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GAAR への各原則の具体化

6.1

本GAARの検討期間の実質的な部分は、上記セクション5〈GAARのための諸原則の枠組み〉で説 明された原則が法律として具体化されるかどうか、そして、そうである場合如何にして具体化され るかの検討に占められた。

6.2

結論は、そうすることは可能であり、別添Ⅰの実例GAAR草案は適切な立法例を表示したもので ある。別添Ⅱのガイダンス・ノートは、GAAR草案に記述すべき重点を取り上げ、重要なこととし て、重大な責任あるタックス・プラニングの保護を行うためのガイダンスを与えている。

6.3

実例GAAR草案及びガイダンス・ノートが何であるかの過剰な説明をここで再び示す代わりに、

本報告書の読者は、別添Ⅰ及びⅡを読むことを勧められる。現在の目的については、実例GAAR 草案は、本報告書のセクション5〈GAARのための諸原則の枠組み〉に示された路線に従っている と記述することで十分である。大まかに言って、本GAARは2つの主要な要件を課している。

(!) 第一に、本GAARは、異常なアレンジメントに対してのみ適用される。アレンジメ ントの異常な特徴は、明らかにされなければならず、それを含んでいることは意図された 課税結果を実現する目的のためでなければならず、意図された課税結果は特定された数あ る方法の一つにより実現されなければならない。

(") 第二は、本GAARは、当該アレンジメントが、合理的に、法律により与えられてい

る行為の選択権の合理的行使と見做されない場合にのみ機能する。これは、責任あるタッ クス・プラニングの保護(保護措置と呼ばれる)のための最も重要なものである。この報 告書の以前のセクションで強調されたように、アレンジメントがその記述に入るか否か疑 問がある場合は、その疑問は納税者に有利に解決されるべきである。これは、実例GAAR 草案では、次の表現を使用して実現されている。

「もしそれが、合理的に行為の選択肢の合理的行使と見做しうる場合は、…」

このテストは、客観的で、実務上、それは、議論がある場合、裁判官自体が当該アレンジ メントを行為選択肢の合理的な行使と見做したときのみならず、彼自身そうした見解を持 たない場合であっても、彼がそうした見解は合理的に持たれうると見做す場合、租税審判 所は納税者の有利に判決することを意味している。

6.4

歳入関税庁に対し負担される立証責任に関し、これは、本GAARが超える必要がある高いハード ルと見做されるかもしれない。事実、それは高いハードルとなることを意図されている。しかしな がら、本GAARは、高度に人為的な租税回避スキーム(その内SHIPS 2が非常に可視的な一例で、

それを阻止又は打ち負かすよう考案されている)を取り扱うときこのハードルを越えることを、私 は確信している。

6.5

本報告書のセクション5〈GAARのための諸原則の枠組み〉で説明されたその他の保護措置は、

「保護措置(safeguards)」との見出しの下か或いは関係証拠資料の許可を取り扱う実例草案のセク

ション10〈ガイダンス・ノート及び資料の証拠能力〉において示されている。

6.6

ここで強調する価値がある一つの特別のポイントがある。これは、実例草案のセクションに示され た管理運営の制度である。これは、本GAARの使用が予想される場合、歳入関税庁の上級官吏が 許可することを義務付けている。この目的は、歳入関税庁による本GAARの使用に一貫性と責任 を確保することである。

6.7

セクション13〈管理と運営〉は、「納税者は歳入関税庁による本GAAR使用の見込みについて知ら されなければならない。そして、彼の見解では、本GAARは、何故適用できないか意見を述べる 機会を与えられなければならない」と規定を続ける。この特別の規定は、歳入関税庁は、さもなけ れば、アレンジメントの性格、又は、アレンジメントが行われる経緯を十分理解していない場合に 本GAARを発動しうるとの懸念に対処したものである。これは、新しい種類のインストルメント の発達についていくことが困難である特に金融及びデリバティブの領域に重要である。

6.8

実例草案の次のセクションであるセクション14〈保護措置4 諮問委員会への打消措置案の回付〉

は、争訟事項の諮問委員会への付託を規定している。この諮問委員会は、法律に基づく財務省規則

る個人及び、また、私的顧客税務(private client taxation)として知られるものに経験を持つ個人 から構成されることを想定している。諮問委員会は、歳入関税庁に任命されたメンバーもまた含む ものである。私は、与えられた事件では、3名からなる小委員会が歳入関税庁及び納税者の意見を 検討するために任命されることを想定している。この小委員会では、メンバーの2名は独立委員で、

