˆ= ˆQ (5.28)

をみたす演算子ですね。

ちなみに、ある演算子Oˆにたいして、

hf|Oˆgi = hOˆg|fi

= hg|Oˆfi

= hOˆf|gi (5.29)

なので、

(Oˆ)

= ˆO (5.30)

ですね。それから、

hf|Oˆ(a1g1+a2g2)i = hOˆf|a1g1+a2g2i

= a1hOˆf|g1i+a2hOˆf|g2i

= a1hf|Oˆg1i+a2hf|Oˆg2i (5.31)

ですので、Oˆは線形演算子です。

適当な線形演算子A, ˆˆ Bの和について考えてみましょう。

hf|( ˆA+ ˆB)gi = hf|Agˆ i+hf|Bgˆ i

= hAˆf|gi+hBˆf|gi

= h( ˆA+ ˆB)f|gi (5.32) つまり、

( ˆA+ ˆB)= ˆA+ ˆB (5.33) 積はどうでしょうか?

hf|AˆBgˆ i = hAˆf|Bgˆ i

= hBˆAˆf|gi (5.34) つまり、

(AB)=BA (5.35)

です。順番が入れ替わることに注意です。

とくに、Qˆ1Qˆ2をエルミート 演算子とすると、

( ˆQ1+ ˆQ2)= ˆQ1+ ˆQ2 (5.36) なので、「エルミート 演算子の和はエルミート 演算子」です。積については注意が必要で、

( ˆQ1Qˆ2)= ˆQ2Qˆ1 (5.37) と順番が入れ替わります。つまり、Qˆ1Qˆ2= ˆQ2Qˆ1なら、Qˆ1Qˆ2はエルミート 演算子です。例え ば 、Qˆ21とかはエルミート 演算子です。Qˆ31も( ˆQ21)Q1とすれば 、エルミート であることがわか りますね。つまり、Qˆn1 (n= 1,2,3,· · ·)はエルミート 演算子です。ここから、ハミルト ニアン

Hˆ = pˆ2

2m +Vx) (5.38)

Hˆ= pˆ†2

2m +Vx) = ˆH (5.39)

となって、エルミート 演算子であることがわかります。

5.2.2 固有状態

定常状態っていうのやりましたよね。これって、エネルギーのきまった状態でした。それでは、

他の物理量Qˆの決まった状態っていうのも考えることができます。そういうのをQˆの固有状 態っていいます。

いま、Qˆの固有状態を|Ψiとすると、分散がゼロになるはずなので、

σ2Q = hQ2i − hQi2hQiqって名前をつける)

= h(Q−q)2i

= hΨ|( ˆQ−q)2Ψi(Qˆはエルミート 演算子なので、)

= h( ˆQ−q)Ψ|( ˆQ−q)Ψi

= 0 (5.40)

です。自分自身との内積がゼロになるのは、ゼロベクト ルのみなので、

|( ˆQ−q)Ψi= 0 (5.41)

つまり、関数の言葉では

QΨ =ˆ (5.42)

でなければなりません。これは、固有方程式ですね。つまり、ΨはQˆの固有関数で、qはその 固有値です。そうです、

ある物理量Qˆの決まった状態( 固有状態)とは、Qˆの固有関数 (5.43) なのです。Qˆの固有状態でQˆの観測をすると、いつもある値qとなります。

もちろん、例としては、ハミルト ニアンHˆ ですね。

|HΨiˆ =E|Ψi, ( ˆHΨ(x, t) =EΨ(x, t)の意味ですよ) (5.44)

っていうのを満たす状態Ψは

Ψ =ψ(x)eiEt/~ (5.45)

でしたよね。ただし 、ψEは時間によらないシュレーディンガー方程式の解とそれに対応す るEですね。

ドキュメント内 Abstract I Griffiths (ページ 154-159)