少なくとも彼らの1名は、関係アレンジメントに関する専門知識を持っている。

6.9

委員会は、助言ベースのみで運営され、その結論は、歳入関税庁及び納税者を拘束しない。但し、

諮問委員会の意見は、本GAARに基づく打消措置に対する不服申し立てに於いて、租税裁判所に より考慮されうるものである。

6.10

最後に、実例草案が正にそれであることは、強調されるべきである。その全ての側面は、より簡潔 な又は要約されている草案に具体化されている。逆に表現すれば、草案の規定の幾つかはより詳細 に表現することができたということである。本GAARがそれ自体、人為的税のスキームのプロモー ターの巧妙さにより食い物にされる如何なるギャップ又はループホールも持たないことを確保する よう、その規定の幾つかが、調整される必要があることはまた極めて有り得ることである。

6.11

従って、私は、その実例GAARの十分に洗練されたバージョンが法律として立法されることを目 にすることが幸せである一方、私の主たる関心は、原作者であることを誇ることではなく、私が示 した原則を反映し、それがターゲットとしている濫用的スキームを阻止することのできるGAAR が立法されることにある。

別表Ⅰ―実例 GAAR 草案

パート XY 一般的反濫用ルール

§1.本パートの適用範囲

(1) 本パートは、所得税、法人税、キャピタルゲイン税及び石油収入税(以下[税]という)に 適用する。

(2)[税]に適用される法律は、次のものを含み、本パートに於いて[法]と呼ばれる。

(a)〈[法]の〉従属的法律、そして、

(b) 2010年課税法の§2(国際その他の規定)に基づき効力を与えられる関係二重課税協 定(§15参照)

§2§8(打消措置)の適用〉

§ 8(打消措置)は、本パートのない場合、アレンジメントへの[法]規定の適用から濫用的課税 結果を実現する、そして、そうした結果の実現を目論んでいる、異常なアレンジメント(§6及び 7参照)の打消のために適用される。

§3.〈濫 用 的 課 税 結 果(abusive tax result)及 び 異 常 な ア レ ン ジ メ ン ト(abnormal arrange-ment)〉

(1) 本パートの目的上、「濫用的課税結果(abusive tax result)」とは、「合理的タックスプラニン グ(§4参照)ではないアレンジメント」又は「税の意図(§5参照)を持たないアレンジメン トではないアレンジメント」により実現される有利な課税結果(§15参照)をいう。

(2) 本パートの適用上、「異常なアレンジメント(abnormal arrangement)」とは、異常な特徴

(§6及び7参照)の挿入が、次による、濫用的課税結果の実現を、その唯一の目的又はその主 要な目的の一つであると合理的にみなすことができる場合において、また、見做すことができる 場合においてのみ、濫用的課税結果の実現が目論まれることである。

(a)[法]の特定の規定の適用を避けること、

(b)[法]の特定の規定の適用を悪用すること、

(d)[法]の規定の知られている欠陥を悪用すること

§4 保護措置 1 合理的タックス・プラニング(reasonable tax planning)

(1) アレンジメントは、それが、[法]の規定により与えられた行為の選択肢の合理的行使として 合理的に見做される場合、濫用的課税結果を実現するものではない。

(2) 従い、§8(打消措置)は、そうしたアレンジメントには適用されないものとする。

(3) そうしたアレンジメントは、本パートに於いては、 「合理的タックス・プラニング(reason-able tax planning)」と呼ばれる。

§5 保護措置 2 税の意図のないアレンジメント(arrangements without tax intent)

(1) アレンジメントは、利益を得た当事者が、民事証拠の水準に於いて、アレンジメントが有利 な課税結果を実現する意図をもって企画されたことも、行われることもなかったこと、及び、そ うした意図をもって、いかなるステップ又は特徴事項も挿入されなかったし、それから除去され なかったことを示す場合は、濫用的課税結果を実現しない。

(2) 従い、§8(打消措置)は、そうしたアレンジメントには適用されないものとする。

(3) そうしたアレンジメントをこのパートでは、 「税の意図を持たないアレンジメント(arrange-ments without tax intent)」と呼ぶ。

§6 異常なアレンジメント(Abnormal arrangements)及び異常な特徴(abnormal features)

(1) 本パートの目的上、「異常なアレンジメント(Abnormal arrangements)」とは、客観的に見 て、次のアレンジメントである。

(a) 全体として見られ、全ての状況を観察した場合、濫用的課税結果とは別の重要な目的を 持っていない(その結果として、そうしたアレンジメントにおいて、その全ての側面が異常と 見做される)アレンジメントか、又は、

(b) 濫用的課税結果の実現をその唯一の目的として又はその主たる目的として持たなければア レンジメントに存在しない特徴を持つアレンジメント。

(2) §7(異常なアレンジメント:考慮される特徴)の規定は、サブセクション(1)(b)の目的 上適用する。

(3) 本パートの目的上、「異常な特徴」とは、§7(異常なアレンジメント:考慮される特徴)と ともに読まれるサブセクション(1)(b)で述べる特徴である。

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